表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/45

誓い

「そうだ! 愛羅武くん、携帯電話は持ってる?

よかったら、番号を交換してくれないかい?」


「ああ、いいよ。交換しよっか」


そう言って、俺は秋と連絡先を交換した。


すると、後ろから遠慮がちな声がする。


「わ、私も……。

ゆ、優さん、よろしいでしょうか……?」


「おう。菫もいいぞ」


そう言って、菫とも連絡先を交換した。


これで、ヒロインへの連絡先は三件になった。


家の方向が違う秋と菫とは校門で別れ、俺は百合と並んで帰路につく。


「女の子の連絡先、増えて嬉しいんじゃないの〜?」


「バカ、からかうな!」


……とは言ったものの、正直、少し嬉しかった。


そんなことを考えながら歩いていると、家の前に着いた。

俺は百合と別れ、玄関へ向かう。


ドアを開けようとした、その瞬間――。


突然、ウィンドウが現れた。


『クエストをクリアしました』


『???を助けてあげてください

 三色菫を達成しました』


『報酬を受け取りますか?』


突然の表示に、思わず息をのむ。


???は、三色菫のことだったのか……?


確かに、助けるべきキャラとして彼女のことは思い浮かべていた。

だが、本来は主犯のいじめっ子たちが退学するまで続く、長期イベントのはずだ。


――なぜ、ここで達成になる?


疑問を抱えたまま、俺は一旦ウィンドウを閉じ、家に入ることにした。


「ただいまー」


そう声をかけるが、返事はない。

どうやら、母さんたちはまだ帰っていないようだ。


俺は自分の部屋へ向かい、ベッドの前で改めてウィンドウを呼び出した。


『報酬を受け取りますか?』


俺は、迷わず押す。


『報酬:三色菫の好感度上昇/記憶のかけらを入手しました』


『三色菫の好感度が上昇しました』


『記憶のかけらを取得したため、自動同期を開始します』


テキストが消えた、その直後――


ズキッ。


やはり、頭に痛みが走る。

だが、今回は前よりも幾分か軽かった。


そして、俺の脳裏に一つの光景が浮かび上がる。



「ねえ、???くん。今回も助けてくれてありがとう。

でもね、私は絶対に諦めないから。

私の夢を笑うやつも、いじめてくるやつも……次は私がやり返す!」


「ああ。???なら、絶対なれるよ。

一緒に、見返してやろうぜ」



誰かとの思い出だろう。

短いのに、ひどく懐かしい。


だが、はっきりとは思い出せない。


相手の名前も、顔も、すっぽり抜け落ちている。

それでも――温かい声だけは、確かに感じられた。


探したい。


その感情だけが、強く胸に残る。


俺は、ゆっくりと目を開けた。


視界に、再びウィンドウが映る。


クエスト

『???を助けてあげてください』


また、同じ内容のクエストだ。


何回繰り返されるのかは分からない。

だが、そこに記憶があるのなら――。


俺は必ず、すべてクリアする。


そう、再度心に誓った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ