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状況把握
「母さん? 母さんなのか? なんでここに」
「何を言ってるのよ。優ったら、優が遅刻しないように起こしにきたのよ」
(どういうことだ…母さんはあの時…)
考えようとした瞬間、頭が痛み、理解は追いつかない。そんな状態で、心の中で呟いていると
「今日、花園楽園高校の入学式何だから! ちゃっちゃとリビングで朝ご飯を食べてきなさい」
そう言うと、母さんは階段を降りてキッチンに向かった。
母さんが言った高校は、俺がプレイしているハーレム美少女ゲームの舞台の学校だった。
まさかゲームの世界に吸い込まれたのか? まさか、流行りの転生ってやつか! なら、なぜ母さんが?
いや、まだ状況を把握したい。
慎重に動くしかない。
そう思いながら、俺は目の前に掛けられていた見慣れた制服を着て、階段を降りた。




