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自己紹介2
「じゃあ、最後にそこの二人。自己紹介を頼む」
顔の見えない生徒たちは飛ばされたはずなのに、それを俺以外誰も気にしていないかのように、自己紹介は淡々と続いた。
「薔薇崎華麗と申しますわ。どうかわたくしを覚えて帰ってくださいませ」
桃色の縦ロール。お嬢様という言葉をそのまま形にしたような彼女は、胸元には紫の薔薇を飾っていた。
――俺の推しヒロインの一人だ。
「私が最後ですね。夢見百合です。最初に自己紹介した優くんの幼馴染でもあります。よろしくお願いします」
言い終えた百合を見て、先生は一瞬、複雑そうな顔をした。
「では、本日は授業はありません。各自、帰宅するように」
そう言って先生は教室を出ていった。
俺も特に用事はなく、そのまま教室を後にした。




