戦闘神姫 第1話 その名は、クロカミ・イッシン
この世界では神器と呼ばれる神の力を宿す武器を巡り、争いが絶えなかった
10年前、最強の国とまで謳われたノヴァリス王国最強の男、クロカミ・ゴウケツと戦闘姫レイラ、その二人を圧倒的な力で倒したネフィリスの神器使い
その噂が広まり各地で神器の争奪戦が起こっていた
隣接する都市には
ネフィリス王国、グラディエル共和国、魔法都市エンバーギアなど、あらゆる国がその力を欲していた…
ネフィリスからの攻撃を受け王国は、新たな大将軍、将軍の入れ換えをし、なんとか磐石な国に作り上げた
「俺、ウエポンズになって闘うよ」
そう闘志を宿した少年の名前はクロカミ・イッシンだった
「そうか…ただ今のお前ではの垂れ死ぬだけだぞ?どうする?」
「剣を振り続けるよ…お父さんが死ぬ前から俺は国をお父さんと守るって決めてたからね…」
イッシンは言葉を詰まりながらも続けてこう言った
「でも、今は違うアイツらが憎い、父さんと、母さんを殺した奴らが…」
その怒りの目を宿した少年はまさに修羅そのものだった
「ウエポンズに成るのも、国のために力を使うのも俺はどっちでも良い、ただ…憎しみに囚われるな…」
シュラの声は静かだが、どこか芯があった
「じゃあ、シュラさんすいません、僕は鍛練を続けますね…」
話を終わらせ木刀を拾い上げようとした時
「そんな、効率の悪い鍛練では誰も助けることなどできん…しょうがないな俺がお前を育ててやる。ただし俺は厳しいけどな」
「いいんですか?国の将軍ですよね?」
「将軍ならある程度許される、それに俺はお前の親父さんから頼まれたからな…」
寂しげにシュラは答えた
「ただ、今のお前の年齢では手術を施してもウエポンズになれないだろう、後8年、15の歳にお前はウエポンズになれ…そして俺の下で働け」
シュラは熱く俺に語りかけた
シュラ・ラカン、常に冷静で周囲からは冷酷な男とまで噂されるが、その男の本質はゴウケツの部下であり、熱い男である
「シュラさん、本当にお願いしていいんですか?」
俺は問いかける、帰ってきた答えは
「師匠と呼べ!できる限り、俺の業を叩き込んでやる、そして俺は大将軍になってお前をこき使ってやる」
いつものシュラさんとは違い、熱き野望を語るその姿を初めて見た、だが本当にありがたい…現将軍であるこの人の指導なら
「師匠…!お願いします」
この日から、俺の鍛練の日々は始まった
剣、銃器、槍などのあらゆる武器を叩き込まれた
8年の時が立ちついに俺は15才を迎えた
「イッシン…お前の武器の扱う才能には心底驚いているよ、その扱いだけなら将軍級だぞ」
いつしかシュラは、国の二大巨頭と言える大将軍になった
そんな人に誉められるのは正直、嬉しかった
「明日、俺は手術するんだ…そしてウエポンズに俺はなるよ」
「そうか…そしたら俺がお前をコキ使ってやるからな」
そう笑いながら言うシュラはどこか寂しそうに見えた
次の日ー
俺は王宮の施設で検査を受けていた
どんな武器が俺に適応するのか期待と不安が入り交じる
「クロカミ・イッシンさんどうぞ」
遂に俺の番が来た、呼ばれた俺は応接室に入った
「クロカミ・イッシンさん本人ですね?」
「はい、俺がクロカミ・イッシン本人ですけど…」
当たり前の質問に当たり前に返した
博士は少し沈黙した。
「単刀直入に申し上げます…クロカミ・イッシンさん貴方は…」
「ウエポンズには成れません!!!!」
博士から驚く言葉が帰ってきた