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戦闘神姫  作者: 柳井
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【3章】戦闘神姫 第1話  変化する軍勢

戦闘姫レイカが死んで数日後。

ノヴァリス王国は勿論、隣国や他の軍勢にも、静かだが確実な変化が訪れていた――。

――ネフィリス王国

「皆のものこの勇敢な戦士がノヴァリス王国の最強戦力の一角を落とした!これから戦争になるぞ!」

大声を上げるのは、ネフィリスの軍隊長だった。

その声に呼応するように、周囲のネフィリス兵たちも次々と声を上げる。

「貴方に神器狩りをさせて正解でした。ありがとうございます。」

ゼロにそう声をかけたのは、サイランだった。

「別に武器に興味はねぇよ。だがアンタに貰ったこの武器(はこ)は最高だな。」

そう言って、ゼロはサイランから渡された箱を取り出す。

「貴方にピッタリでしょう。状況に合わせて戦えるその武器は。ところで…貴方のお名前は何と言うのでしょうか?貴方では呼びづらくてしょうがない。」

「ゼロ……。ゼロとでも呼んでくれ」

「わかりました。ゼロ…これからの活躍も期待してますよ」

サイランはそれだけを告げると、ゼロを残してその場を後にした。

(名前など今までどうでもよかった。あの女が聞いてくるまでは……本当の名前か……)

――黒猟会こくりょうかい本部

「ホントかぁ!?その情報」

「はい!たしかでございます。」

ソファーに腰掛け、報告を受けていたサングラス姿の男。

彼の名は、現在の黒猟会頭領――

クローフィー・ギル。

通称、ブラッディ・バンデッド。

「ギル様…私を黒猟会に入団させてほしく…」

ギルにすがりつく男は、以前アルギエラの塔でイッシンたちと出会った男だった。

「お前、ここでこの男と戦ってみろ」

ギルの背後から、別の男が姿を現す。

先日、黒猟会に入団したばかりの男だった。

「黒猟会は強者しか要らん。コイツに負ければお前は俺が殺す」

(まじか……とんでもねぇことになってきやがった。だけどやるしかねぇ。俺にはもう何もない)

「おれの名前はセトン!やってやるよぉ!」

――グラディエル共和国

「あのノヴァリス最強戦力の一角が落ちたか…」

「はっ。ウェスパー帝、これから如何なさいましょうか」

「我々は戦力の補強に努めよう。ノヴァリスが襲撃されたなら間違いなくこちら側も攻められるハズだ」

「承知でございます。では私は"アレ"の準備がございますので。」

「もうそんな時期か…落ち着いたら隣国にも声をかけておいてくれ…」

グラディエル共和国でも、確実に“何か”が動き始めていた。

「やぁ。サイラン久しぶりだね」

「この街に来るのも久しぶりですねぇ。」

サイランは、ある街を訪れていた。

「早速ですが魔法具はできていますか?」

「あぁ。今回のも良い出来だ。それと何人かそっち側に力を貸すこともできるぞ」

「ふふ。仲間は多いほうがいいですからね。助かりますよ…」

そう言って、サイランは袋を差し出す。

「これが欲しい国はたくさんあるよ。上層部ほど欲しがるもんさ。だからこれからもご贔屓に」

「えぇ。此方こそ」

その直後、サイランは魔法具を使用し、その場から姿を消した。

「後はこの街で分断が必要だな…邪魔物は排除するか…」

魔法都市エンバーギア。

この街もまた、ネフィリスの影響を受けようとしていた。

――

ノヴァリス王国の裏山。

そこには、数多くの墓標が静かに並んでいた。

その前に、一人の青年が立っている。

「レイカさん。必ず敵を取るよ…強くなってネフィリスからこの国を守って見せる」

墓標の前に立つのは、先日の任務で共に戦ったイッシンだった。

そこへ、一人の女性が歩いてくる。

「探した…イッシン…シュラさんが呼んでる」

ヨロヨロと歩くその姿は、レイカの妹――カグラ。

先の戦闘で、大怪我を負っていた。

「シュラさんが…?わかった。カグラ、無理すんなよ」

イッシンはそう言い残し、会議室へと向かう。

「レイカ姉さん。最強で在り続けてくれるんじゃなかったの…。一人にしないでよ…」

いつも冷静で静かなカグラが、涙を流す。

そして、強く拳を握りしめた。

「私がアイツを倒す。それまで私を見守ってて」

――会議室

会議室には、イッシンの他に戦闘姫とフーマの姿があった。

「イッシン、先日は大変だったな」

レイカの葬儀以来、イッシンはしばらく山に籠もっていた。

「はい。少しでも強くなりたくて…」

「レイカの件は報告を聞いた。早速、国王と他の将軍と話した結果だが――これから俺はネフィリス王国へ話を付けにいくつもりだ」

シュラが提案したのは、ネフィリス王国との直接交渉だった。

「今回の件は事故だ。それに襲ってきたのは奴らだ。その点について確認してくる」

「それって一人で行くんですか?危険だよ」

「私がお供します。」

静かに立っていたクロエが名乗り出る。

「あぁ。クロエとフーマ。それに何人か連れていく」

「なら俺も…」

イッシンも声を上げるが、

「お前は待機だ。今のお前は、すぐにでも暴れだしそうだ。他の皆と護衛に当たってくれ」

そう言って、シュラたちは会議室を後にした。

「じゃあ俺も行きます」

会議が終わり、イッシンも部屋を出る。

考え込みながら廊下を歩いていると、遠くから声が飛んできた。

「シュラの飼い犬じゃねぇか!」

現れたのは、シュラと同格の大将軍――オネットだった。

「聞いたぜ?お前達を助けるために、我が国の戦力が死んだんだってなぁ!」

それ以降も、オネットはイッシンとカグラを執拗に侮辱する。

(乗るな……無視しろ……)

そう思った矢先――

「何も言い返せないんだな!腰抜けが。そんな腰抜けがいる部隊だから、ネフィリスの一般兵ごときに殺されるんだよ」

その瞬間、イッシンの中で何かが切れた。

悔しさで胸が張り裂けそうになる。

「アンタに何がわかんだよ…」

(いいぞ…殴り掛かれ!それと同時に私が制圧してやる)

イッシンが一歩踏み出した、その時――

「待て!!イッシン!!」

「イアさん……」

イアはイッシンの横へ駆け寄り、深く頭を下げる。

「大将軍。うちの部下が失礼な態度を取ってしまい申し訳ございません」

「イアさん…!何言ってるんだ!」

だが、イアはイッシンにも頭を下げさせた。

「フン。まあいい。この場から手を引いてやろう…行くぞ」

「待ってください…」

その時、オネットの背後から着流し姿の男が割って入った。

「それじゃあ、お互い納得しないんじゃないんですか?牙を向けた少年も、オネット将軍も…公式の試合を組んでみたらどうでしょうか?」

「ほぅ。シラハル…公式試合で私がコイツと戦うのか?」

「いえ…オネット将軍が相手をすれば戦いにすらなりません。ここは少年と同じく、こちら側からも将軍候補の実力者を出すという事でどうでしょうか?」

シラハルの提案は、将軍級の器を試されているイッシンにとっても好都合だった。

「俺が勝ったら、素直に謝罪しろ…」

「では、こちら側が勝った場合はどうしますか?将軍」

「もし負けたときは、お前を一生俺の駒として扱う。それでよいな!」

「あぁ。試合はいつにしますか?」

「シュラが見てないと面白くはない。一月後…試合だ!武器の使用を含む何でもアリのルールだ。精々死なないように頑張るんだな」

オネットは高笑いしながら去っていった。

「では、私も失礼します……」

「ちょっと待て」

イアがシラハルを呼び止める。

「お前、何者だ?オネット大将軍の側近なんか、ポッと出の奴がなれるわけねぇ。何を企んでる」

「私はただの参謀役に選ばれた一般兵です。何も企んでおりませぬ。」

「まぁいい。だが舐めた態度取ってたら、派閥関係なしにぶっ飛ばすぞ」

「肝に銘じておきます。」

シラハルは静かにその場を去った。

「ったく!馬鹿たれが!」

イアはイッシンの頭を拳で小突く。

「お前がオネットに攻撃した時点で、即死だったぞ。奴はクソだが実力者だ。それにお前まで死んじまったら、レイカが生かした意味がなくなるだろうが…」

その言葉に、イッシンはハッとする。

レイカが命を懸けて、自分とカグラを逃がした光景が脳裏に蘇った。

「すいません。つい、カッとなりました」

「だが、あれは正解だ。私なら殺してた。助かったよ、私に止めさせてくれて…それに」

イアが後ろを指差す。

そこには、アヤカとパラットの姿があった。

「イッシン。無鉄砲にもほどがあるわよ」

「イッシンさん、力を貸す…です。」

「勝負は一月後ね。それまで叩き込んであげるわよ」

「あぁ!助かるよ」

こうしてイッシンは、一月後の試合に向けて、過酷な訓練に身を投じることになった。

――

「上手く行きましたね、オネット大将軍」

「あぁ。主のお陰だ、シラハル。これでまた我が王に近づいた」

「ええ。私は貴方を王にするのが目的ですから…奴も、貴方の駒にしてしまいましょう」

(しっかり動いて下さいよ。貴方は、私の駒そのものなのですから……)


ーー

数日後・ネフィリス王国入り口

「ノヴァリス王国から参った。シュラ・ラカンだ。通してもらおう」

シュラが入り口で叫ぶ。同時に門が空き門兵が案内をする

「こちらへどうぞ」

案内されるままシュラ達は王国の応接室へと案内された

「ここがネフィリスの内部か…。」

元々は小規模な国だと言われていたがここ数年で国は大きく変化していた

「待ったかね」

現れたのはネフィリス王国のトップに位置する人物 ネフィリス・ラゴウだった

「では諸君らの話を聞こうか…」

そしてノヴァリスとネフィリスの会合が始まった




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