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戦闘神姫  作者: 柳井
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プロローグ②

ノヴァリス王国、東端の国境地帯。

夜明け前の静寂は、突如として破られた。

警報が鳴り響く――


「敵襲! 敵襲だ!」


黒い装甲をまとった大量の生物兵器が、闇夜に紛れてなだれ込んでくる。

前線に立つゴウケツと、その隣には戦闘姫レイラ。

二人は息を合わせ、次々と敵兵を薙ぎ払っていく。


「レイラ、右を頼む!」


「任せて!」


ウエポンズ部隊の力は圧倒的だった。

だが、敵の中には“自我を失った異形”――

今まで見たこともない、異様な存在が紛れていた。


「……こいつら、本当に人間か?」


人間離れした攻撃力と耐久力。まるでウエポンズ並みの性能だ。


他国の軍事力が高まっているとは聞いていたが、こんな兵器の噂は知らない。


明らかに、ただの生物兵器じゃない。

ウエポンズに“似た何か”――不気味な感覚だけが残った。


「さすがゴウケツ隊長ですね。少し手こずりましたが、余裕でしたね」


疑問は残るが、今は無事に帰還して報告するのが先決だ――


だが、その時。


背後で、異様な気配がうごめく。


それを最初に知ったのは、隊員たちの悲鳴だった。

黒い影は、小隊を一瞬で斬り裂いていく。


俺は咄嗟に反応して攻撃を防いだ


闇の中から現れた“黒いフードの女性”――

フードからこぼれる顔に俺たちには、見覚えがあった。


「……嘘だろ。なぜ、ここに……」


レイラの顔が蒼白になる。


「あなた……まさか……」


二人の脳裏を過る、かつて失った“娘のライハ”の面影。だが、あり得ない。


ライハはもうこの世にはいない存在だから


「……オトウサン、オカアサン…」

聞き覚えのあるあの声だ…


悲しみと恐怖で、レイラの体が震える。

その時レイラは武器を落としてしまった


それは一瞬の出来事だった。

黒いフードの女が、ニヤリと口角を吊り上げる。

次の瞬間、まるで闇が光を包むそような速さでレイラへと迫った。


「レイラ!!!!」


一瞬の隙を突きレイラの胸元を貫いた。


「うぉぉぉぉ……離れろぉぉ!」


俺はすぐさま武器を振るった


黒いフードの女は後方に弾き飛ばされ、闇の中へと消えた。


「レイラ! しっかりしろ!」


レイラの体温は急速に下がっていく。

――死が、すぐそこまで迫っていた。


「絶対に助けてやる。もう誰も、死なせやしない」


過去に死んだライハのためにも、もう家族を失うわけにはいかないと、俺は必死に走る。


「あなた……私……」


レイラは震える声で呟く。


「喋るな! もうすぐ着くからな」


正直、分かっていた。レイラはもう――

だが、最後まで諦めず、俺は走った。


どれくらい走っただろうか。門は目の前だ。


「助かる……神も俺たちを見放してなかったんだな」


――その時、背後から気配を感じた

その瞬間、俺の背中に焼けるような熱さを感じた


「それを、こっちに渡してもらおうか」


完璧な奇襲だった。背中を裂かれ激痛が走る。


「その紋章は……ネフィリス軍か」


黒く、禍々しい羽の紋様――見覚えがある。

なるほど合点がつく、この生物兵器達とウエポンズに似た力の何かを


「如何にも。私はネフィリス軍のサイラン、その女に用がある」


「俺達はお前らに用などないがな」


俺は剣を抜く。それは戦闘の始まりには充分だった

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