表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

1000文字以内シリーズ 現実恋愛

文学少女はドラゴンを殺せるか

作者: 生駒田

 高校一年の春、文学少女はドラゴンと出会った。



 少女の名前は、桜井美春(さくらいみはる)

 いつも(うつむ)いてばかりの、本が友達といった内気な少女。

 高校入学を控えた春、高校では友達を作ろうと、少女は長すぎる髪を整え、野暮ったい眼鏡をコンタクトに変えた。


 人生初と言ってもいいほどのおしゃれな装いをして、街中の喫茶店を目指していた少女は、あまり素行が良さそうとは言えない男性に絡まれた所を、目つきの鋭い人物に助けられる。


 絡まれたと言っても、いわゆるただのナンパなのだが、少女には恐怖の権化に見えたのだから、ロリコンナンパ野郎も災難である。



******



 少年の名前は、藤堂龍也(とうどうたつや)

 正義感が強く、目つきの鋭い少年。

 素行の悪い者を注意しては、喧嘩(けんか)になる事があり、いつしか地元の不良達から、ドラゴンと呼ばれるようになった。


 高校の入学式当日、人生初の猛勉強によって、地元から離れた高校に入学した少年は、入学式を終えて、教室にある自身の席に座ろうとした所で、隣の席に座る、口元を本で隠した小動物の様な少女に見つめられていた。


「あー……初めまして?」


 少しだけ嗄れたようなその声を聞いて、見るからに動揺した様子の少女は、本で顔を隠し俯くと、直ぐに本を閉じ顔を上げ、口を開いた。


「あの! 初めまして! えっと……桜井美晴です! 好きです!」


「……は?」


 なお、少女の脳内シミュレーションでは自分から話しかけて、友達になってください、と言うつもりだったようである。


 殺し文句としては、悪くない先制攻撃と言えるのではないだろうか。



少女の大胆な発言は、話しかけられた事と、「初めまして」と言われ、若干キレたのが要因である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] おお、これは~。なんともモゾモゾするエピローグですね。最高の殺し文句かもしれません。
[良い点] なるほど、殺すってそういう意味か……。 いいですね~、いいですね~。 思わずニヨニヨしてしまいますよ♪
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ