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モテすぎる悪友が鬱陶しいので、彼女を作らせて黙らせたい  作者: 梨本 和広
1章 桐田朱里と蘭童殿

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33話 遅刻問答


「さて廣瀬、お前が授業に遅刻したのは1年時から合わせて13回目になるが、言いたいことはあるか?」

「僕のせいではありません」

「ほう、それでは誰のせいなんだ?」

「あいちゃんのせいです」

「ほう、あいちゃんか。して、あいちゃんとは誰だ?」

「教えられません」

「人のせいにするわりには仲間意識があるんだな、感心なことだ」

「ありがとうございます」

「具体的には何故遅れたんだ?」

「あいちゃんの相談に乗ってました。急いで戻ってきたのですが間に合わず……」

「お前、普通に歩いて戻ってこなかったか?」

「気のせいです」

「まあそれはいいが。廣瀬が本当にあいちゃんの相談に乗っていたなら不問にしたいところだが、後であいちゃんに会わせてくれ」

「それは嫌です」

「それはまた何故だ? あいちゃんを怒るつもりはないぞ?」

「事実と違うことを言われたら困るからです」

「それは廣瀬が嘘をついていると言っているように聞こえるんだが」

「あいちゃんは今錯乱状態なのです。とても会話ができる状態ではありません」

「お前さっき、相談に乗ってたって言ってなかったか?」

「僕との会話直後、錯乱状態に陥りました。哀しいことです」

「哀しいな、今は大丈夫なのか?」

「僕に相談した時間軸と相談していない時間軸を行ったり来たりしています。予断を許しません」

「確かに錯乱しているな、さしずめシュレディンガーのあいちゃんといったところか」

「はあ、多分そんな感じです」

「多分って何だ?」

「絶対です。あいちゃんはシュレディンガーです」

「あいちゃんはシュレディンガーじゃないだろ?」

「いえ、あいちゃんは自分がシュレディンガーであると認識した時間軸にも移動しています」

「あいちゃんすごいな、本当にあいちゃんは大丈夫なのか?」

「大丈夫です。ちゃんと授業を受けています」

「錯乱状態なのにか?」

「授業を受けたいが為に錯乱状態になったところはあります」

「時間軸の移動があるんじゃないのか?」

「そうですね、たまにあいちゃんが透けて見えると思います」

「……もういい、席に座れ」

「ありがとうございます」

「廣瀬、たまには素直に謝ったらどうだ?」

「僕は悪くないので」

「そうだな、あいちゃんだもんな」

「あいちゃんです」

「はあ……もういいや、授業再開するぞ」


13戦13勝、完全勝利である。

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― 新着の感想 ―
[良い点] この短いやりとりだけで笑うw
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