第1話 呆気ないよ、お父さん。
その日は、部室のソファーで寝ていた。
友達と夜通し遊んで、
疲れてそのままソファーで寝ていた。
そろそろ起きようと思ってたところに、
昼からバイトの弟が起きてきて一言、
「お父さん、起きないよ」
朝9時、電話の音が鳴っていた。
音に敏感の父は、いつも起きる。
こんな暑い日は尚更、寝付きが悪くてすぐ起きる。
電話の音が鳴り続けてるのに違和感を感じた。
そんなはずないと思った。
たまたま、すごく疲れてたから、気がついてないだけだと思った。
何度声をかけても起きなかった。
さわっても揺すっても起きなかった。
私は汗だくなのに父はとても冷たかった、
父は、亡くなっていた。
呆気ない、
とても呆気ない。