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天下界の無信仰者(イレギュラー)  作者: 奏 せいや
第0部 プロローグ
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プロローグ

 世界の敵が欲しいのは一つだけ。


 与えられたのは孤独と迫害。生誕した罪人は許されることなく檻に住む。増悪だけが肥大化するこの地に爪痕を残したい。


 この世界にいるのは自分だけ。だから世界の敵が欲しいのは一つだけ。


 友が欲しい。それだけが欲しかった。


 それだけが、どうして手に入らないのか。


「命令だ」


 呪いたくなるほどの悔しさと共に少年は言い放つ。目の前にいる金髪の少女へ向けて。跪き今も自分を見上げる彼女を見つめて。


「もう、二度と俺の前に出てくるな」


 嘆きを口にするように、別れを告げた。


 なぜこんなにも手に入らないのだろう。友達というありきたいな存在がまるで雲の上のように届かない。


 伸ばした手は払われて、少年は希望を手放した。


 友達が欲しいだけ。それだけなのに叶わない。神様なんていなくていいからこの手を掴んで欲しい。


 それだけを求めてる。


 世界の敵は、泣いていた。

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