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Recollections of dusk  作者: もちもちもちこ
2/6

April

4月 新生活の始まり!

~April~






さぁぁて。今日から真・学校生活をスタートさせるぞぅ!!!


昨日のは……なかった事にしようっ!!!


掃除と洗濯をすませて玄関に向かう。


あ、そうだ。


「お兄ちゃんっ!締め切り後だからって気抜かし過ぎないでよ!!!またすぐに締め切りなんて来るんだから。今日夕方から雨降るって言ってるから、洗濯物早めに入れてね。いってきます!!!」


慌しいと言うなかれ。これでもかなり忙しいのだ、朝の私は。


朝ごはんも掃除も家事一般は全て私の管轄だったりするのだ。


んでお兄ちゃんが稼ぎ担当。……何か理不尽を感じる……。


まぁお兄ちゃんが稼いでこなかったらこんなにいいマンションには住めなかったし、


私ももっと苦労してただろう。そう思うと何も言えないんだな、これが。


「おい、廉。今日も遅刻寸前なんて、嫌だからな。今日はおいてくぞ」


不機嫌な真昼の声。昨日のことをまだ根に持ってるらしい。


まぁ、主席合格だった奴が遅刻寸前だったんだから、当然かも。


でもおいてくなんて許せない。ってか許さない。


「嫌っ!!!おいていくなんて事したら、大塚さんに言いつけるからね!この前も家出したって!!!」


「う"っ!!!!」


何時も冷静な真昼が、言葉に詰まる。


実は真昼もお兄ちゃん同様、大塚さんが苦手なのだ。


華南ねぇの何処が嫌なのか分からないが、最近真昼は多々家出する。


まぁ、行く場所がワンパターンなので大して皆心配しないのだが。


その事について、大塚さんはやけに怒る。それが真昼は苦手なのだ。


……確かに怒ってる大塚さんは死ぬほど怖そうだけど…。


華南ねぇを困らせてるって自覚があるから、ってのもありそうだけど。


「……わかった、おいてかないから。早く行くぞ、廉。………絶対言うなよ?」


「はいはーいvvv……じゃあさ、腕、組んでいい?」


でも私が言わなくても華南ねぇが大塚さんに相談すると思うよ?


まぁいいや。(いいのか?)


好きな男の子と桜並木の坂を、腕組んで歩く!!他愛ないおしゃべりしてっ!!!


いやーんvvこれこそ私の求めた学園らぶこめっ!!!


周りが羨ましいと嫉妬の念を送ってるのが見えるわ!!!


「…………絶対嫌だ。…歩きづらいじゃん」


ナンデスト?私ヨクキコエナカッタヨ。


…聞き間違いじゃなければ、『嫌だ』とか言い抜かしやがりました?このお坊ちゃん。


……ムカ。


「…真昼は私が好きじゃないのねっ!!!だからそんな酷い事言えるんだわっ!!!」


わっと泣き真似をしてやる。しかしそんな事で真昼はたじろかない。


だかそんなのは既に予想済み。


何年幼馴染やってると思ってんのよ(だから幼馴染なんでは?)


「好きって……。歩きづらいのとなんの関係も……」


「あら。私は言った筈だよ、真昼のこと『好き』だって。真昼の目の前で恥さらしのようにね!忘れたとは言わせないわよ?あの後散々皆に言いふらして1ヶ月間笑い者にしてくれたんだから!!!」


言った通り。


あの『告白しちゃったのよ事件』(勝手に命名)で、


真昼は散々笑い話として皆に言い触らしてくれた。


中学1年という微妙な年頃、時期ともあって、


私は暫くの間皆の笑い者になっていたのだ。


流石の私もその時はかなり人間不信になったなぁ。今では思い出話として語れるけどね。


でも思い出すだけでムカつくなぁ。よし、やってしまえ、私。


「なーのに真昼クンは!結局私の恥ずかしーい告白をなかった事にしてるしさ。じゃあいっそ今ここで決着つける?私は構わないわ。さぁ言って、今すぐ言って。私の事好きなの?嫌いなの?どっちなの!?さぁさぁさぁさぁ、だーんとオトコらしく答えて頂戴っ!!!」


私がぐぐいっと追い詰めると、真昼はかなり焦った顔をしていた。


そりゃそうでしょ。答え、未だに見つけてないんだもん。


ってか忘れようとしてるよね、完全に。先刻言った通りなかったことにしようとしてるんだ、真昼は。


私の事は嫌いじゃないけど、恋愛対象としては見られないってところか。


…………まだまだ押しがたらんな。


私はあの恥ずかしい事件を、すっかり自分の武器にしてしまった。


きっとこれ以上恥ずかしい事なんて、滅多にないだろうから


もう怖いものもないってことで。


ほーら、真昼悩んでる。どうやってこの場面を切り抜けようかって。


…………悩んでる顔もかーわいいvvvコレは愛だね、愛。


あ、ヤバイ時間かも。さて、真昼いじめもこの辺にしとくか。


「……もういいよ。この話はまた今度にしよう。いくら答えてくれなくても、私は待ってるから」


「……廉」


わざとしおらしく、寂しげに言う私。


…よし。これで真昼は容易にこの話を忘れられなくなったな。


駄目だよ真昼。恋は策略で勝負しなきゃ。罠にかかった方が負けなんだよv


そして結局今日も遅刻ギリギリ。


朝からいい汗かいちゃったけど、ま、いっかvvv






真昼は1組で私は3組。


というわけで、お昼は私が真昼を迎えに行くのが何時ものこと。


中学生の時からずっとそれが続いているのだ。


…だって真昼、誘いに来てくれないんだもん。


「おーい、まーひーるー。奥さん来てるぞ、お迎え」


中学生の時から同じ学校の奴に真昼を呼び出してもらったんだけど…。


お……奥さんだなんてv


露骨な表現(?)に廉ちゃん、赤らめちゃうvv


でも中学生の時では日常茶飯事だった事も、高校生活第1日目では流石に異常だったらしい。


クラス内はざわついて、男子なんかは真昼をからかってる。


何だか打ち解けるのが早いクラスだなぁ…。だって昨日今日会った人ばっかなのに…。


そんな風にぼんやり考えてると、赤い顔した真昼が入り口にやってくる。


「真昼、早く行こう?どこがいいかな?屋上?中庭??」


「……俺、もうお前と昼飯食いたくない…」


「何ふざけた事言ってんの。何?からかわれたから?大丈夫、ただ私達の仲が羨ましいだけ。自分にはそんな相手いないから冷やかしで自分を正当化しようとしてるのよ。さ、行こ!」


真昼は呆れて何も言えないって感じだ。大人しく私についてくる。


クラスの大半の、大体が冷やかしをしていた連中は、あんぐり口を開いていた。ざまぁみやがれ。






窓から見ると、中庭には先客が居たので、屋上に行くことにした。


春の陽気でぽかぽかして気持ち良いー。


眺めもいいので、まさにお弁当タイムにはうってつけの場所だな!


「真昼のお弁当、今日も美味しそうだねぇ…。流石華南ねぇさん」


「うーん、真昼、気持ち良いねぇ~…。このまま眠れそぅ……」


「寝るなよ。まだ午後の授業あるんだから。寝てたら置いてくからな」


「寝ないって。ただねっころがるだけ……」


「……廉。明日からはさ、お互い友人と昼食をとるってどうだ?ほら、もう俺たち高校生だし。こう、友情を深め合うとか、色々あるだろ?」


「嫌だ。帰りは別々って条件は受け入れてあげたんだから。これ以上は妥協しません。えぇしませんとも。いいの、友情は他のところでも深め合えるから。…それとも真昼が嫌なの?私と食べるの。嫌なら嫌って言えばいいじゃない。でも言ったら泣いてやる、喚いてやる。真昼のクラスで『真昼に捨てられたっ!!』って言いまくってやる」


つまり、お昼は一緒に食べようって言ってるんだよ?私は。


ちょーっと強引かつ恐喝が入ってるけど。


むちゃくちゃだけど、私がそれを実行できると真昼は知ってる。


だから、はい。真昼の負け。


私が笑うと同時に、昼休み終了のチャイムが鳴った。

















チャイムが鳴っていた。分かってる。けど起きたくない。眠い。


でもコレがあの女だった時、かなり厄介だ。宅配便だったら………廉が怒るか。


仕方ナシにインターホンまではっていく。


「………はい、相模ですけど……」


あからさまに不機嫌な声を出してやる。


これで何かの訪問販売だったら、マジでキレるからな。


「あ、栄治?いい加減起きなさい。もう3時になっちゃうんだから」


…何だ、華南か。


インターホンについてるボタンを押して鍵を開けてやると、華南はズカズカ部屋に入ってきた。


「全く!!本当にずっと寝てたのね、呆れちゃう。これ、廉ちゃんが作った朝ごはんでしょ?ちゃんと食べちゃいなさい。私が洗濯物入れ込んでてあげるから」


閉めてたカーテンを開けると、まさに『雨、降ります』って感じの雲が空に広がっていた。


そーいえば廉の奴が、夕方から雨が降るって言ってたか。


華南は慣れた手つきで洗濯物を取り込んでいく。俺はというと廉が朝ご飯用に作った冷たい飯を片付けてる。帰ってきて残ってると、凄い剣幕で怒るからな、アイツ。


「栄治。食べ終わったら洗い物そこに浸けといて。後洗濯物たたんでおいてね」


「……何で俺が…。家事は廉が担当してるって何度も言っただろ?」


「廉ちゃんは今高校の生活に慣れるので大変なのっ!そういう時は少しでも負担を軽くしてあげなくちゃ」


いやぁ、アイツがそんな繊細な感性を持ってるとは思えないぞ、俺には。


華南は手早く先刻の食器を片付け、夕飯を作り出した。


材料からすると………今夜は鍋だな。よし、やるか。


華南のエプロン姿はよく似合う。というか随分見てたんで慣れた。


じっと見てると視線を感じたのか、華南が振り向いた。


「…何?話でもあるの?」


「いいや。お前はエプロンがよく似合う、と感心していたところだ。廉あたりが着てても何か面白みがないというかなんというか。これで裸エプロンでもしてくれるんだったら最高なのに…」


「……何かいいましたか?栄治サン?」


うわ、包丁だよ。危ねぇな。


流石に怖いので、少しどもりながら俺は自分の主張を続ける。


「だがな、裸エプロンは男のロマンだと思うぞ。海斗だって心の中では『して欲しいなぁ』なんてエロい事を考えてると俺は思うね。否、きっとそうに違いない!」


「………そう言い切る根拠は?」


「親友の勘。もしくは男の勘とも言う」


はぁぁとため息を吐き、華南はまた夕飯の支度を続けた。


「海斗は栄治とは違うの。海斗はそんな酷い事言わないもん」


「……じゃあさっさと結婚しちまえ」


先刻まで一定のリズムで動かしていた包丁を持つ手が止まる。


TVもつけてなかったので、とうとう降り出した雨の音しかしなくなった。


華南は今、何を考えてるんだろう。


華南と海斗は婚約してる。それも1年も前にだ。


だが、一向に籍を入れる事も、式をする相談などもない。


海斗は大企業に勤める若きエリートサラリーマンだ。忙しいというのもあるんだろうが。


それにしても婚約期間が長すぎる。関係ないと言えば関係ないんだが……。




―――俺としては、さっさと結婚して欲しかった、この2人には。―――




そうしてくれれば、何とも思わないで、2人を祝福できたのに。




随分、そのままお互い何も言わず、見詰め合ってたような気がした。


外が更にやかましくなるまで。


「あーやっぱり濡れたぁっ!!!おにゅーの制服なのにぃ……」


玄関でがちゃっと1回ドアを開けようとして、鍵を開ける音がする。


「部屋に一晩置いておけば明日には乾いてるって。……って姉さん帰ってる?」


「あ、うちに靴あるよー。華南ねぇ来てるの??お兄ちゃん、ただいまぁー」


お互いの金縛りが解けたように、華南は玄関まで小走りで向かった。


戻ってくる時は廉と真昼も一緒だった。


「あ、お兄ちゃんが洗濯物たたんでる。あー、今日の雨は明日には牛になってるのか」


オイこらそこの馬鹿娘。俺が洗濯物をたたんでたら翌日牛が降るのか。


廉と真昼はこれまた随分濡れていた。


廉のスカートは殆ど濡れていて今朝見た色より色を濃くしていた。


でも廉のはまだマシで真昼は上着共々まさにずぶ濡れ。


「あら、こんなに濡れて。真昼、家に帰って制服脱いできなさい。ちゃんとハンガーにかけるのよ!さ、廉ちゃんも。お風呂入ってきたほうがいいわね。このままじゃ風邪引いちゃうもの」


「うん。あ、美味しそうな匂い。…華南ねぇが作ってくれたの??」


「えぇ、今日は早く帰ってこれたから。5人で食べましょうねv」


「あ、海斗さんも来るんだ。……真昼が喜ぶぞー」


華南がクスっと笑った。真昼の奴、海斗に懐いてるからな……。


廉がどたばたと風呂に入ると、華南はまた、夕飯を作り始めた。


あの話がもう一度話題に上がる事はなかった。










お風呂から上がると、パジャマを着た真昼が嬉しそうに誰かと話してるのが見えた。


……真昼がこんな笑顔を見せる相手なんて、私はただ一人しか知らない。


「海斗さん、いらっしゃーい」


「やぁ、廉ちゃん。お邪魔してます。高校入学おめでとう」


ニッコリスマイル。


嗚呼海斗さん、いい人だ。こんな人がお兄ちゃんの親友をやってるんだから世の中分からない。


華南ねぇとはお似合いだと思うけど。


「…俺と海斗さんが話してたんだから割り込むなよ、廉」


嫉妬ですか。嫉妬しますよ?


ある意味、海斗さんは私のなんだよなぁ。


真昼は海斗さんを随分好きなのだ。恋愛対象としてじゃないのは分かってるけど。


とりあえず私以上に好きな人が居るのはムカつくから、今だけ真昼シカト。


「今日は華南ねぇが作ってくれたんだって。楽しみだよねぇvv」


「あぁ、美味かったぞ。お前の料理より美味いからな、華南の飯は」


む、ぐうたら兄貴まで会話に参加してきたか。


お兄ちゃんの頬には先刻にはなかったはずの手形がくっきり赤く残っていた。


「……さては、つまみ食いでもしたんでしょ?で、華南ねぇにバレたんだ」


「またやってたのか?栄治、お前も懲りないな」


4人でお兄ちゃんを笑うと、私だけぽかっと殴られた。


理不尽だっ!!!4人で笑ったのにっ!!!!


その後の夕飯はむちゃくちゃ美味かった。


流石だ、華南ねぇ。私の料理のお師匠様の味は伊達じゃない。


いいなぁ、海斗さん。


こーんな美人で料理が上手で優しくてスタイル良くて聖母のような人お嫁さんに出来て。


あ、私も真昼がそんな風に自慢できるようなお嫁さんになろー。


大丈夫、あと少しだと思うんだよねー。あと少し胸がおっきくなれば。


性格の方に難はないと思うし。


お兄ちゃんにそう言ったら、もう一度殴られた。
























大体はこんなノリで進みます。

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