64.検証
かなり短いです。
ごめんなさい。キリが悪かったんです。
デスペナ解除まであと十数分。
それまで少しこの鎌の使い勝手を見なければな。
鎌なんて正直使ったことないが、今回の相手は動きの素早い魔物だったりする訳ではない。
魔導アーマーは俺たちプレイヤーと比べるとかなり巨大なので、今回のクエストに限って言えば、隙がどうこうというよりも、いかに力を有効に引き出し、相手に伝えるか。
これがポイントになる、と思う。
一番最初に思い浮かぶのは、遠心力を利用することだな。これはハンマーみたいに何周か回転して、そのままの勢いで叩きつければいいだろう。
しかし…なぁ…
何かを試しに切ってみないことには始まらないのだが、いまやホームの中の木はどれも何かを収穫できるような、何かしら役割のあるものしかない。
それを切ってしまうとヒンシュクを浴びるだけでは済まなそうだ。木はやめよう。
かといって雑草を切るのは手応えがなさすぎるしな…大鎌なんだから。
なので、しばらくは頭の中で理論だけ練っておくことにしておいて、デスペナ解除されて、フィールドに出られるようになったら、そこらへんの木で試せばいいか、という結論になった。
草刈りのイメージから考えて、想像を固めたところで、ちょうど死んでから4時間たった。
そこまでして、ついにデスペナが解除された。
魔導アーマー達は、もうすでにホームエリアの境界のすぐ近くまで攻め込んできており、もう姿が生産スペースからでもよく見えるようになっていたので、そちらに向かって走る。
脚はないけどな。気分の問題。
少し別の方角からフィールドに出て、すぐのところの木でサクッと試そう。
もう少し人目につかないところでやることも考えたが、どうせ見せるんだし、問題ないだろう。
それよりも早くリベンジに向かいたいのだ。
正直こんな試し切りなんてせずに、さっさと前線に向かいたいくらいだが、それは我慢。
鎌に振り回されて、またすぐに死亡、とかになったら嫌だし。
ここは落ち着くところだ。
すぐ近くにあった月張の木で試す。
まずは遠心力とか何も考えず、体の横に振りかぶって、一振り。
鎌は樹皮こそ切ったが、それだけだった。
本当に食い込んだだけ。
ふむ。
strに何の補正もない鎌だし、こんなもんか。
時間が惜しいし、さっさと次に行こう。
次は、刃の当て方を意識してみる。
刃の先の方から根本にかけて、滑らせるように木に当てるのだ。
何回かやってみて、さっきよりは力が入りやすくなったが、何だか動きが小さくなってしまってリーチが足りなくなってしまった。
いままで鎌の柄の真ん中付近を持って振っていたが、今度は鎌をもっと長く持って振ってみた。
すると程よく遠心力がかかり、動きも大きくなった。
無駄に腕に力が入ることもない。
よし。基本はこれでいいだろう。
次は回転で勢いをつけて振ってみる。
勢いをつけるための回転数を変え、何周が一番効果的かを試すのだ。
一周、二周、三周、四周、五周と試してみた。
五周でやめたのは、これ以上は目が回ると思ったからだ。
結果、一番やりやすかったのは一周だけした時でした。
リスク度外視なら、二周した時の方が威力は出たが、一周の方が制御が楽だった。
回数を増やしても、風圧や遠心力で刃先がブレたり、相手の位置が認識しづらくなるだけだった
二周くらいでやめとけばよかったと思ったが、まあ仕方がない。
ここまでかなり急いでやったが、気づけば10分以上経っていた。
うーん、早く行きたい。だがまだいけない。
ここからまだやりたいことがあるのだ。
戦賢転換を試すのだ。
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戦賢転換の使用はわかったし、さっさと行こう。
調子に乗って周りの木を切りすぎた。
あと一本、あと一本だけ!
と思って止まらなくなってしまい、気づいたら20本くらい切っていた。
半分以上が月張の木だっただけに、少し罪悪感を感じるが、まあ、終わったことなのだ。
グダグダ言ってもしょうがない。
ということにしよう。




