58.開戦
ついに始まりました。
読者様にワクワクしていただけるような戦闘描写が出来るように頑張ります。
自信は皆無ですが。
おいおい…
あれじゃあ人質なんてとれるわけねえだろう。
そもそも人がいねえよ敵軍に。
どういうことだ?
魔導アーマーを視認し、絶句したプレイヤー達だったが、すぐに立ち直った何人かが詠唱を開始したことで、みんな次々に戦闘に向けて動き出した。
『『『『『戦意高揚!』』』』』
軍師達全員による全ステータス微アップ(1.05倍)のバフ。発動者から30m以内と限定されているとはいえ、効果範囲は相当広い。俺の周りには、レナを含め、5人の軍師がいたようで、バフをが5人分かかった。
魔導アーマー達との距離はまだある。
次に軍師達がとった一手は、
『『『『『賢頭鈍身!』』』』』
魔法攻撃を強化(1.1倍)し、物理攻撃を弱化(0.9倍)させるバフが、5人分。
〈戦意高揚〉と合わさって、魔法使い達のintは2倍程に跳ね上がった。
その分、strは7割5分程に下がっているのだが、まだ敵軍との距離が開いているこの状況では、ただのint2倍バフと言って差し支えない。
ここまで強化された上で、最初の魔法の詠唱が完了した。
『エクスプロージョン!』
『テンペスト!』
『メイルストロム!』
『デブリスフロウ!』
『グラビティコラプス!』
火・風・水・土・闇属性の魔法が、満を持して放たれ、敵軍の最前列、盾を持った魔導アーマーに炸裂する。
正確に言えば、闇以外の4属性は進化して炎・嵐・海・地属性となっているのだが。
これが今の第一陣の最高の魔法。
正直言って、俺の武装魔法なんかとは比べ物にならない威力だ。
これは俺がstrにもステータスを振っている一方、普通の魔法使い達はintにSPを集中させている分、〈賢頭鈍身〉の効果も高いからではあるのだが。
あまりの衝撃で土埃が巻き上げられ、相手が見えなくなってしまった。
これを見て、一度どん底まで落ちた士気が一気に回復した。
今まで見たことのないような威力の魔法が大量に炸裂したのだ。
これならいけると思うのはごく自然なことであった。
魔導アーマーとの距離はまだある。
もう1発、と詠唱が再び開始される。
俺も先ほど展開した黒鉄の剣を一度消し、再召喚する。
召喚時の剣の性能がintに依存するため、先ほどよりふた回りほど大きい剣が現れた。
サイズ的にはクレイモアに近い。
ただし本数はクレイモアだと2本しか出せない。
今展開しているのはクレイモアに近くても黒鉄の剣なので、4本出すことが可能になっている。
本当は今すぐにでも攻撃したいのだが、残念ながら武装魔法は射程が短い。せいぜい中距離までしか飛ばせないのだ。
さらに今はstrが下がっている。
仮にここからでも剣が届いたとしても、今飛ばして耐久値を無駄に減らすより、相手と接近して、軍師達がバフを物理攻撃強化に切り替えた時が来るのを待つほうがいい。
魔法使いがあと2回詠唱したくらいで、俺の剣も届く距離になるだろう。
「お、おいちょっと待て!」
2回目の詠唱が完了しようとしていたとき、何人かのプレイヤーが叫んだ。
スキル〈鷹の目〉を持ち、遠距離からでも相手の詳細が見える、観測班の役割を持つプレイヤー達だ。
いち早く敵を識別し、データをみんなに送ったのもこのプレイヤー達による働きである。
しかし、ゲートキーパーそっくりの敵50体以上を目にしたときでさえ歪まなかったその顔には、絶望の表情が張り付いていた。
「全弾命中を確認!ただし、HPの減少は見られず!一切減っていません!」
一度復活した士気が、今度はより深くまで落ちたように思えた。
だが、そこに再び救いとも言うべき報らせがもたらされたのだ。
「魔力察知の反応が弱まりました!内包魔力が減少したと推測されます!」
その意味を即座に理解したプレイヤー達は、すぐさま目に輝きを取り戻し、詠唱を続けた。
「おい、どういうことだ?」
「魔法を無効化するのに魔力を使ったシールドみたいなものを展開してるんだと思う。でもその魔力が弱まったってことは、無限ではないってことだ。放ち続ければ、魔力がなくなって攻撃が通るようになるはずだ!」
それを聞いて、プレイヤー全員の目に再び生気が戻る。
アンデットの目にもともと生気があったかというと、首を横に振るしかないのだが。
とにかく元気になったプレイヤー達によって、2発目の魔法が炸裂する。
『エクスプロージョン!』
『テンペスト!』
『メイルストロム!』
『デブリスフロウ!』
『グラビティコラプス!』
今度は第二陣の魔法も射程圏内に入ったようで、
『フレイムランス!』
『ウォーターランス!』
『ウインドランス!』
『ストーンランス!』
割と初期の頃に習得できる魔法ではあるが、int2倍バフの効果は絶大だったようだ。
杭と言っても通用するくらいの巨大な槍の魔法が、第一陣の魔法に続いて殺到する。
「全弾命中!魔力によるシールドの存在を確認!」
「魔力の減少を確認!最前列の魔導アーマーの魔力残量は推定あと半分!魔力シールドの消滅まで、あと2発!」
観測班の報告が戦場を飛び交う。
武装魔法の射程までもう少し。
あと1発詠唱が終われば、俺も動ける。
そう思っていたところで、2列目の魔導アーマーに動きがあった。
持っていた剣が輝きだしたのだ。
見覚えのあるその予兆に、レイド経験組と観測班が叫んだ。
「「「衛士!斬撃波が来るぞ!防御用意!」」」
ステータスは戦闘中に変動はないため、戦争クエスト中は省略させていただきます。




