43.オーバーロードの真価
投稿遅れてすいません。説明会なのでつまらないかも。
「はあ、はあ、あの数はないでしょ…」
「あれは俺たちの油断だろ。狩ったらすぐに池から離れなきゃいけなかった。」
「そうだね。」
「魔力察知をもっていた私が気づくのが遅かったのが一番の原因ね。ごめんなさい。」
「大丈夫ですよ。でもさっきのでだいぶMPを使ってしまったので、少し休憩してからもう一度行きましょう。」
「そうだ！キキョウのシャドウバンデージすごかったな！何故逃げなきゃいけないあの状況で使うのかと思ってたんだよ。」
「まさかタカアキに担いでもらうとはね。目からウロコだったわ。」
そう、キキョウが使う呪詛は、本来詠唱中にしか効果がなく、詠唱中は動けない。
つまりシャドウバンデージは、自分が動けなくなる代わりに、相手も動けなくするという呪詛なのだ。
本来逃走に向いたスキルではない。
だが、自分の足を使って動くのではなく、他人に動かして貰えば、動いていても効果が発揮できたのだ。
「それを言うなら、トウキもオーバーロードをあそこで使ってくれたのは良かったです。あれがなければ、包囲網を突破する前に集られて終わりでしたから。」
まあ、そうだな。
1秒を争うような状況だったから、なりふり構ってられなかったというのはある。
「あのさ、俺今までオーバーロードって滅多に使ってこなかったじゃん？」
「そうだな。」
「使う回数を増やすんですか？」
「キキョウの負担が増すし、やめておいた方がいいわよ。」
「あー…いや。確かに増えるっちゃ増えるんだが、１回だけだ。試したいことがあってな。」
さっき、オーバーロードの効果時間が切れるまで、コピーーとリリースを繰り返しながら逃げていたんだが、ふと思ったのだ。
オーバーロード中に作っておいた魔法を、オーバーロード解除後にコピーした場合、威力はどうなるのか。
これは忌魔に進化した時にも考えたことだったが、レイドボス戦やホームの開発で検証を忘れていたのだ。
コピーというのが文字どおりのの魔法ならば、威力も変わらないはずなのだ。
つまり、一度だけオーバーロードを使って、その後は必ず１本リザーブしておくようにし、それをコピーすれば、擬似オーバーロード状態を維持できるという事にはならないか。
この考えを話すと、みんな検証しようと言ってくれた。
「じゃあ早速…『過負荷！』」
『リザーブ・ウインドソーサー！』
これで後は過負荷の効果が切れるのを待つだけなのだが、
何もしないわけにもいかないので、
『リザーブ・ウインドハンマー！』
『リザーブ・ウインドソード！』
本当は斬・打・突を揃えるために
ウインドソードじゃなくてランスが良かったんだが、時間が足りなそうだったので、詠唱時間が短いソードにした。
まあソードでも突きはできるし、代わりにはなるか。
と思ったのだが、ソードも間に合いませんでした。
途中で過負荷が切れ、出来上がった剣はいつも通りのサイズのものだった。
これは後で３つ唱えられる組み合わせを探してみよう。
んで、効果が切れたので、
『コピー！』
とりあえずソーサーの方をコピー。
『コピー！』
ついでにハンマーもコピー。
「よし。獲物を探そう。近くのでいいや。」
「私がなるべく数が少ない集団を連れてくるわ。少し待ってて。」
レナがそう言って森に入っていった。
魔力察知では、モンスターの種類まではわからないものの、数の判別はできるのだ。
トンボやカマキリは森の浅いところでは出現しないので、種類を気にする必要はない今、レナが適役である。
数分後、レナが戻ってきた。
「トカゲが２匹。準備して。」
森の入り口付近の木が揺れたかと思うと、大口蜥蜴が２体飛び出してきた。
『リリース！』
まずはコピーしたソーサーをぶつける。
削れたのは…４割弱かな。
普通の状態だと４発で倒せるのだから、だいたい２割５分位だったのだろう。
それから考えると、威力はいつもの1.5倍という事になるな。
『リリース！』
ハンマーの方もリリースしてみた。
与えたダメージはこちらも４割弱か。ソーサーよりも威力が高いのか。
大口蜥蜴のうち１体はもう虫の息。
検証は済んだので残りは他のみんながサクッと倒してくれました。
「これは……早く試しておくべきだったね。」
全くだ。
これがあればもっとゲートキーパー戦が楽だったのに。
この後キキョウに頼んで、何度かオーバーロードを使わせてもらった。
調べたのはリザーブ付きの魔法の組み合わせ。色々やったが、オーバーロードの時間内に３つの魔法を発動させることはできなかった。
なので斬・打・突が全て揃うように、剣とハンマーをオーバーロードで発動させ、状況に応じてコピーさせていくことにした。
今までは斬撃にソーサーを使ってきたが、斬・突が両方使える剣の方が使いやすいと思ったからだ。
威力はその分ソーサーに劣るが、擬似オーバーロード状態だと威力の問題は解決するのだ。
汎用性が高い方を優先するべきだろう。
プレイヤー名：〈トウキ〉
系統：〈不死系〉
種族：忌魔Lv.19
HP…380
MP…340
str…13(+7)[+24]=44
int…43(+3)=46
vit…13
agi…23[+8]=31
dex…20
soul…8
SP…0
【装備スキル】
［詠唱短縮・微］
【特性】
〈忌まわしき者〉
【種族スキル】
〈幻影Lv.10〉〈禁術Lv.4(↑1)〉
【通常スキル】
〈風魔法：剣戟Lv.25〉〈識別・改Lv.6〉〈魔力遮断Lv.8〉〈錬金術Lv.6〉〈剣術Lv.3〉〈自然体Lv.3〉〈残心Lv.1〉
武器1:なし→鉄の剣
武器2:なし
盾:なし
頭:なし→精霊の仮面
胴:なし
足:装備不可
装飾品:なし→精霊の鞘
