40.第二陣
レナもクエスト受付が終わったようだ。
「おう。何受けた?」
「鎌蜘蛛討伐と巨大芋虫討伐を片っ端から。糸をとるついでよ。服飾にはいくらあっても足りないくらいだしね。」
なるほど。
錬金では今は魔物からのドロップで絶対に確保しなきゃいけないものは無いし、素材収集系にしたが、
そんな話をしながらすいすいと人混みの中をすり抜けていく。
そこから抜けると、先に行った四人が目に入る。
まさか先に抜けていたとは。
これはかなり早く受け付け済ませたな。
「へっへ~。先に着いたぞ~。」
「どんだけ速く済ませたんだよ。どんだけ速くても俺と同着くらいかと思ってたのに。」
「「受付に25秒!」」
レナとコウの後ろに「ドヤァ」がはっきり見えたぞ。
そんなにか。
そんなに俺たちに待たれるのが嫌か。
まあこっちに悪いことではないんだし、いいんだけどさ。
「そんなことより、そろそろ12:00だぞ。」
タカアキが口を挟む。12:00は、第二陣にサーバが解放される時間だ。
コウがぼそっと、「タカアキが一着だったくせに」といったのは聞かなかったことにしよう。
その後、みんなの新装備とか、新スキルとか、宴会の場では話せなかったことを話しながら待っていると、周りのプレイヤーがカウントダウンを始めた。
「5!」
「4!」
「3!」
「2!」
「1!」
「0!」
……と同時に七階が淡く光った。第二陣のプレイヤー達が転送されてきたようだ。
七階に作られた透かし窓から、なにやら蠢いているのはわかった。
…あんだけ一度に来ると狭いかもなあそこ。まあ最初だけだ。我慢してほしいな。
「……ところでレナさんや。さっきからなんなん?」
めっちゃ肩(正確には翼)震わせてますけど。声も漏れてるよ。
何に笑っているのやら。
「…ごめんっ……レイスのプレイヤーがっ…いっぱい壁にぶつかってて……誰も見てないよね?ってかんじに…きょろきょろしてて…面白すぎて……」
なるほど。月張の木でできているのを知らないからすり抜けようとして激突するわけね。
ちなみに今俺たちは楼閣から200mくらい離れているんだが、レナは軍師のスキル、〈遠視〉で七階の様子がよく見えるのだとか。
俺にはそろそろ1階まで降りてきそうだなーとかしかわからないな。
と思っていると、前方が一気に騒がしくなり、「パーティー入りませんかー!」なんて声が聞こえてくる。
「さて。そろそろ行きましょうか。」
「そうですね。見るものは見ましたし。」
最近キキョウが積極的に話すようになった気がする。前に比べて、だが。
千日楼閣前の喧騒を後にし、ホームを出る。
みんなで門の所に行くのは久しぶりなので、誰が一番速いか競争した。
結果、なんと俺4位。
コウ、ナツキ、レナ、俺、タカアキ、キキョウの順だった。
こうしてみると順当なんだが、もうちょっと速いかと思ってた。agiに結構振ったのにな……
タカアキは前にみんなを乗せたときよりだいぶ遅くなっていた。
ステータスをvitメインで振って、agiには振らなかったらしい。人獅子の元のagiが高めなので最下位ではなかったが。
コウはぶっちぎりで1位。2位と3位の差もかなりあったが、コウとナツキの差はその比じゃなかった。
5分差がついたらしい。
キキョウはagiに少ししか振らなかったのと、元々インドア派であることもあって最下位だった。
さて、やってきました。森です。
みんな受けたクエストはバラバラなのだ。
この森にいるやつはみんなターゲットと言っていい。
サーチ&デストロイでいこう。
『リザーブ・ウインドソーサー』
『コピー』
『コピー』
『コピー』
『コピー』
獲物は剣でいく。
森では障害物が多すぎてハルバードは満足に振り回せないからな。
昨日覚えたスキルの確認もある。
接近戦多めで暴れさせてもらおうか!
他の面々も装備が一新されていた。
タカアキは全身鎧と大盾とメイス。
本人の体色に合わせて黒く塗られたそれらはかなり存在感のある仕上がりになっている。
因みに自分で打ったらしい。
コウは軽鎧に片手剣二刀流。
本当は短刀がいいそうだが、今の鍛冶のレベルでは無理だったらしい。
レナはフクロウだから武器は持てないが、魔法の補助具として月張製の首輪をつけていた。
精霊の首輪と言ったところか。
ナツキは脚甲のみ。
手には何もつけていない。
自前の固ーい包帯があるからな。
キキョウは詠唱短縮の白い仮面をつけている。
俺と同じやつだな。色は違うが。
手には両手棍を持っていた。えっ。
「キキョウ武器使うの!?」
「はい。トウキみたいに、近づかれた時の対策があったほうがいいと思って。ナツキに教えてもらいました。魔法補助もついてて良いですよこれ。」
「昔少林寺を少しやっててね。今はやめちゃったけど。型だけ幾つか知ってたんだよ。」
道理で格闘家があんなに様になるわけだよ。
格闘技経験者とは思ってたけど少林寺か。
拠点開発で忙しかったから全員進化した状態での戦闘は今回が初めてだ。
こうして全員の戦闘モードをみると壮観というか。
ちょっと感動。
ボスでもなんでもどんとこいって気持ちになる。
フラグとか言わない。
それでも油断せずに森の中を進む。
俺は魔力遮断を使いながら。
レベル上げはできるときにしておきたいのだ。
2分と進まないうちに、レナが何かを見つけた。
「左側から3匹。多分普通のmobね。トウキくんは識別でレベルを見て。」
「了解。」
この面子を前にたった3匹で出てくるとは。
まだ見えぬ相手にちょっぴり同情しつつ武器を構え、左側を注視する。
見えてきたのは俺のクエストにもあった魔物だった。
〈ビッグマウスリザードLv.13〉
〈ビッグマウスリザードLv.14〉
〈ビッグマウスリザードLv.14〉
プレイヤー名:〈トウキ〉
系統:〈不死系〉
種族:忌魔Lv.18
HP…360
MP…320
str…13(+7)[+24]=44
int…42(+3)=45
vit…13
agi…22[+8]=30
dex…20
soul…8
SP…0
【装備スキル】
[詠唱短縮・微]
【特性】
〈忌まわしき者〉
【種族スキル】
〈幻影Lv.10〉〈禁術Lv.2〉
【通常スキル】
〈風魔法:剣戟Lv.22〉〈識別・改Lv.4〉〈魔力遮断Lv.6〉〈錬金術Lv.6〉〈剣術Lv.2〉〈自然体Lv.3〉〈残心Lv.1〉
武器1:なし→鉄の剣
武器2:なし
盾:なし
頭:なし→精霊の仮面
胴:なし
足:装備不可
装飾品:なし→精霊の鞘




