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25.ムーンドロップ

本日の投稿はこれだけです。

なるべく1日2本にしたいので、1本の日と2本の日があるものだと思っておいてください。

平日で長時間ログインできない日が続いたが、今日は土曜日。

久々にレナたちのパーティーで狩りをすることになっている。

あれから6日たってみんな進化したかと思いきや。

掲示板で進化の条件が魂5個というのが知れ渡ってからはネームドの奪い合いが始まり、狩場がそれはそれは荒れているらしい。

レナたちは嫌になって後回しにしているのだとか。


今日の予定は門の向こう。

俺達にとっては未踏の地である。

というのも、あれからいくつかのパーティーが進んで行ったらしいのだが、情報の提供が無いのだ。

既に開放されて、場所も知られているエリアだと言うのだから教えてくれてもいいじゃないか。

と思うのは流石に図々しいか。


自分の価値観を人に押し付けるのは良くないことだ。

ゲームの中とはいえ、ソレは守る必要があるだろう。気をつけなければ。



パーティーの集合は10時からなので、少しホームの周りを見てみることにした。

平日に肥料を撒いた場所だ。

蕾が開いているといいのだが。




撒いたのはホームの北側。

ここは比較的だが、人が少ない。

門が開放された影響で南側に人が集中しているのだ。

なるべく人目につかないところでやっていきたかったのだ。

何かいい物ができた時に、他の人に先に取られたくはないからね。


北側の歩いて5分くらいの場所。

少し色の違う木々がそれだ。

肥料のおかげか、木肌の色が良くなってきているのだ。


そちらへ向かって歩いていくと、木の枝にポツポツと、白い花がついているのが見えた。


おお!


嬉しくなって早歩きになってしまう。足はないけれど。

椿に似た大きめの花だ。このゲームで花を見たのはこれが初だが、よもやここまで嬉しいものだとは。

普段そんな趣味はないのだが。




〈月張の花〉

カンザサとそっくりな白い花。珍しくはないが、魔力を良く吸った月張の花は、魔素を凝縮した液体を出す。これは夜に光を放つことからムーンドロップと呼ばれ、霊たちの大好物であるため、夜に霊たちが集まってくる。



カンザサってなんだろう。いつか見比べたいものだが、それよりもなかなかすごい花なのではなかろうか。魔土で育っているわけだし、ムーンドロップの条件は揃っている気がする。


ん?じゃあ花弁についてる水滴はもしや…




〈ムーンドロップ〉

魔力が凝縮され、液体になったもの。霊たちの大好物であるため、精霊だけでなく悪霊も呼び寄せる他、水筒に入れておくといつの間にか無くなっているなんてこともあるらしい。

錬金術師はかつてこれを用いて魔物を錬成していたとされるが、今では禁忌であり、使い方を知るものはごく僅かである。

生物錬成の材料。



何じゃそりゃ。

生物錬成……あ、錬金術メニューにあった。

進化条件を満たしたモンスターに特定のアイテムを合成し、進化先の種族や系統が変更できる技術。


ほおー。

みんなに使うか聞いてみよう。

もうちょっとムーンドロップを採取しておき、待ち合わせ場所である南の出口に向かう。







また俺が最後か。

みんな準備万端のようだ。


「じゃあ行きましょうか。」


先に行っておいた方がいいかな。ひょっとしたら魂集めするかもしれないし。


「あーすまん、話があってだな。」


ムーンドロップのことを話す。

みんなの顔色が変わった。

これは本当に魂狩りになる可能性が…


「……午前は第1層にしない?」


コウがついに言った。

反対者など出るはずもなく。


その後、一度パーティーを解散し6人がそれぞれソロで魂を探し歩いたといえば、俺たちがどれだけ本気だったかわかっていただけるだろうか。だがその後俺達が、ネームド独占集団か?と掲示板で話題になり、それを知った当事者たちは申し訳なくなったのだった。


結局3時間ほど捜索を続け、ようやく全員分の魂が揃った。説明会前なら分かれて探さなくても1時間ほどで終ったというのに。


「はあ、ようやく集まったわね。」


「剣士が出すぎなんだよ。物欲センサーめ、仕事しすぎだ。」


「衛士もそこそこ出たな。司祭は出なさ過ぎて悪意を感じた程だった…」


「もう2度とやりたくないよ。あんなこと…」


「精神が持ちません…私のためにみんなイライラしてても探してくれてるのが申し訳なさすぎて…」


「そんなに気にしなくていいよぉ。戦力強化はやれるときにやっとかないとねぇ。」


司祭がでなさ過ぎて申し訳なさそうにしているキキョウを、ナツキがなぐさめている。


「終わったら飯だな。さっさとやろう。最初は誰からにする?」


「俺から行こう。」


あんまり感情が表に出ないタカアキですら少し口角が上がっている。よっぽど嬉しいらしいな。


コウがインベントリから【衛士】を、俺はムーンドロップを取り出す。タカアキへの移譲を了承する。


その時、俺の目の前にウインドウがあらわれた。


『プレイヤー:タカアキに生物錬成を行いますか?』


もちろんYes。

ムーンドロップを選択する。


『あと一つ選択可能ですが、ムーンドロップのみでよろしいですか?』


お?他に生物錬成用の素材なんて持ってないぞ。



違った。生物錬成用素材が1つあれば、もう1つはそうじゃないアイテムで大丈夫のようだ。もちろん選択できないアイテムはあったが。


骨を全部取り出して、タカアキに選んでもらう。

合成肥料も出したが、まあ選ばないだろう。


タカアキが選んだのは合成獣の頭蓋骨。

一つしかないので一応みんなの方を見るが、どうやら使って良さそうだ。


これで決まった。つかうのはムーンドロップと合成獣の頭蓋骨。決定。


タカアキの進化は、生物錬成を使っていることもあって、俺とは様子が違った。

魂を取り込んだタカアキにムーンドロップが一滴かかったかと思うと、タカアキの魂だろうか、光の玉がゾンビの体から抜け出てきた。ゾンビの体は風化し、消え去った。魂は合成獣の頭蓋骨に入った。すると、頭部から頚椎が伸び、肩甲骨、肋骨と次々に形作られていった。完成した全身骨格に、なんと筋肉、皮膚が作られていく。

最終的なタカアキの姿は二足歩行の黒いライオン。

正直言おう。自分で作っといてなんだが、めっちゃカッコいい。


人獅子・錬成種ヴェアレーヴェ・シュヴァルツ

生物錬成により生み出された人獅子。

身体能力は通常の人獅子と同等である。

ムーンドロップを使用したことで夜の活動に秀でた体色になったが、ムーンドロップの香りを嗅ぎつけた精霊たちに集られるため、夜間は発光してしまい全く意味を成していない。




「俺の進化も大概だったが、これは完全に別物に進化したな。」


「ああ、系統が亜人族になっている。」


「かっこよくなったねえ。ワイルドさの中に凛々しさがあるというか。」


「まさか不死系じゃなくなるなんてね。本当に『生物』錬成だわ。」


「私達もこんな風になるんでしょうか…」


「こんな筋肉質にはならないように他の素材を集めてみない?僕はもう少し目立たない姿がいいかな。」


確かに…今骨しか持ってないし、もうちょい別の素材を見つけた方が良さそうだ。


因みに司祭が1つ出るまでに、剣士が3、衛士が3、軍師が2、拳士が2、忍者が1出てます。

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