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21.レイド戦・対ゲートキーパー3

レイド戦決着です。最後があっさりしすぎてる気はする

正直ショックだった。

もう少しでボスの片方が倒れる、そうすればこちらの勝ちだと思っていた。


たった今、確かにボスは倒れた。

だが、こちらの勝ちだとはとても言えない。


さらに、レナとナツキがやられたこと。

どこかで大丈夫、俺のパーティーはみんな頼もしいし死ぬことはないと思っていた。


ガイもやられている。

拳士は全滅だ。

〈拳闘〉スキルの『虎哮拳』は振動を相手の内部に伝達するため、拳士は硬い甲冑を気にせず攻撃できるという面で、前衛火力の首軸だった。


剣士も俺以外は壊滅。

近接職で残っているのはタカアキを含めた3人だけ。

まあ、ツヴァイの攻撃が先ほどと変わらなければ、3人でも耐えられただろう。

なにせ司祭7人はまるまる生き残っているのだから。


しかし、相方を倒されたツヴァイの変化は、予想などできるものではなかった。


身に纏う光は赤から青に。

右手に握られた片手剣は一回り大きくなり、左手には別の片手剣が握られていた。右手のものよりは小さいが、

2本の剣はどちらも青白い光に包まれていた。

初見の時、俺を殺したあの斬撃と同じ光だ。


まさかとは思うが…すべての攻撃があれになるんじゃあるまいな。


こう言ってはなんだが、あれがあるならもはや回復魔法などなんの意味もない。

衛士でも一撃でHPがゼロになった攻撃なのだ。

あるいはタカアキならば耐えられるかもしれないが、試すのは愚かというものだ。


ならば、必要なのはいかに奴の手数を減らし、攻撃を弾くか。

そのための作戦を、必死に頭を回転させて考える。


「すまん!提案がある!

おそらくこれからは奴の攻撃を一度でもくらえば誰でも即死だ、司祭は回復より攻撃に回ってくれ!

あとはマミーで呪詛を使える奴!シャドウハンズとかで奴の足、できれば手も拘束してほしい!

砲撃班!一斉砲撃は止めだ!タイミングをずらして唱えて、奴の手を弾いて攻撃を止めてくれ!衛士3人は申し訳ないけど変わらずタゲをとっておいて欲しい!ただし絶対に避けて!」


どうやら異論は無さそうだ。

みんな迅速に対応してくれた。


砲撃は1発だけでは剣を弾けなかったので、急遽俺のリザーブしてあったソーサーを腕にぶつけて対処した。


それ以降、砲撃班は2人1組に分かれて剣を弾いていった。

司祭も含め、人数は12人。6組作れる人数だ。

大体2秒に1度は魔法を撃てる計算である。

俺はクノアと組になっている。

クノアは俺と同じ、風属性魔法を使う様だ。

緑色の体色の通りの属性だな。


呪詛を使えるマミーは、キキョウを含めて3人いた。

忍者の中に2人いたらしい。

3人がかりのシャドウハンズが、左手に絡みついていた。

いや、どうやらさらに上位の、シャドウバンデージとういらしい。影の包帯か。

コウを含む忍者組が、手数を武器に上手く翻弄して、ツヴァイの足を止めてくれている。

そのお陰で砲撃班はツヴァイの右手を狙いやすくなっている。


ツヴァイが苛立って忍者たちを狙おうとしても、衛士による挑発ですぐにターゲットが衛士たちに戻る。






15分後、ツヴァイは光となって消えていく。


「やった……」


「はぁ〜終わった。」


……いや、まさか作戦があんなにどハマりするとは思ってなかった。

結局ツヴァイはろくに斬撃をくりだせぬまま、HPが3割を切ったのだが、その後、甲冑が黒く染まった。凶暴化したのだと思う。

思う、というのは、その後俺が『過負荷』を発動し、奴の攻撃を全て捌いたからだ。

俺は両手に攻撃を集中させたのだ。

30秒あった効果時間内に、砲撃班が一斉砲撃を2発かまして、HPを削り切ったのだった。


「凄かったねえ、オーバーロード。」


「俺はそれよりも、11人による砲撃の威力にドン引いたわ。」


「あははは……そうですねえ。まさか一気に1割強削れるとは。でもトウキさんのオーバーロードがなければ一斉砲撃はできなかったんですから。間違いなくMVPですよ。」


そんなことはないとやんわり否定しつつ、ボスの消えた場所をみる。



やはり。


そこには赤と青が渦を巻く様な模様をとる魂が2つ。


「これ…どうしよう。」


ドロップ品とはいえ、これは分配できないだろう。

ホームに持ち帰って……


「あっ。」


「どうしたの?」


「いや、あれ誰が持っとく?」


「みんなに聞いてみたら?」


いや、聞いてみても、みんな持ちたいっていうだろうな。


「いえ、聞くまでもないと思いますよ。」


「だよなぁ。みんな持ちたいに決まって…」

「そうじゃないですって。」


「トウキさんが2つとも持っててください。」


「いいのか?」


「それが一番反感が少ないですよ。」


そうかね、なら遠慮なく。




次は、もう1つ重要なやるべき事。


「門を開けに行きますかね。」


「みんないくよー!」




門は、ゲートキーパーたちがいなくなっても変わらず威圧感を放っていた。

魔素でできた閂は手の届かないところにあるのでコウたち忍者に抜いてもらおうと思ったのだが、どうやら触れることができないらしい。

あの魂を扉に近づけてみたが、これも駄目。

魂そのものが鍵の代わりにになるわけでは無さそうだ。

ひょっとしたら、あの魂を吸収しないと開かないとかか?


「その可能性が高そうですね。」


「一旦戻ろう。魂を取り込む人を誰にするか決めなきゃいけない。」



こうして俺たち21人は、疲れた身体に鞭を打ち、1時間半ほどかけて、ホームに戻ってきたのだった。




次は5時です。

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