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20.レイド戦・対ゲートキーパー2

ごめんなさい!予告時間より1時間も遅れました!


今回初の主人公以外の人の視点で書いてます。

違いがほぼ無いと感じるかもしれませんがおおめに見ていただければと。

レナ視点


「次でボスのHPが5割を切ります!砲撃後は固まらないようにしつつ、ボスから距離を取ってください!」


ボス戦が始まってから15分が経った。

ここまでは大した被害もなく、順調にやってこれていた。

むしろ順調すぎる。

この辺りで何か変化があるのは確実だろう。


「いくぞ!前衛組は離脱を!」

トウキくんが指示を出している。

彼が砲撃のタイミングをみんなに伝えてくれているおかげで、私も余裕を持って指揮に専念できる。

今の私の役目は、前衛達のHPを見つつ、司祭達に指示を出すことと、ツヴァイの監視だ。

ツヴァイは今の所はタカアキくん達が抑えてくれている。

彼のソリッドボディの効果は本当に凄い。

真っ正面からツヴァイの剣を受け止められるのだ。

それも盾無しで。


ドドドドドドドオォォォォ!


アインに砲撃が撃ち込まれた。

みんなはちゃんとアインの剣のリーチの外に出ている。


アインが地面に剣を突き立て、膝をついた。

そしてそのまま動かない。


ーえ?なにも……ない?

むしろチャンスだったの?



その一瞬の動揺の所為で、あろうことか、一番やってはいけないタイミングで目を離してしまったのだ。


もう一体のゲートキーパー、ツヴァイから。


「ぐぁっ!」

「がああああ!」

「クソッ!すまないレナ、突破された!」


タカアキの声ではっとしてツヴァイを目で追ったが、遅かった。


ツヴァイはアインに最後に攻撃を加えた者達に向かって走り出していた。

その身体は、真紅のオーラに包まれている。まるで相棒が傷ついたことに激怒しているかの様に。

向かう先は、トウキくん達、砲撃部隊。


ーまずい!あそこがやられると攻略は不可能になる!


「砲撃班!散開して!」


指示がもう遅いのはわかっていた。

それでも叫ばずにはいられなかった。

今からでも間に合ってほしいという願いが、自然と口を突いて出てきてしまったのだ。



振り上げられた奴の剣が見覚えのある青白い光に包まれる。

バトル開始直後、11人を葬ったあの光。

その光り輝く剣の一撃は、砲撃班などたやすく全滅させるだろう。



だが、




『リリース』





その剣が振り下ろされることはなかった。

トウキが飛ばした2枚の円盤がツヴァイの剣を持つ右手を弾いたのだ。


彼は常に1つのウインドソーサーをリザーブしておき、それをコピーすることで詠唱時間を短縮していた。

しかし今回、剣を弾くために、リザーブしていた分と、新たにコピーした分の両方をリリースしたのである。

次の詠唱はふたたび『リザーブ・ウインドソーサー』から始めなければならないが、砲撃班の全滅をさけられたことに比べれば、ほんの些細なデメリットであった。





危なかった!アインが体勢を立て直す前に、ツヴァイを砲撃班から離さなきゃ!


「拳士組はツヴァイを後ろから攻撃!膝の裏を狙って!

剣士組はアインの牽制、忍者組はアインに『亀墜』で負荷をかけて!立ち上がらせない様に!」


「「「「「「「おう!!」」」」」」」


『『虎哮拳!』』


ナツキとガイがいち早く反応してツヴァイに飛びかかって

両膝の裏に大技を決めでくれた。

ツヴァイの体勢が崩れてのけぞってる!

何か止めがあれば!完全に転ばせられるのに!


「はいはーい!出張してきました!コウくんです!倒れろ!『亀墜!』」


アインの相手をしている忍者組から、コウがいつの間にかこちらに来てくれていた。

まさか亀墜で胸に落下してダメ押しとはね。

おかげでツヴァイは仰向けに倒れていた。


「ナイス!そのまま磔にして!」


タカアキたちが両手足を抱え込んで拘束してるけど、さすがに体重差がありすぎる。いつまでもつか。


あとはこの状態をどれくらい持たせられるかで戦況がだいぶ変わってきそうね。


「レナ!そろそろ砲撃の詠唱が終わる!忍者組は全員そっちに回した!到着したら拳士から何人か送ってくれ!」


トウキくんからの報告では、どうやら砲撃班は体勢を立て直すことができたのかな?

しかも忍者たちの援軍はこの状況では最高ね!


『『『『『翔鶴!』』』』』

『『『『『亀墜!』』』』』


何度見ても強力なコンボよねこれ。


5人の忍者持ちが小ぶりの隕石のように上からツヴァイに落ちてくるせいで、立ち上がる前に押し戻されてしまうのだから、もう暫くは起き上がれなさそう。




ドドドドドオォォォォォ!


アインへの砲撃も再開されてる。

すでにアインは剣士たちの妨害を振り切り、完全に立ち上がっている。

未だアインに変化は見られない。

HPは2割を切っているというのに。


嫌な予感がする。

最初のボスとはいえ、レイドボスにしては簡単すぎるのは、絶対に気のせいじゃない。何かある。

ツヴァイだって、激昂して行動パターンが若干変わったけれど、よりアインを守ろうとする行動が増えただけだし。



「次の1セットでアインのHPが1割を切ります!前衛は下がって下さい!みんなアインとツヴァイ、両方に注意しておく様に!」


ドドドドドオォォォォォ!


砲撃は当たったが、アインの様子が変わった様な気がする。


あれ?でも膝を突いて苦しそうにしている。

剣を地面に突き立てて(・・・・・・・・・・)、体を支えながら……




この時、その前に感じた嫌な予感に従ってもう少し慎重になっていたら。

みんなに向けて、近づくな、と指示ができたかもしれない、と思う。

しかし、絶好のチャンスが目の前にあるのだ。

仮にそう指示ができても、それに従わずに攻撃に向かうプレイヤーは出ただろう。



そう。仕方なかったとしか言いようがないのだ。

誰が考慮するだろうか。


レイドボスが自爆する、という可能性を。




地面に突き立てられた剣から展開された巨大な魔法陣。

私を含め、その内側にいたプレイヤーは、陣から外に出られなくなった。


ウウオォォォォォ………!


アインが呻き声をあげ、鎧が赤黒く変色していく。


目を開けていられないほどの光と、耳を塞ぎたくなる様な爆音を最後に、私は意識を失った。






死者…衛士3人、軍師2人、拳士6人、剣士5人。


その内、トウキのパーティーメンバー…レナ、ナツキ


残るユニオンメンバー…衛士3人、軍師4人、忍者6人、剣士1人、司祭7人




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