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19.レイド戦・対ゲートキーパー1

本日も2本投稿予定です。

いつもより早めに登校しました。


進化したトウキ、レイドボスに挑みます。

最初に目の前に現れた哀れなレイスにズドン。

当然一撃でお亡くなりになりました。


さらに普通の状態での威力も確認しておきたかったので、

近くをうろついていると、


〈ゾンビLv.3〉平常


こちらに気づいていないらしいゾンビがいたので、〈無音詠唱〉が消えたことの再確認も兼ねて、後ろで詠唱してみた。


たちまちゾンビが振り返り、敵対状態になる。

やっぱり〈無音詠唱〉は消えたんだな。


『リザーブ・ウインドソード』


リザーブしたのはじっくり見比べるためだ。

ん?幅はいつも通りだけど、やっぱりレイスのときより少し長いか?

バスタードソードってやつ?


『リリース』


うん。やっぱり威力が上がってる。

素の状態でも、真っ二つとは行かないまでも、肩から腹くらいまでバッサリ切れている。当然即死。

これはいかんな。

他の魔法も使いたくなってしまうではないか。

まあそろそろ軍師達の作戦会議も終わっている頃だろうし、ここは我慢して戻りますかね。





「はい、ひと騒動ありましたけど、これからボス、ゲートキーパーの討伐に向かいます。作戦としましては、まあ簡単に言えば、トウキくんはガンガンぶっ放すけど、タンク組は頑張ってタゲ持って行かれないようにしてねってことです。」

やっぱりメイン火力は俺ですか。

その後に具体的な作戦を聞いていた。


俺がやるべきなのは、魔力消費を無視して魔法を打ちまくる。

生魔変換で魔力を回復する。再び魔法を撃つ。の繰り返しだ。

ボスがHP減少に伴って凶暴化するかもしれないから、その時に備えてオーバーロードは温存。

不安はある。

魔力が表示されないので、一体どれくらいまで使って良いのかわからないのだ。

魔力が尽きたら死んでしまうのでは今試すこともできない。

まああまり無理をしないで早めに生魔変換を使うことにしよう。


「説明は以上です。それでは出発しますが、ボスのいる場所まで一直線に行きます。道中なにが現れても物量で押し切る形で。魔力は温存して下さい。」



こうして初のレイド戦に向けたパーティーは出発した。

ホームの南から出て南南西へ一直線に進む。

途中で出てきたモンスターは多くてもせいぜい一度に4体程。

その全てが遭遇から10秒かからずに光の粒子に変わっていく様子は爽快だった。






ほとんどなんの障害もなく進めたため、俺たちのパーティーだけでは1時間半はかかるであろう門の前まで、たった1時間で到着してしまった。


再び漆黒の門と2組の純白の甲冑が目に入る。

一度叩き潰された相手を前に、緊張で自然と心音が速くなる。

だが恐怖は感じない。

これも進化の影響だろうか。


「接近するまでは散らばって行きます。最初に斬撃が来たら絶対に避けて。それでは、突撃!」




〈【アイン】ゲートキーパーLv.10〉迎撃


〈【ツヴァイ】ゲートキーパーLv.10〉迎撃




円形広場の中心に差し掛かった時、片方が剣を振りかぶった。ツヴァイの方だ。


「来ます!当たったら即死です!射線から離れて!」


みんながそれに従う。

だが、逃げ遅れたのか、3人がその後高速で飛んできた斬撃にかすってしまう。

運の悪いことに、衛士と司祭持ちが混ざっていた。

死にはしなかったのが不幸中の幸いだった。

すぐに回復魔法がかけられてほっとしていた。

しかし、アインまでもが振りかぶっているところが目に入った。


『プロヴォケイション!』


みんなから離れた場所にいたタカアキが叫ぶ。

これも想定していたのかもしれない。

ここで死んでも構わない、という意思が、その声から伝わってきた気がした。

しかし、アインはタカアキの声を無視して、一番人が固まっていた方向に向かって斬撃を放った。

アインもツヴァイも、プロヴォケイションの範囲に入っていなかったのだ。

その攻撃で、何人その集団の半分ほどが消し飛んだ。


「何人やられた!」

「11人です!1つのパーティーが全滅!もう1つのパーティーも、生き残ったのは司祭持ちだけです!死亡したプレイヤーの中に衛士2人と司祭1人がいます!」


クソッ!触れてもいないのにもう4分の1がやられたのか!


「残った子はトウキのHP回復に専任します!その分キキョウは自分の判断で動いて他の司祭をサポート!

そろそろタンクがボスのところにつきます!攻撃魔法組は詠唱開始!」

ちなみに攻撃魔法組とは当然レイス達なのだが、司祭は除く。司祭以外のレイスはだいたい軍師。例外で忍者がいる。


『『『『『『プロヴォケイション!』』』』』』


『ソリッドボディ!』

6人のタンクが挑発をかけ、唯一の魂4つ持ちであるタカアキは、それに加えて自分の体を硬くする武技を使う。


今度は挑発が効いたらしく、ゲートキーパーたちが動き出した。


「そのまま広場中央まで誘導して!」

軍師たちの指示が飛ぶ。衛士たちはそのままジリジリと後退を始めた。ボスが剣を振るうが、ただ振り下ろしているだけだ。巨体であるが故、今の所スピードはそれほど無い。横に跳べば簡単に避けられるようだ。

しかしその剣は火の魔力を帯びているらしく、振り下ろした場所に爆発が起きている。


その間に詠唱をしていた俺たち魔法組。

そろそろ唱え終わる頃だ。


「魔法いくぞ!タンクはプロヴォケイションの準備!」


『リザーブ・ウインドソーサー!』


『『フレイムシェル!』』


『『ロックシェル!』』


『ストームシェル!』


レイスたちによる質量重視の魔法、各属性の『砲弾』5連撃が、アインの上半身に直撃した。

身長5メートル以上の巨人であっても、この攻撃に怯んで動きが止まる。最後が風属性魔法だったため、爆煙も吹き飛んでいる。

ここで拳士や剣士達が右足だけを攻撃する。

アインが怯んだのはほんの数秒だったが、これでいけるという手応えを感じた。


『『『『『『プロヴォケイション!』』』』』』


そして再びターゲットをタンクが取る。


そして、俺が唱えた魔法、ウインドソーサー。

円盤を作り出す魔法だ。あの鎧にはウインドソードもウインドランスも弾かれてしまうと思い、最近覚えた新魔法を使ってみたのだ。


『コピー』『リリース!』


コピーで2つ目を作り出したら、もう片方は投げつける。

限界までコピーして一度に放つと、ターゲットが俺に移って、攻撃してくるようになってしまうからだ。

そうすると俺の周りにいる魔法組に迷惑がかかる。

1つだけ残しておくのは、コピー用である。

普通に魔法を唱えるよりも、コピーの方が時間が短くて済む。単純に手数が増えるのだ。


『コピー』『リリース!』


どのくらい速いかっていうと、だいたい『リザーブ・ウインドソーサー』のコピーを3回唱えるのと、『砲弾』系の魔法を2回唱えるのが同じくらいである。


そろそろ『砲弾』が装填、もとい詠唱完了だろう。


「もう一回行くぞー!近接組は準備!」


ドドドドドオォォォォ!


さっきも見たけどすげえ威力だな。

あれで倒れないボスも大概だけどさ。

お?今度はよろけたか!


「チャンスだ!遠慮なく行け!」


剣士、拳士が群がっていく。

レナが戦況を見ていてくれるため、ツヴァイは無視してアインに集中攻撃することができた。

その結果、アインのHPは8割を切った。

砲撃によって隙を作り、近接組が足を痛めつける、これで1セット。

だいたい1セットにつき1割強削れていることになる。


これをもうこれだけ削れたと見るべきか。

まだこれだけと見るべきか。

どちらにせよ、これの繰り返しだけで終わるとは誰も思っていない。

まず気をつけなければならないのは3セット後。

あいつのHPが半分以下になった時だ。



次の投稿は5時くらいにしようかな。

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