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18.アボミナ

進化後の種族のセンスについては触れないで…

頑張って名前とか考えたんですよ…

由来も意外にわかる人多いかも。

「さて、トウキくん。他に変わったところとかある?」


「これでなにもスキル獲得できてないなんて言わせないからねぇ。」


うわぁ、嫌な笑い方。

ナツキさんや。マミーなんだから笑うと怖いのだよ。

スケルトンたちもカタカタ歯を鳴らさない!

すげえ不気味!


「もうステータス見せてください!速く!」

クノアよ。こんな時でも遠慮がないね君は。


もうこの場にはボス討伐に協力してくれるメンバーが50人近くいる。完璧な包囲網が完成してしまっているのだ。

仕方がない。俺はステータスウインドウを他の人に見せられるように設定して、みんなに見せた。


プレイヤー名:〈トウキ〉

系統:〈不死系〉

種族:レイス→忌魔アボミナ

【特性】

〈忌まわしき者〉

【種族スキル】

〈幻影Lv.9〉〈禁術Lv.1〉

【通常スキル】

〈風魔法:剣戟Lv.15〉〈識別・改Lv.1〉〈魔力遮断Lv.1〉〈〉


忌魔アボミナ

禁忌の魔法の実験により霊体となった元人間。

身体があった頃はみな強力な魔導師だったが、その記憶は失っている。

自分が誰なのか知るために人に話しかけるが、魔物であるために怖がられてしまって答えてもらえた事がない。

生命を維持する魔法を常に自分にかけていなければならないため、常に魔力を最大量の2割ほど使っているが、

その魔法の威力は絶大で、その気になれば一体で町数個を滅ぼすこともできると言われている。


〈忌まわしき者〉PS

・物理攻撃無効

・魔法系スキルの威力増加

・魔力の最大量2割減

・魔力が尽きるとHPが0になる。


〈禁術〉SS

身体に危険が及ぶため禁忌とされてきた術法を覚える。


使用可能スキル

過負荷オーバーロード

使用中はHPが回復できなくなり、減り続ける代わりに、魔法の威力増加、詠唱時間短縮の効果。

一定量までHPが減ると強制解除される。

それ以外の方法での解除はできない。

一回の戦闘で一度しか使えない。


『生魔変換』

HPを消費し、HPの最大値に対する消費HPの割合の半分の割合だけ魔力を回復する。逆も可能。『過負荷』発動中は回復量増加。



〈霊体〉は効果として残っているので、実質〈無音詠唱〉、それに〈魔力噴射〉が消えた。

今まで頑張ってレベル上げてきたのに…

まあ、そんな複雑な思いを少しは抱くけれど、それらを失っても結果的にお釣りが来たと思える強化だ。




「うはぁ……進化してるよ。アナウンスとか分岐の選択とか、何もなかったね。進化先は勝手に決まるのか。」


「進化の条件って魂5個だったんだ…通常スキルも1つ枠ができてるね。何覚えるの?」


「考え中。」


「もはや進化元とは別物だね。」


「リスクがある分、火力はかなり上がってそうだね。」


「魔力はどう?」


「進化で増えて、スキルで減ってでほとんど変わってない。本当に少しだけ進化前より減ったけど。」



「『過負荷』の効果でのHP減少ってのが気になるな。」


「やってみたらどうですか?」


「ちょっと外に出て使ってみようか。」


「いや俺がデスペナ中だって忘れてないか?」


「そうだった……」


「みんな一旦ログアウトして飯にするのはどうだ?あと2時間半くらい待たないと動けないんだ。」


「そうしよう。じゃあみんな解散!2時間半後にここに集合!」





ログアウトして、昼飯を作る。

さて、時間はあり余っているので多少面倒な料理でもいいだろう。

ということでオムライスにした。

え?そんなに面倒じゃない?うるさいよ。

残りの時間はテレビを見たり、皿を洗ったり、久し振りに掃除機を回したりして潰した。いつもはクイックルなんちゃらを使うのでそこまで本気で掃除をしてこなかったのだ。そんなこんなで2時間半。



いやー長かった……

現在午後4時。今日ボスを倒すところまで行けるだろうか。

その前に俺の変化したところの確認だ。ログインしよう。



俺が来てから10分くらいで全員が揃った。

あれだけゆっくりしたのに最後じゃなかったのは意外だったな。

早速南の出口からホームを出る。


〈ゾンビLv.3〉敵対


レベル3と手頃なゾンビがいたので、こいつを実験台に使うとしよう。



『過負荷!』



俺の体が赤黒く、ローブは漆黒に染まった。

HPバーは見てわかるほどにガリガリと削れていく。



「とりあえず威力と詠唱時間のチェックだな。」


新しく覚えた魔法もあるのだが、今回はあまり強すぎる魔法を使っても効果がわかりにくいので、お披露目はまた今度にして、使い慣れた魔法を唱える。


『リザーブ・ウインドソード』


「「「「「「でっか!」」」」」」


無音詠唱が無くなっているからか、レイスのときと声が違う気がした。空気がちゃんと震えてる感じというか。

詠唱時間だが、だいたいいつもの8割くらいだろうか。

そしてとにかくデカい。いつもは片手剣サイズの大きさなのだが、今回の大きさはあきらかに大剣のそれである。

俺の身長より少しだけ短いくらいじゃないかこれ……

なんとなくやりたくなったのでもう1つのお馴染みの魔法も唱える。


『コピー』


…比較的詠唱時間が短い魔法をさらに短縮するとかなり速く感じるな。

この詠唱時間で大剣が出せるとは。

俺の周りに大剣が2本浮いている。

やべえ。結構カッコいい。厨二くさいけど。


まあそんなことは置いておくとして。

詠唱短縮は割合のようだ。どの魔法でもおそらく2割短縮。

そうこうしているうちにHPが2割切った!

やばい。早く撃たねば。


『リリース』


大剣が飛んでいき、ゾンビを頭からまっすぐに斬り下ろし、左右に割った。

ゾンビは光の粒子となって消える。

それとほぼ同時に『過負荷』が解除され、俺の姿は元の白黒に戻る。


「すごいわねこれ。」


「ああ、詠唱短縮もそうだが、威力の補正が半端じゃない。」


「いえ、〈忌まわしき者〉の効果でも威力が上がってますから、スキルの倍率自体はそれほど高くないと思います。それでも十分強いですけど。」


「あ、そうか。特性でも火力上がってるのか。しまった先に過負荷なしで撃っとけば良かったな。」


「あ、それで効果時間なんだけど、HPが1割になったら強制解除で、効果時間はHPが満タンの状態からだと30秒間だったよー。」


「うわキッツイなそれは。」


「HPは1秒で3%減るってことか。」


「意外に丁度いいんじゃないか?時間的には。」


「なあ、もう一本の大剣どうしよう。」


「あれ、そういえばその大剣の威力はどうなのかしら?」


「たぶん『過負荷』の効果時間中に唱えたから、威力もその時のままだと思う。」


「ということは、逆に言えば、先にリザーブしておいてから『過負荷』を使って撃っても威力は通常時のままってこと?」


「そうだろうな。まあそんなに簡単には使えないってことだな。」


「しっかしよ、『一回の戦闘で一度』って制限も、あってないようなもんだろ?2回も使いたいときなんて、それこそレイドボスくらいじゃねえか。条件緩すぎると思うぞ?」


「今から挑むのはそのレイドボスだがな…ってあれ?ガイいたのか?」


「おう。お前んとこのパーティーメンバーから呼ばれてな。ボス討伐には参加させてもらうぜ。」


「あ、そうだボス討伐どうするんだよ。」


そうじゃん。その話しに来たんじゃん。

なぜこんなカオスに…って俺のせいですねごめんなさい。

にしたってみんな好き放題喋りすぎだろ!


「レナ!そろそろ頼む!」


「あ、そうね。すいませーん!軍師持ちの方一旦集合してください!」


そうか、軍師達の作戦会議か。

それじゃあその間にこのコピーした大剣をぶっ放してくるとしよう。


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