13.魂集め
本日3本目。だらだらと説明が続きますが、ご勘弁を。
その後、敵の襲撃が一度あったものの、前衛組が無事撃退し、俺とキキョウは魔力を回復できた。
「ありがとう。もう大丈夫だ。魂はどうだった?何が落ちた?」
俺が尋ねると、レナは眉をしかめて言った。
「それがね、今までと違う魂が落ちたの。」
レナは魂を取り出して見せた。
その魂は、今までの青白い炎と違って、赤黒かった。
〈苦悶に満ちた魂〉
生前の出来事から、最期まで苦しみ続けていたモノの魂。
その苦しみから解放しなければ、誰にも心を開かない。
「…うーん。なんか特殊な魂だな…苦しみから解放か…」
「回復魔法かけてみますか?」
「ああ、それあるかもね。やってみてもらっていい?」
「はい。………『ヒール』」
魂を光が包むが、それでも何も変わらないようだった。
「うーん…」
「変わらないねぇ…」
「しょうがない、一先ず狩りを優先しましょう。その魂のことはホームでゆっくり考えたらいいわ。」
俺たちはその後も狩りを続け、
何度かスカルキマイラも狩った。
なんと、スカルキマイラは全てネームドのようだ。
今度は作戦を変更して挑んだのだが、これがどハマりしたのだ。
それは、タンクをナツキに任せ、タカアキがその硬質化した腕をハンマー代わりに使って蛇の頭を叩く。
骨は打撃属性に弱い。蛇の頭が潰れるのは前回より速かった。
ナツキも〈歩法〉のおかげで、最早マミーとは思えないフットワークで攻撃を凌いでいた。
その結果、戦闘時間も縮まり、体に影響がでるほど魔力を消費することも無く倒すことができた。
スカルキマイラたちの落とす魂は全て、〈苦悶に満ちた魂〉だった。
「普通の魂まだ一個しか無いな。最初に狩ったスケルトンのやつ。」
「そうね、スカルキマイラは気になるけど、今日は1度戻ってそっちを集めましょう。」
「なんなんだろうねぇ。スカルキマイラ。魂の説明の内容も気になるし。」
「生前に何があったか、ということとかな。」
「まず苦しみの原因となった出来事を知ることが必要なんだろう。」
「そうですね…この魂を取り込めるようになるのは時間がかかりそうです。」
「まあ、そう焦ることもないんじゃない?攻略組になろうって訳じゃないんだし。僕はのんびりでいいと思うよ。」
「そうね。じゃあいいかしら?時間がないし、急いで1個でも多く魂を集めましょう。」
「おう。」
その後、夕飯までになんとか魂を各種2個ずつ、合計12個集めることができた。
「俺一旦落ちていいか?夕飯食ってきたいんだけど。」
「ええ。みんなはどう?」
どうやらみんなも同じことを考えていたようで、
1時間後に集合、という事になった。
時間に余裕があるので、今日は唐揚げにした。
皿を洗い、油の始末などが終わったときちょうどいい時間になったので、ログインする。
俺が1番最後だったようだ。
「遅かったねぇ」
「すまん、後始末で時間をくった。」
「気にしないで。じゃあ、魂の分配ね。ホーム付近の敵から落ちてる魂は私たちの知ってる6種類だけ。それぞれ自分の取り込めない魂を2つ選んでくれる?」
俺に【司祭】を2つ配られた。当然、俺には取り込むことができない。
魂についての説明会は教会前でやることにしたらしい。
教会前にはすでに人だかりならぬ魔物だかりができていた。
不死系の集まっていて完全にホラーの世界である。
俺たちが到着すると、みんな一斉に静かになった。
レナが話し始める。
「お集まりいただきありがとうございます。今回、チュートリアル報酬の魂について新たにわかったことを説明させていただきます。この情報は共有した方がメリットが大きいと考えましたので、賛同いただける方は、これから話す情報を拡散していただければと思います。」
「まず、この魂ですが、チュートリアルの他に、フィールドのネームドモンスターを倒すことでも手に入ります。
この魂に気に入られると、インベントリから出した際に、プレイヤーが取り込むことができます。
取り込んだ際、アバターの変化、新たなスキルなどが獲得できます。中にはステータスには表示されないものもあります。」
スキル獲得の新たな手段に、プレイヤーから歓声が上がる。
「ただし、自分で狩った魔物の魂に気に入られることはまずありません。ですから、他の人と魂を交換し、それを取り込むことになります。」
「また、魂にはいくつか種類があり、剣士、軍師、司祭など、の職業がアイテム名に書かれています。
基本的に、自分の戦闘スタイルにあった魂が取り込める、とお考えください。」
「申し訳ないんだが、あんたたちが今知ってるのだけでいい。魂の種類を教えてもらうことはできねえか。行きすぎた要求だというのは重々承知しているが、名前がわかれば目標も明確になる。教えてくれると助かる。」
聴衆の中にいたマミーから質問がでた。
口調は少し荒いが、丁寧な態度だと思う。
いい人そうだ。
「そうですね。ホーム近郊で入手可能なもので私たちが知っているものは6種類です。
【衛士】【軍師】【拳士】【忍者】【剣士】【司祭】
ですね。
また、フィールドの奥ではまた違う魂が手に入ります。
詳細はまだお伝えできませんが、mobの強さが桁違いな上、そのエリアのネームドから落ちる魂が特殊で、取り込む方法がまだわかっていません。奥で連戦したいのであれば、レベルにもよりますが、少なくともパーティーメンバー全員が魂を1つ取り込んだ上で行くことをお勧めします。私たちは2つでなんとか、というところでした。」
と、レナが返すと、
「あそこで連戦できるのか…すげえな。丁寧にどうも。すまんな無理言って。」
きちんとしたお礼。
うん。やっぱこの人いい人だ。
「いえ、こちらも言っておくべきでした。この後、今言った6つの中でどれと相性がいいのかを調べて、お互いに入らない魂の交換会をしようと思っています。よろしければご参加ください。それではここで説明会を終了させていただきます。ありがとうございました。」
プレイヤー名:〈トウキ〉
系統:〈不死系〉
種族:レイス
【特性】
〈霊体〉〈無音詠唱〉
【種族スキル】
〈魔素噴射Lv.11(↑1)〉〈幻影Lv.8(↑1)〉
【通常スキル】
〈風魔法:剣戟Lv.13(↑1)〉〈識別Lv.12(↑1)〉〈隠密Lv.13〉




