11.ネームド狩り
お早うございます。
なんと投稿から3日で2000PV達成です!
私の中ではものすごく高い数字です!
本当に有り難うございます。
これから盛り上げていけるように頑張ります!
その後も邪魔なmobを一瞬で蹴散らしながら進むこと20分。
ついに、ネームドを見つけた。
〈【ノース】スケルトンLv.5〉
今度はスケルトン。こいつも一体だけだが、ノイの時のことを考えると、一体だけじゃない可能性がある。
「まだ他に潜んでる可能性があるかも。魔力感知で何か引っかからない?」
「いや、何もいないと思う。」
「一応警戒しておこう。杞憂ならそれでいいし。」
ウインドソードを2本旋回させつつ言う。
「じゃあ、いくよっ!『背撃』!」
コウが〈隠密ex〉を使いつつ、木々を壁移動で渡ってスケルトンの背後を取り、一気に切りかかった。
背撃は、相手に気づかれていないときに攻撃を当てるとダメージが増えるスキル。〈忍式戦闘術〉の初期スキルらしい。
「よしっ!」
木の上からジャンプしたことで落下の勢いと体重の乗った、銅の剣による一撃が頭蓋に直撃し、背撃の効果も合わさったことでHPバーが4割も削れた。
『プロヴォケイション!』
タカアキが〈挑発ex〉の武技を使い、敵の注意を逸らす。
スケルトンがタカアキに斬りかかる。
しかし、タカアキの〈鉄壁〉スキルは、皮膚の常時硬質化の効果があるため大したダメージは受けておらず、一歩も引かない。
「いくぞ!」
俺はタカアキに警告し、タカアキがさがると、風の剣は使わず、唱えていた別の魔法を放った。
『ウインドランス』
魔法は相手の胸に当たり、貫通はしなかったもののHPを残り2割強まで削り、さらに衝撃でよろけさせる。
「おいしいところもらってごめんねっ!〈兜割り〉!」
すかさずナツキが大外刈りで転ばせ、頭蓋を踏み砕いた。
兜割りって……本当に文字通りだな。
剣とか斧とか使わないのね。
何はともあれ無事に戦闘終了。
どうやらノイの時みたいに他に敵が潜んでいたわけでは無いようで、何事もなく戦闘は終わった。
落ちたのは、【剣士】の魂だった。
今回は狩ったのが自分たちなので取り込むことができなかったのでこれは交換用ということになった。
「楽勝だったね。私とキキョウが何もできなかったよ。」
と苦笑するレナ。
「手応えなさすぎだね。僕の出番も最初だけだったし、全員に攻撃させる機会を作るために遠慮しなきゃいけないくらいだったよ。」
「俺のHPも、1割くらいしか減っていない。防御バフ無しでこれだ。これでは簡単すぎだな。」
「次は私もタンクやってみていいかなぁ?歩法で移動速度が上がって快適なのはいいけど、回避アップってのがいまいち実感できてなくて。」
「そうなると2体以上のネームドを探すのがいいかな。それか、ここらのネームドがすでに狩られてる可能性もあるし、もっと奥行ってみるのもいいかしらね。」
みんなで話し合った結果、フィールドの奥に進んでみることにした。
しばらく進むと、明確な変化があった。
枯れた森に濃く漂っていた瘴気が薄まり、
ちらほらと地面に草が見え始めたのだ。
木は本数が増え、少しだが、葉が付いているものもあった。
「ちょっと待ってみんな。」
レナが俺たちを止めた。
「このままだと瘴気が晴れて普通の森に着くと思う。でも木が増えると戦い方がガラッと変わるし、少しこの辺りのモンスターを狩って様子をみたいの。この辺りでもすでにホーム付近とは違うモンスターが出てくると思うし。ここで戦ってみて、それでも楽勝だって思えるなら、森に入りましょう。」
それに異を唱える人はいなかった。
「それでさっそくで悪いけど、何かが近くにいるわ。トウキくん、君から見て右に反応がある。識別お願い。」
「了解。」
〈スカルタイガーLv.3〉
「トラの骸骨だな。レベルは3だが、油断はするな。獣型のモンスターとは戦ったことないんだから。
まず俺が先制するから、タカアキはその後よろしく。『リリース』!」
作り出しておいた二本の剣を飛ばして斬りつける。削れたHPは2割だけ。
「了解。やるぞ、『プロヴォケイション!』」
俺に向けて走ってきていたスカルタイガーの注意がタカアキに向き、一直線に走ってくる。
「結構速いわね。キキョウ、シャドウハンズをお願い。タカアキも、その間回復魔法は来ないから慎重にね。」
「わかった。」
「了解です。」
シャドウハンズは相手の影を変質させて手の形にし、捕らえる呪詛だ。
キキョウは詠唱を始めた。
俺は詠唱を終え、
『リザーブ・ウインドランス』
今回は槍だ。側面を突いて、できたら転ばせたい。
続けてコピーの詠唱に入るのと、
スカルタイガーがタカアキに襲いかかるのがほぼ同時だった。
タカアキは腕を交差させて防ごうとするが、
助走を十分につけたスカルタイガーの一撃を受け止めきれず、肩に喰らいつかれてしまう。
「ぐぉっ!!」
それだけで、なんとタカアキのHPが2割弱減った。
「ホームの近くと比べて難易度が違いすぎだろっ!」
「『コピー』!巻き込まれんなよ!『リリース』!」
2本の槍をスカルタイガーに向かって放つ。
相手も反応するが、遅かった。
1本目は相手の背中を抉り、
2本目は腹のど真ん中に直撃した。
喰らい付いていたのを止めた直後で、きちんと足が地面についていなかったため踏ん張れなかったスカルタイガーはたまらず倒れるが、なんと近距離からのウインドランス2本でも、スカルタイガーのHPは2割しか減っていなかった。
倒れたスカルタイガーにタカアキが組み付き、ナツキが三角締めで頭を封じ、キキョウがシャドウハンズで手足を縛る。
完全に動けなくなったスカルタイガーにコウ、レナが切りつける。
いくらHPが高くて頑丈でも、動けなければじきに死ぬ。
哀れなスカルタイガーに逃げ出す術は残されていなかった。
「一応俺たちには丁度いい難易度ってとこか?」
「パパッとネームド見つけて狩って帰ろう!」
「ならさ、俺が探してくるよ。〈隠密〉があるし、見つかっても魔法じゃなきゃ大丈夫だから。」
「そうね。お願いしてもいいかな?でも無茶したり、トレインしたりはしないこと。いい?」
「わかってるよ。」
「僕も行くよ。って言いたいところだけど、〈識別〉持ってないからネームドモンスターがどれかわからないんだよね。今回は任せた。」
一度みんなと別れ、〈隠密〉、〈魔素噴射〉で獲物を探す。
〈スカルタイガーLv.4〉
〈スカルヴァイパーLv.3〉
〈スカルレーヴェLv.4〉
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スカルタイガーとスカルレーヴェは、正直見た目からは全く違いがわからない。
その後5分くらい探し続けていると、見たことのないシルエットが見えたので接近する。
〈【ヌー】スカルキマイラLv.7〉
そいつを見た瞬間総毛立つような悪寒が俺を襲った。
スカルレーヴェもしくはスカルタイガーの体に、スカルヴァイパーを尻尾につけて、一回り大きくしたような体躯。
2組の眼窩は、ぼんやりと赤黒い光を放ち、目に映したもの全てを殺してやるとばかりに憎悪に満ちた目つきで周りを見渡し、獲物を探している。
こいつはやばい。
今までの相手とは格が違いすぎる。
俺1人で敵うわけないと、レナに連絡を入れる。
『ネームドがいた。やばい。急げ。』
『わかった。持ちこたえて。コウには私が連絡しておく。』
レナも、文面から緊急性を察してくれたようだ。
おそらく距離から考えると、レナたちが来るまであと10分ほど。
それまで耐えなければ。
プレイヤー名:〈トウキ〉
系統:〈不死系〉
種族:レイス
【特性】
〈霊体〉〈無音詠唱〉
【種族スキル】
〈魔素噴射Lv.6〉〈幻影Lv.5(↑1)〉
【通常スキル】
〈風魔法:剣戟Lv.10(↑3)〉〈識別Lv.10(↑3)〉〈隠密Lv.10(↑2)〉
11話にしてやっと強敵といえる相手が出てきました。
次は戦闘なのですが、戦闘シーンが結構苦手だということがわかったので、あまり期待せずにお待ちください。
次の更新は12時です。
着々とストックが減ってしまっているので、そろそろ1日3話じゃなくなりそうです。




