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1.プロローグ

はじめまして。

拙い作品ではございますが、少しでも多くの方に読んでいただければと思います。

アドバイス、改善点、作品内での誤字脱字、矛盾等は教えてくださると嬉しいです。

徐々に文章力は改善できればと。

それではどうぞ。

世のゲーマー達が待ち望んでいたVRMMORPGが初めて発売されたのが、だいたい10年くらい前だった。

人間、獣人、エルフが魔物を討伐していく、正統派のRPGだった。


プレイに必要なヘッドギアは、グラフィックの良さ、携帯性、直感的な操作が可能なことから、当時すでに各企業で採用されており、デスクワークにおいて欠かせない存在となっていた。

完全にパソコンに取って代わった形である。


だからゲームを始めるのに必要なのはソフトを買う金だけであり、資金面で購入を見送った、などという話はほとんど聞かない。


だが、その手の出しやすさゆえに、発売当日は、店舗に並んだ人たちが歩道を塞いだり、熱中症で倒れる人がでる等、混乱を極めたらしい。

それ以降、各ゲーム会社はVRMMOの販売をインターネット上のみに限定した。



そんなこともあったが、その作品は見事に大ヒットし、他会社も競いあってよりクオリティの高いものを開発していった。






現在、2060年。

正統派のRPGばかりが開発されていくなか、その枠から外れたあるタイトルが、人々の関心を集めた。

"Life of Monsters Online"

プレイヤーは人間ではなく、魔物を操作するRPGである。


開発チームのリーダーである浅木和晃氏はいう。


「こういってはなんですが、自由度の高さを売りにしたVRMMOはもうすでに腐るほど出ていますから、あえて王道から外れた作品を作ってみたかったんです。

この作品は、魔物視点ですからまた違った気持ちでプレイできます。

また、人間も出てきますが、彼らとどのような関係を築くかは、プレイヤー次第です。

人間と敵対するもよし、共存するもよし。

あなただけの魔物生活をお楽しみ下さい。」




このゲーム、プレイヤーが操作できる魔物の種類は多岐にわたる。


魔物は

ゴブリン、オークといった亜人系、

ウルフ、ラビットといった魔獣系、

ゴーレム、ミミックといった物質系、

スケルトン、ゾンビといった不死系、

ドラゴン、恐竜といった竜系、

スライムやエレメンタルが不定系

に分類される。



プレイヤーたちは好きに系統を選べないようになっている。

質問に答え、その回答をもとに系統が決定されるのだ。

心理テストのようなものである。

キャラの再作成はできるが、その際系統の変更は不可能で、最初のデータと同じ系統しか選べない。

プレイヤーがドラゴンばかりになってしまっては面白みがないし、生態系が崩れてしまうかららしい。

単体で弱い種族でも、戦い方によってはドラゴンも倒せるようになっているのだという。



この強烈かつ個性的なvrmmoの発表は、掲示板の住民を騒がせ、

人型ではなくモンスターの操作を可能にした事実は技術者達を驚愕させた。





そして、ついに運営開始の日を迎える。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





今日は待ちに待ったLife of Monsters Onlineのサービス開始日だ。

俺の職場でも何度か話題にのぼっていたゲームで、やると言っている同僚がけっこういたのだが、今日は平日であり、普通は仕事がある。

今頃同期の奴らは涙をのんで仕事をしているのだろう。



一方俺は有給を取ったので、今日は心置きなく楽しむことができる。

いや俺はゲームのためだけに有給使うのは流石にどうかと思ったんだが、


「唐木〜、ダウンロード終わった?」


「いや、あと10%」


そう、今俺とチャットしてるこいつ。会社の同期の鴇田勝が

「俺は休む!稼動直後ってのは大事だからな!だからお前も休んで一緒にやらないか!2人なら上司も怖くないぞ!」

みたいなこと言いだしたから俺も使いました有給。

酒の席での提案だったため、俺も気が大きくなってしまっていたのだ。許してほしい。



ちなみにうちの会社は普通なら有給取った所為で上司に怒られるなどということはまずない。

しかし今回の休暇がゲームをやるためだということはすでに社内で知れ渡っているので、流石に注意を受けるかと思って若干不安だったのだ。

案外あっさり申請は通ったが。


「俺もう終わったから先に入ってるわ。」


「わかった。チュートリアル終わったら連絡する。」



メールやチャットはアドレスを知っている相手ならフレンド登録してなくてもできるらしい。(そう、このゲーム、mmoなのでフレンド機能があるのだ。魔物にフレンドとかありなの?とか思うだろうが、まあ便利だしよしとしよう。)


「おう。んじゃお先。」


勝はそう言ってチャットを切った。

ダウンロード画面を見る。

あと4%か。


待つ以外にすることもないのでただ画面を眺める。


ダウンロード画面では、魔物が一体ずつ映し出されては消えていく。これらがプレイヤーがなれる魔物なのだろう。

ゴブリン、スライム、ウルフ、火の玉とかもあるのか。



…3%



火の玉もそうだがスライムとか、4足歩行の魔獣とか操作してたら、リアルで違和感でないのだろうかと思ったが、どうもそういった人型以外の魔物は動かし方が違うらしい。



…2%



個人的に、亜人系以外でやってみたい。せっかく魔物になれるのなら、できるだけ人から遠い姿がいいと思うのだ。。気持ち悪いのはカンベンだけど。



…1%



やっぱり竜系はいいよな。ドラゴンになれるっていいよね。ロマンである。



…ダウンロード完了。



ようやくだ。LMOを起動する。



Life of Monsters Online…Start



俺は一体どの系統になるのだろうか。

期待と不安が入り混じった気持ちで、俺の意識は沈んでいった。


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