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魔道書の書き方 入門  作者: 見上香月
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門前 ―末期厨二病患者の独白

初投稿です。至らないところもあるとは思いますが、どうぞお付き合いください。

諸君は、「正義の味方」といわれた際に、どのようなものを思い浮かべるだろうか。


色とりどりの仲間を引き連れたマスクのヒーローだろうか。少し人間くさいくらいの仮面のライダーだろうか。あるいは、青い制服に身を包んだ地域の守護者だろうか。




では翻って、「悪の帝王」についてはどうだろうか。


あるいは、「悪の首領」という呼び方もあるかもしれないが。


どちらにしろ、悪の組織の頂点に立つ人物のことである。


もちろん、そんなことは読んで字の如くであるから、いまさらそんなことを説明したいわけではないが、先ほどの正義の味方に対して、悪の帝王―あるいは首領―は、明確なイメージが存在しないのではないか。


改造人間を作ってみたり、人々をさらって人身売買をしてみたり、あるいは武器を売るために戦争を起こそうと画策してみたりしたりしなかったり。


昨今いろいろな物語で語られる「魔王」、これにいたってはすき放題である。なんせ、魔族をすべる魔界の王なのだから、人間には想像もつかないほどの悪であろう。




かつて。人々に、まだ何もかもが足りていなかったころ。


あるいは、人々がまだ何も知らなかったころ。


すべてが不足して、生きていくのに必死だったころ。


そんな時代に、ヒーローは生まれた。


そのころ人々にかけていた、平和。自由。そういったものを補い、ソレを守る。


そんな、守護者としての側面が強いのがヒーローである。


欠けていたものを補う。すばらしい働きだ。


かつての人々はヒーローに熱狂した。


すべてが足りなかった彼らに、ヒーローはすべてを与えた。




翻って― 時は現代。


あらゆる技術が進歩した。あるいは、あらゆるヒーローが活躍した。


今の人々には、足りないものなどほとんどなくなってしまった。


皮肉なことに、彼らの目覚しい働きは、彼ら自身の仕事をどんどんと食いつぶしていった。


正義の味方は、どうもややオーバーワーク気味だったようだ。


ヒーローに、かつてのような華々しい活躍はなくなった。




とある魔王はこうぼやいたという―「あのころのヒーローたちはよかった。今じゃどっちが悪党だかわかりゃぁしない。」


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