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ぐりさが ニューゲーム編

突発的に変なネタを思いついてしまいました。

まだまだ他に消化すべきネタもあるし、終わっていない番外編もありますが。

とりあえず、思いついた部分を忘れないうちに投稿することにしました。


※ これは完全なるパロディであります。

  本編とは見事なまでに関係がありません。

  何となく本編をにおわせる表現があっても、本編の展開とは無関係です。

  また、世界観は「こにゃんこ物語」「聖メリー学園」と連動しております。

  というわけで、あしからず。




       【 ~レオングリス・サーガ~

                  呪われた王子と黄金(きん)の聖剣 】




 その日は、空が抜けるように青い四連休一日目のこと。

 勇大は手にゲームソフトを、リュックの中にお菓子とペットボトルのジュースを入れて。

 まだ朝と呼べる時間の内に家を出て、近所の緑の屋根の家を目指していた。

 到着して、まずはチャイムを鳴らしましょう。


   キンコーン

 

 鐘を模した、電子音が響く。

 程なくしてドアを開けたのは、勇大よりいくつも年上の少年。

 勇大にとっては姉の同級生に当たる、高校一年生の穂村(ホムラ) (アカリ)くん。

 休日なのに犬耳フードを被りっぱなしの彼は、いきなり訪ねてきた小学生に首を傾げる。

「おー、勇大。どしたー、こんな朝から」

「おはよう、穂村にぃ」

「おお、おはよ」

 玄関から現れた穂村君は、小学生の姿にちょっと首を傾げています。

 幼い頃から顔見知りの同級生、の弟。

 そんな薄い関係ながらも、二人はそれなりに仲良しだ。

 こうして、片方が前触れ無く訪ねてきても問題にならないくらいに。

 でも、思い当たる用事がない。

 なんでこんな朝早くから訪ねてきたのか意味が掴めず、穂村君は不思議そうだ。

 フードに付いた、犬耳が首の動きに合わせてぴこっと跳ねた。

 そして勇大君は、率直に用件を述べたのです。


「穂村にぃ、ゲーム機とテレビ貸して」


 小学生にしては大きな借り物だな、と。

 爆笑した穂村君に招き入れられるまま、勇大君は彼の部屋へと通されました。

 するとそこにはだらだらと寝そべりながら週刊誌を読む音木君の姿。

 音木(オトキ) 玄人(クロード)君は、穂村君とはツーカーの親友です。

 幼稚園からずっとつるんでいたというのですから、その仲は筋金入りと言えるでしょう。

 今日も四色に染め抜いた頭髪が、人類にはありえない色をしています。

 だぼだぼのボーダー柄カーディガンに包まれた腕をてろりと上げて、音木君もご挨拶。

「よーぅ おひさぁ?」

「クロにぃも来てたんだ。おはよ」

「穂村ぁ、なんで勇大が?」

「ん、ゲームさせてほしーんだと」

「うん。おじーちゃんが誕生日にゲームソフト贈ってきてくれたんだけど…」

「自分のゲーム機ないの?」

「ううん、持ってる。でも今、母さんと姉ちゃん達に独占されててさ」

「独占? え、あの美里たちが?」

「うん……ペット育成ゲームに、今、はまってて………

 

ゲームの中で子猫に『勇者様』って名前つけてて、夢中で育成してるんだ… 」


「「………」」


 勇大君の家から、可愛い飼い猫のこにゃんこ様が脱走してから、早数ヶ月。

 その嘆きよう、現実逃避の凄まじさは同級生たちも認識済みである。

「ここは俺が一つ大人になって、そっとしといてやろうかなって…」

「あー…うん、その対応でいいんじゃねーか? そっとしておいてやろーぜ」

「うん。だから、ゲームするのに本体を借りたくって」

「んなの、初等部の友達に頼めばいーじゃん。今時のお子様はみんな持ってんだろ? げぇむ」

「駄目、俺もそう思って最初は友達当たったんだけどさ…」

 そう言いながら、勇大君がそっと取り出したソレ。

 一つの、ゲームソフト。

「「……………」」

「対応機種が古すぎてさ…一昔は前の機種なんだもん。誰も本体持って無くって…」

「あー…うん、こりゃ厳しいわ」

「小学生で持ってたら、確実にお下がりかマニアじゃね?」

「このソフトをくれたって爺さんも、渋いな…」

「だから困っちゃって。でも穂村にぃなら本体持ってるかなーって」

「喜べ、読みは大当たりだ」

「ってことは?」

「うん、持ってるわ。そのゲーム機」

 そう言って穂村君はどんっとクローゼットからゲーム機を取り出した。

 最近のお子様は見たことも無いような、ちょっと古い機種。

 ソレこそが、勇大君の目的を叶えるゲーム機。

「やった。これでゲームできる」

「今日は特に用事もなかったし。夕方六時までなら遊んでっていーぜ」

 そう言いながら、手早く配線を繋いでいくのは何故か音木君。

「なんでお前が言うんだっつの」

 呆れながらも、穂村君だってゲームをする為の環境を整えていく。

 至れり尽くせりで、あっという間に快適空間が出来上がっていた。

「それで、何のゲームするんだって?」

「あ、多分RPG。じいちゃん曰く、ちょっと邪道入ってるらしーけど」

「ちょっと貸してみ。説明書にあらすじあんだろ」

 三人は三人とも説明書を読んでゲームをするタイプじゃなかった。

 だが、それでも古いゲームに好奇心をくすぐられたのだろうか。

 ゲーム機にソフトをセットするより先に、説明書に目を向けた。

 内容を記した項目を、穂村君が読み上げる。

「えーと、


 【 レオングリス・サーガ ~呪われた王子と黄金(きん)の聖剣~ 】

 

  王国には、史上類なき災厄が解き放たれようとしていた…


 彼の国には誰からも讃えられる金色の王子がいた。

 文武に長けた王子は大陸の彼方に住まう暴虐なる魔王を討伐するため、勇者に選出される。

 しかし彼が王国で祝福を与えられている最中、悲劇は獣の姿で襲い掛かる。

 何とか撃退することに成功するものの、無防備なところを襲われた王子は窮地に陥る。

 彼は獣の呪いにかけられ、人間ではなくなってしまったのだ。


 彼らの王国は人間の国。

 人間でないものに王位は継げない。

 唯一の世継である王子が王位を継げないとなると、王位を巡って戦乱が起きてしまう!


 王子が呪いにかけられたことさえ秘密とされる今、動ける人間は限られていた。

 王子の従弟である少年公爵レオングリスは、その秘密を知る一人だった。

 戦乱を避けるため、彼は立ち上がった。

 何としてでも、呪いを解くのだ!

 王国と周辺諸国の命運をかけた少年の旅路が、いま始まる!


                                   ……………だ、そーだ」

「なんで呪いにかけられてんのがお姫様じゃなくて王子様なんだよ。それヒロインポジだろ」

「そのあらすじ、主役は王子様っぽくない? 少年公爵、題名にまでなってるのに」

「しかし具体的なのか漠然としてるのか、謎なゲームだなー?」

 三人は思い思い、首を傾げながらゲームの電源をスイッチON!

 起動とともに、ゲームのオープニングへと繋がっていく。

 それは昔のゲームにしては、整った美しさのあるゲームだった。


「それじゃ、ひとまずニューゲーム、といきますか」


 こうして彼らは、ゲームを始めた。

 レオングリス・サーガ………通称ぐりさが。

 数々のツッコミどころが立ちはだかる、世に言うくそゲーすれすれのゲームを。



 

ゲーム内の配役

 レオングリス:基本的に戦わない主人公

 勇者様:呪われて人外になった勇者様【ヒント:「聖●伝説」でおなじみのアレ】

 リアンカ:僧侶

 まぁちゃん:酒場の主

 せっちゃん、リーヴィル、ヨシュアン、ラーラお姉ちゃん:四天王

 オーレリアス:調教師

 シズリス:騎士

 むぅちゃん:魔術師

 サルファ:冒険者

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