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第二話 灰
ラーヌは一匹の兎を見ていた。
ステッドである。
「早く逃げるんだ!」
「分かりました。」
「こいつ、逃がしたな。」
ステッドは両腕をキャノン砲にした。
「喰らえ!」
攻撃を避けていくラーヌは退散していった。
「逃げたかクソっ!」
ステッドは昔、人間の生き残りに兄を殺されたことを思い出していた。
「覚悟しろ!人間の生き残りめ。」
「ヘキサム様に何という言葉。無礼者め!」
「ラーヌ、こいつを殺せ!」
「了解。」
ステッドは隠れて兄であるショキーキが刃物で体が引き裂かれていく姿を見ていた。
それを思い出したステッドはショキーキの決意を捨てずにいた。
「変わり果てた地球を作り上げた人間に自然の使徒の鉄槌を下すことができますように。」
ステッドは自然の使徒の事を知っていた。
西暦3025年、地球大崩壊の時に自然の使徒の活躍がなければ地球は死の惑星になっていたと言われているからである。
ステッドは基地に戻った。
「おかえり、ステッド。」
クラントが出迎えてくれた。
次回 第三話 黒。お楽しみに!