豆の屁理屈を超えていけ
今回の鍵言葉「豆しばちゃん」「実は怖い人」「らんらんらん」
らん らんらららん らん
豆しばちゃんが出てくるときの音楽が聞こえた。
そしてご多分にもれず、豆しばちゃんが出てきた。うずら豆の豆しばちゃん。
そしてお決まりのこのせりふ。
「ねぇ知ってる?」しらねーしうるせーし。
って言って何かいわれる前に喰った。説教大嫌いだぜ。
しかしまた食べていたスープの中に豆が入っている。
次の豆しばちゃんはひよこ豆の豆しばちゃん。
「ねぇ 知ってる? 聞いてほしいの。」 ききたくねーし。
「嫌なことがあった時ほど笑けてくるのはなんでか知ってる?」
アホくせぇからだろ。っつーか。豆のくせにそんな心配してんじゃねぇ。
また喰ってやるぜ。スプーンですくってがっつりクチに入れてやった。
しかしこのひよこ豆しばちゃんは少ししつこい。
クチからお行儀悪くぽろりこぼれて、テーブルの上に転がる。
そしてさかさまになったまま言う。
「嫌なことを少しどうでもいい気持ちにして忘れるために笑うの。
嫌だと思い過ぎた時に、なんか笑っちゃう気になるのはそれなのよ。
でもね。1割は絶対に忘れないの。
特に本気で嫌だったことは発想の転嫁したって、何したって。
あたまの病気にならない限りは忘れられないんだよ。なんでか知ってる?」
マジでくってやるてめぇ。
ひよこ豆しばちゃんはテーブルの上を逃げ回り、私の足元に落ちた。
足元から私の顔を見上げている。
「それは好きな人に嫌な思いをさせないようにするために、
心の痛みを覚えておこうってこと。
…。っていうのは実は表向き。
本当は大嫌いな誰かに復讐するときにデータとして使うんだよ。
死ぬまでにはクリティカルヒット出せるようにね
嫌いな奴に連発しろよ んふふふふ」
私は思わず気味が悪くなりひよこ豆しばちゃんを踏みつけようとした。
すると、横から犬が来てぺろりと食べてしまった。
犬は豆を食べてはいかんのよ。と吐き出させようとした。。
犬はそれを拒んで一言。
「クソ豆の屁理屈を超えていけ。あんな奴柴でもなんでもねぇ。」
ひよこ豆しばちゃんは犬の腹の中で何か言っている様子。
犬は大きくあくびをし耳の後ろをかく。
裏があれば表がある。逆もまたしかり。
まぁ、クソ豆の言うことはあながち嘘とも思えない。
道徳的な、きれいな言葉でキレイな面だけ見せて生きていられるような
恵まれた環境にいるわけではない気がする、私のこれからの人生。
復讐をしたり、誰かを激しく虐げたりすることがあるのだろう。
自分がよければいいと何度も思う。
鈍感で気がつかない性格が、無意識に誰かを虐げていたこともあったのかもしれない。
それでも誰かの復讐のために、
嫌な思い出を使うような人間にならないようにするぜ