ティンカーベルよ ティンカーベルよ《改》
掲載日:2026/02/18
その夜
黒い
ティンカーベルをみた
降られても
傘ささないで
ハンドポケットで歩いている
いんわいで
にぎやかな
夜の街
人波の道のさきにみえる幻の後ろ姿
あざやかな昔日の幻の後ろ姿から目を離さず
歩く
黒い
ティンカーベル
LINEもせず
いわんや
iPhoneさえもたず
ただ
歩き続ける彼女は
いさぎよい
ゆうべは眠れなかった
真っ赤な真摯な目は
もはや会うこともない
人の姿を
どんなことをしても捜し出そうとする
ほとんど怒りにきらめいている
けっして泣かない
誓ったから泣かない
だから逆に雨がいいのかもしれない
死んだら会えない
意味がわからない
だから今夜は
真っ赤な目で
黒い鉄のように冷たい心を引きずって
一人であることを確かめる為には
涙よりは
雨の雫がお似合いなのだろうな
黒い
ティンカーベルよ
ティンカーベルよ
ティンカーベルよ
好きになっては
いけないか




