第四話
俺は黛・我那覇・別所と一緒に話してきた。放課後という名の空虚な時間にこんなに緊張と楽しみを覚えるのは久しぶりだ。
「新入部員は6人いるぞ!」
別所からの報告で俺の部活での不安は吹き飛んだ。
「それって本当なの?」
我那覇が目をパチクリさせて言う。
「ああ、朝たまたま影山先生が言ってくれたよ。」
彼女もきっと俺と同じ様に不安を感じていたんだろうか、彼の報告を聞いて長く息を吐く。
「もう部室に全員集まってるらしいよ。」
黛が氷の様に美しい笑みをたたえて言う。
「よろしくお願いしまーす。」
そう言って部室のドアを開けてみると、影山先生と見知らぬ6人の生徒が首を揃えて座っていた。その6人の見た目はどれも個性的で何故こんな地味な部活に入ろうと思ったのか気になる位だ。
「先輩、昨日はありがとうございました。」
先生の隣に座っている本当に感謝しているのか伝わって来ない機械的な声を出す女子に俺は見覚えを感じた。当たり前だ、この前俺達が売名行為に利用しようとした岸部に人質に取られた人だからだ。すぐに気づいた。
「この部活って野球部とかみたいに入部テストってあるんスか?」
「んぇ、そんなのは無いぞ。」
ドレッドヘアーというチャラい髪型をしているものの、メモ帳をポケットから取り出し書き出す真面目を垣間見せる男子に俺は驚きながらも答える。
「自分、こういう部活に入ってみたかったんですよ〜」
「君、女子?」
「男子ですよ。そういうのいつまで経っても言われるんでもう慣れました」
我那覇の失礼な質問を女子っぽい見た目のポニーテール男子はサラッと受け流した。発言から見るに幼少期の頃からなんだろうか、色々と諦めている様に見えた。
「昔から言ってるけど…お前間違われたくないんだったらポニーテール辞めればいいのに。」
「お気に入りなのお前が一番よく知ってるだろ!?そ・れ・に━━━━お前みたいに中途半端な高校デビューじゃねえから僕の方がマトモだろうが!」
ポニーテールの隣に座っているオールバックの男子は多分入学以前の知り合いだろう。彼に対し、呆れながら注意した。
「はぁーーーー、皆んな個性豊か過ぎて自分がちっぽけに見えちまうよ。」
「そんな事ないよ、自信持ちなよ。」
「初対面の人からの慰めなんて入りませんよ〜。」
先生から見て一番遠くに座っているサラサラ長髪のメカクレの男子はヘラって、黛から雑に慰められていた。
「新入のお前ら、とっとと自己紹介始めてくれよ。時間が無駄になるぞ。」
影山先生からの言葉を受け、新入生達は何やらそそくさと何かを準備し始めた。俺はこれから起こる事が楽しみになってきた。




