第一話
「部の復活には条件があるんだよ。」
浅黒い肌が特徴の強面が俺達に深刻な顔をして言った。この人は鬼塚 剛。見た目と違って頭脳派で色んな相談に乗ってくれる優しい先輩だ。
「何ですか?条件って。」
「1人以上の新入部員の獲得、それだけよ。」
スポーツ焼けした褐色肌のナイスバディなギャルが神妙な面持ちで先輩の代わりに答えた。彼女の名は我那覇 千春、俺達の同級生であり貴重な女子部員の1人だ。ムードメーカーでありガッツは新聞部一と言っても過言ではない。
「ったく、評判が悪いウチの部活に入る物好きでもいてくれたら良いがな。居なかったら新入生達の弱み握って脅して無理矢理入部させようぜ。」
中世的で王子みたいな見た目の人が外見からな印象とは全く違う口調でニヤける。彼女は七瀬 めぐみ。ウチの副部長であり、荒々しい男勝りなナルシストで誰よりも喧嘩っ早い。その為、学校内では「新聞部の狂犬」として恐れられている。
「いつもだったらアリとして肯定するが、そういうのは今回ナシにするつもりだ。効率が悪い上に、今以上に評判が悪くなるのは御免だ。だから今回は普通に勧誘を行う。」
そう言って彼女の意見を突っぱねた男は藤堂 文彦、新聞部の部長であり良くも悪くも個性豊かな俺達をまとめ上げてるカリスマ。学校一の天才ではあるのだが、性格に少し難があるのが玉に瑕。
「生徒会の人達が妥協してくれるなんて信じられませんね、何か小細工とか仕掛けていそうだ。」
「仕掛けられていてもお前らは文句を言えない立場だろ。ただ小細工だろうがなんだろうが跳ね除ける程の宣伝を行えば良い、それだけだ。」
「淡々と言いますね、影山先生。」
影山先生にその言葉に俺は苛ついた。彼女のフルネームは影山 麗奈。ウチの部活の顧問の日本史の教師で酒豪。猫背でダウナーな雰囲気を醸し出しており、教師に見える風貌をしていない。
「簡単に言いますが、私達には功績が無いんですよ!他の部活と違ってコンクール出場とか全国大会進出みたいなガラじゃないし、色々と不祥事起こしちゃってるんで今まで部が存続できていたのが奇跡みたいな所あるじゃないですか!?」
我那覇も俺と同じ事を思っていたらしく、声を荒げた。
「そう言って大人しくするのかい?条件を満たせば存続できるというのに、新聞部の風上にも置けないな。」
それにカチンと来た鬼塚先輩が冷たく言う。場の雰囲気が少し暗くなり、空気にはほんのりとした闇がこびりついてしまっていた。
「我那覇さんも鬼塚先輩も喧嘩は駄目ですよ。ポスターとか作りましょうよ。」
黛はこの場をより良くしようと、2人を仲裁する。
「良いな、それ!新聞の号外風にポスター作ろうぜ!どんな記事を書こうかな、楽しみになってきた〜」
別所が演技くさく言う。あからさますぎて逆に白々しい。
「それが一番安牌だな。オレもそういうのが良いな。」
部長は彼の意見に快く賛成した。どうやら彼もあまり良い策を思いつかなかったらしい、意外だ。俺達も特になかったので、彼の意見に賛成した。
「他はいない様だな、んじゃ解散!皆、最終下校時間間近だからとっとと帰る準備しろよ。」
「皆、来週から勧誘頑張るぞ!」
部長の喝により、俺達の士気は高まった…気がする。




