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「あなたと私なら都合のいい結婚ができるんじゃない?」~魔術契約士の契約再婚~  作者: 神田柊子


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10/10

新しい魔術契約士

 事務所で仕事をしていると久しぶりにブラッドから連絡があった。

 会話ができる通信魔道具だ。

『やあ、おめでとう』

「ん? 何かあったか?」

『あれ? まだ知らなかったのか?』

 参ったな、とブラッドは困った声だ。

『クラリスさんが君を驚かせるつもりだったなら、謝っておいてくれ』

 そう断ってから、ブラッドは続けた。

『魔術契約士の国家試験の合格者が発表されたんだが、クラリス・フォーグラフの名前があったよ』

「ええっ!」

 クラリスが受験したのもハリーは知らなかった。

 魔術の勉強をし直しているのは聞いていたが、それだけだ。

 魔術契約士の勉強はいつやっていたのだろう。現役の自分が質問を受けることは一度もなかった。

 独学で? ハリーの蔵書を読んだだけで合格したのか。

「さすがだな」

『今度また招待するよ。祝いはそのときに』

「ああ、ありがとう。伝えておく」

 通信を切ると、ハリーは夕刊を手に取る。

 ブラッドは勤め先の王立魔術院経由で知ったのかもしれないが、国家試験の合格者は新聞にも載っているはずだ。

「所長、お客様です」

 そこで秘書のドリスが声をかけた。

「事務所で働きたいとおっしゃっています」

 顔を上げると、受付カウンターの向こうにクラリスがいた。

 ドリスは笑って「奥様が」と付け加えた。

 こちらに向かって手を振るクラリスの薬指には、変わらず指輪が二つ。

 お互いの結婚契約の指輪は一年経った今でも色を保っていた。



終わり

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