過ぎ去りゆく
「過ぎ去りゆく」
今年の夏の最後の花火になるから
立ち去れずたたずんでいたあの夜
この歳になっても
あの日の幻影が糸をひく
目を閉じると
あの花火が蘇る
怒涛のラスト
湧き上がる歓声
夏休みの終わり
また笑いあえる
そう思っていた
学生の日々
始まりは楽しくもあり
哀しさも引きずってくる
風が変わったな
朝に感じる肌の感覚
軽くなった空気
夏の終わり
秋の始まり
終末感
忙しくもさびしい年末にすすむ
その少し手前の秋を
嬉しむ
時は
あっという間だ