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69 体育祭・午後の部②

「うわぁ、これは酷いね。 『清光の十女神の一人』とか、ゆーくんや烏丸君でなければ詰んでる内容だよ」


「みたいだな。 こりゃあ、体育祭実行委員にクレーム入れとかねーとな」


「ホントにねぇ」


 借り物の内容を描かれた紙を見せながら冬先輩にお願いするが、冬先輩だけでなく神薙先輩や太田先輩も表情を歪めた。

 どうも借り物の内容に関する事で、体育祭実行委員にクレームを入れる予定らしい。

 確かに、【清光の十女神】は容姿や名前は常に新聞に貼り付けられているから知っているが、話した事がある人はその人達のクラスメイトか、知り合った人にしか声を掛けられないと思う。

 僕は、その一人の冬先輩と付き合っているので、声を掛けるのは容易いから大丈夫だけどね。


「よし、ゆーくん行こうか! 折角のご指名だしね。 紙はボクが持つよ」


「分かりました。 よいしょっと」


「おおっ!? お姫様抱っこだとぉ!?」


「優真君も意外と力持ちなのねぇ」


 ひとまず冬先輩は了承してくれたようで、紙は冬先輩が持つとの事。

 僕は彼女をお姫様抱っこするようにして、持ち上げた。

 小柄なのかどうかは知らないが、軽いなぁ。

 

 あと、神薙先輩と太田先輩が何か言ってらっしゃるが、気にしないでおこう。


「えへへ、見せつけちゃうね。 これから、トラックを1周するんでしょ?」


「ええ、ゴールまでこのまま行きますね」


「うんっ♪」


 僕は冬先輩をお姫様抱っこしたまま、トラックを1周する。

 冬先輩は、すごく嬉しそうな笑顔でこっちを見る。


『おおっと、青組は【清光の十女神】の一人の四季原さんを抱えて走ってる! ん? 借り物の紙には……!? 誰だー!! 『清光の十女神の一人』と書いておいた奴はーー!!』


 実行担当の人も冬先輩が代わりに持っている紙を見て激怒したような感じになっていた。

 これはフルボッコされる案件になってきたなぁ。


「何だろう? 赤組の子、戸惑ってるね」


「あの生徒の借り物の内容が……『白組の女子』らしい」


「よし、そっちの件も合わせてクレームを入れておこう」


 そんなやり取りをしながら僕は冬先輩を抱えたまま、トラックを一周してからゴールし、トラック内で冬先輩を下ろす。

 名残惜しそうな様子だったみたいだけど、ベンチに戻ったら色々してやろうと思う。


『えーっと、そろそろ時間になりますが、リタイアしますか?』


「リタイアします!」


「同じく」


 ゴールできたのは青組の僕と白組の生徒だけらしい。

 白組は無難な内容の借り物だったので、ゴールできたようだ。


 流石に実況も見ていられなかったのか、残り三人にリタイアするかを聞いた所、リタイア宣言した。

 やはり、知り合いがいないのはかなり厳しいだろうな。


「今、紬ちゃんと花咲ちゃん、花蓮ちゃんが体育祭実行委員会にクレームを入れに行ったよ」


「流石に難易度の高い借り物が入ってたからですね」


「そうそう。 知り合いのない子がそれにぶち当たったんだから。 何を考えてるのやら」


 本当にね。

 何を考えているのかは分からないが、ひとまず冬先輩をお姫様抱っこ出来た事だけは感謝しようかな。

 そう思いながら、僕は冬先輩と青組のベンチがあるテントに戻る。


 なお、実行委員会が構えているテントから悲鳴が上がっているが、気にしないでおこう。


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