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59 悪崎の末路(冬視点)

 悪崎がゆーくん達の方に襲い掛かるどさくさで、ボクのスカートを捲っていった。

 思いっきり捲られたので、慌ててスカートを押さえたのだけど、多数の人に下着を見られたかもしれない。

 そう思いながらスカートを捲られたショックで、スカートを押さえたままへたり込んだ所に……。


「冬先輩に……なにしとんじゃあぁぁぁ!!」


「ごぼおぉぉぉっ!?」


 キレたゆーくんが、悪崎をボディーブローを叩き込んでいた。

 その反動かは分からないが、悪崎は吹き飛び、お腹を押さえて蹲る。

 ボクが彼と出会ったばかりの時にも一度そういう攻撃を叩き込んでいたが、今回はかなりヤバい。

 というか、キレたタイミングがボクが奴にスカートを捲られた時だった。


「いい加減にせぇよ……。 普通にコミュニケーションが出来る奴にもゲームやアニメが趣味なだけで『陰キャ』扱いしてカースト底辺にしやがって」


 お腹を押さえる悪崎に向かってじりじりと近づきながらゆーくんは言う。

 相当彼は、溜まっていたのかもしれない。

 不安と恐怖という名のフラストレーションに。

 しかし、キレるとここまでキャラが変わるのは……。


 普段大人しそうな子だから、キレるとガラリと変わっちゃうんだろうなぁ。


「清光学園で禁止されてるカースト制度を勝手に作った挙句に、てめぇの兄がダチの妹を殺し、果てに冬先輩のスカートを捲るとはなぁ。 とことん屑じゃないか」


「う、五月蠅い……! 俺様が……」


「誰が喋っていいと言った!!」


「ひいいっ!?」


 ヤンキー顔負けの威圧で悪崎を黙らせる。

 花蓮ちゃんは驚いて立ち尽くしてるが、紬ちゃんや花咲ちゃんは悪崎を蔑んだ目で見下ろしている。


「てめぇの退学も身内がやらかした影響でそうなったんだろうが! 人のせいにすんじゃねぇよ!!」


「ひぎいぃぃぃ!?」


 悪崎の顔面近くに足を地面に叩きつけるゆーくん。

 踏まれるという恐怖で悪崎はおかしな悲鳴を上げた後、気絶した。


 あ、悪崎の周りの地面に染みが。


「ま、奴の末路ってやつかな?」


「おーい、花蓮。 こいつを連行するようにおじさんに言ってくれ」


「あ、うん」


 立ち尽くしたままの花蓮ちゃんに、紬ちゃんが呼びかける。

 すぐにスマホを取り出して、連絡をする。


「すみません、冬先輩」


「ゆーくん……」


 正気に戻ったゆーくんは、優しくボクに話しかける。

 ボクは立ち上がり、ゆーくんを見る。


「今までにない位、かなりキレてた意識があります。 幻滅……しましたか?」


「ううん。 びっくりしただけ。 むしろ言いたいことを言えただけでも立派だよ。 一部アレではあったけど」


 幻滅はしない。

 むしろ、よくやったと言える。

 一部でちょっとアレな部分はあったけど、言いたいことは言えたんだしね。


「だから、ボクはあれくらいで嫌いになったりしないさ。 だから安心してほしいな」


「はい……」


 ボクは小柄な自分の身体を目一杯使って、ゆーくんを抱きしめる。

 背中を優しく撫でて彼を安心させる。


 その間に学園長が花蓮ちゃんや紬ちゃんと話をし、その後警察の車が来て、悪崎と取り巻きを連れて行かせたのだった。


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