53 GWに親戚の家族が来ました①
5月のゴールデンウィーク。
この日は何故か親戚の夫婦がベビーカーを引っ提げて僕の家に来たのだ。
両親も歓迎し、中に入れさせる。
「あーうー」
「娘の早紀ですよ。 ようやく1歳になったの」
「大きくなったわねぇ」
親戚の叔母さんと母さんが1歳の早紀ちゃんを見てそう話す。
僕は初めて他人の赤ちゃんを見るけど、可愛い事は可愛いんだよね。
しかも女の子だし。
「そういえば、優真。 今日は冬ちゃんが来るんだっけか?」
「うん。 ここで一緒にゲームをしに来るよ」
「あらあら、ゆうちゃんも春が来ちゃったかしら」
「からかわないでくださいよ、叔母さん……」
ただ、今日は冬先輩が遊びに来る日でもある。
両親はそれを知ってるけど、親戚の夫婦は初めて知る。
もうすぐ来るはずだ。
「ゆーくん、来たよーって……あれ?」
「あ、冬先輩」
玄関のドアを閉め忘れてたので、そのまま入って来た冬先輩。
別の夫婦を見たので固まってしまう。
まぁ、突然の来客に驚くのは無理はないだろうけど。
「あー、先輩。 こちらは僕の親戚の夫婦と娘さんですよ」
「あ、そ、そうなんだ。 初めまして」
「あらあら、あなたが兄が言ってた冬ちゃんね」
「はい、そうです」
僕が親戚の夫婦を紹介すると、叔母さんが冬先輩に声を掛ける。
少し戸惑いはしたが、そこは冬先輩。
しっかり対応してきている。
「あーあー」
「早紀、どうしたのー?」
「この子が早紀ちゃんですか?」
「そうだよ。 一歳になったばかりの娘です」
早紀ちゃんが冬先輩を見て両手を前に出しながら声を出してきたを冬先輩が気付いた。
ここまで無口だった叔父さんがようやく喋る。
この人もあまり喋らないからなぁ……。
「あーうー、あー」
「あらあら、おねえちゃんに抱っこしてほしいの?」
「えっと、いいんですか?」
「ええ、いいですよー。 はい」
早紀ちゃんがベビーカーから乗り出しそうな勢いで両手を前に出してるので、叔母さんが尋ねるとどうやら冬先輩に抱っこをしてほしいそうだ。
冬先輩も驚いていたが、叔母さんは早紀ちゃんを抱え、ゆっくりと冬先輩に早紀ちゃんを抱っこさせる。
「わぁ、可愛い……」
「きゃっ、きゃっ♪」
早紀ちゃんを抱っこする冬先輩は、穏やかな笑顔を浮かべていた。
そりゃあ可愛いからな……。
抱っこされた早紀ちゃんも機嫌がいいし。
「優真くんは早紀を抱っこしないのかい?」
「いや、僕は……遠目で見てるだけでいいです」
「ゆーくん?」
叔父さんが早紀ちゃんを抱っこしないのかという発言に対し、僕は遠目で見てるだけでいいと言った。
それが冬先輩は気になったようだ。
何せ僕は……。
幼い子供に泣かれてしまう位に嫌われているから。
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