47 放課後のアクシデント再び
少し遅れました。
すみません……。
「やぁ、ゆーくんに桐生君。 今日も部活に行くよー」
「きーくん来たよー」
「今準備しますよって、んん!?」
あれから翌日。
ここまで悪崎やその取り巻き達による妨害や奴らに同調する陽キャグループの嫌がらせがなく平和に授業が行われた。
そして、今日が桐生君にとっての活動初日なので冬先輩と花蓮先輩が迎えに来てくれた。
なんだけど、花蓮先輩は桐生君を『きーくん』って今、呼んでたよね!?
「ああ、昨日の部活見学には特別に花蓮ちゃんも一緒に来たんだよ。 そこで花蓮ちゃん、桐生君とこれからも付き合いたいって告白したんだよ」
「えへへ……♪」
「それで、桐生君は?」
「もちろんOKの返事をした。 なんだかんだでこの人のおかげだし」
部活見学の途中で告白して即OKするとか……。
まぁ、僕も冬先輩とほぼ出会ってすぐに付き合ったようなものだし、人の事は言えないけど……。
「いやあ、ここ最近はカップル結成RTAでも流行ってるのかなぁ?」
「流石にそれはないでしょう……とは言い切れん」
「そうそう。 紬ちゃんも料理部の男子と出会ってすぐに付き合ってるしね」
「どうりであの空間、糖分過多だったわけか……。 納得したわ。 でも、これからは負けないよ」
「だから競うなって!」
そんな感じで僕と桐生君、そして冬先輩と花蓮先輩が話を盛り上げていた。
その傍らで今日は部活のないために料理部の先輩が来て、国見さんと春風さんと一緒に下校しようと声を掛けていた。
まだ、悪崎の恐怖は続いてるしね。
見張りの教師もまだいるんだし……。
「さて、そろそろ部活に……」
「させないぞ! 陰キャオタク共!!」
「桐生が部活に入ったとはな……。 逮捕された奴に変わってここで……」
「はい、邪魔」
突然、悪崎の取り巻きが乱入してきた。
二度目の停学中なのに、無理やり学校に来たのか。
やはり桐生君を目の敵にしており、逮捕された記者に変わって殺そうとしてきたが、背後から誰かが手刀で奴らを気絶させたのだ。
「梓部長!」
「いやー、騒がしいなと思ったらこれとはねぇ」
その正体は梓先輩だった。
多分、桐生君の様子を見に来たのだろう。
その後ろには桃花さんもいた。
「全く、おじさんに連絡したわ。 凶器を持ってたしね」
怒りを隠し切れない花蓮先輩が、警視総監の叔父に報告をしていた。
やはり、桐生君を殺そうとしていたのだろう。
片方の手には凶器のナイフを持っていた。
その後は警察が来て、すぐに二人をパトカーに乗せて行った。
しかし、学園長の仕込みで騒ぎになる事はなく、部活も中止にならずに済むようだ。
さぁ、部活に行きますか。
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