41 気分転換(?)の部活動
「桃花ちゃんは大丈夫?」
「ええ、あの人も訴えられたって聞いてショックを受けましたが、太田先輩が財閥の力を上手く使って逆転の証拠を掴んでいるので今はそれを信じようと」
「そうか……。 じゃあ、今日も頑張ろうな」
「はい」
今日は『ゲーム&アニメクラブ』の部活の日。
この間のテストプレイで発覚した不具合を修正した上で、新たなお話やイベントを追加したバージョンのテストプレイをしつつ、桃花さんと話をした。
やはり、桃花さんの彼氏が訴えられた事を知ってショックを受けたが、太田先輩の財閥が逆転の証拠を掴んでいるという話と弁護士も紹介してもらっているという事で、信じて待つのだそうだ。
問題は担当する裁判官だが、花蓮先輩の話では学園長の奥方の友人が担当するという事で、お金で買収される心配はないようだ。
「うん、最初の部分はちゃんと修正されてるね。 この分なら空き時間が多く取りやすいかもね」
「問題は続きのイベントだよなぁ。 昨日新たに話を進めたって製作班が言ってたし」
「そこでしょうね。 先に話を作るあまりにイベントの設定とかが甘くなりがちですから。 後、新たな話をといえば戦闘のバランスですね」
「ああ、エリアが変わればエンカウントする敵も変わるから」
テストプレイでは序盤は順調に不具合が修正されてるのを確認出来た。
しかし、桃花さん曰く今回は新たな話が追加されているという事で、新たな不具合や戦闘バランスがどうなのかという懸念がある。
新しい話という事で、エリアが変われば敵の強さも変わるからだ。
「当然、ある程度の敵の強さを保つのは必要ですが、低レベルでも工夫次第で突破できるバランスも求められますね」
「つまり、敵の強さの穴を突く戦略もいけるかどうかって奴か」
「穴……つまり『アッー!』ってやつかな?」
「冬先輩?」
「あ、いやー、あははは」
その最中に冬先輩がとんでもない事を言い出したので、ジト目で睨んだ。
僕のジト目に気付いた先輩は乾いた笑いをしながら視線を逸らす。
「ささ、続きをやりましょう。 早速ここで不具合が出てますし」
「おおっ、マジか……って、この敵攻撃力高すぎやしないか? ワンパンで200とか序盤のエリアでやる数値じゃない」
「ホントだ。 しかも逃げられないし……」
早速、新しい話に関する不具合が発生したみたいだ。
しかも、敵の一部の強さが序盤でのレベルを超えている。
どちらかというと中盤以降の強さになっており、しかも逃走不可能。
出会ったら全滅を待つ以外にないという。
結局、今回はテストプレイだけで部活の時間を取られた感じだった。
終わった後は僕と冬先輩はぐったりしてて、三人分の不具合レポートを提出した桃花さんは元気だった。
それにしても、こんなのでコンテストに間に合うのかねぇ……。
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