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4 屋上で出会った相手はボクっ娘先輩

「ふぅ、ようやく昼かぁ」


 さて、憂鬱な感じで授業を終わらせ、昼食の時間がやってきた。

 幸い、弁当は無事だったので同じグループの仲間とは別行動を取り、屋上で食べようと思ったのだ。


「あの悪崎のような陽キャグループはここには来ないからな。 例のアレも」


 例のアレと言うのは【清光の十女神】の事である。

 悪崎に陰キャかつ底辺扱いにされた僕にとっては、それは雲の上の存在だからだ。

 きっと奴らはその人達にも言いくるめているものと思われるからだ。


「考えても仕方がない。 食べてしまおう……」


 そう嘆きながら僕は弁当を広げて食べようとした。

 その時だった。


「おやおや、先客がいたとはねぇ」


「え?」


 可愛らしい女性の声が聞こえて来たので、咄嗟に顔を上げる。


「やあ。 キミも屋上で昼食なのかい?」


「え、ええ……。 そうですけど」


 そこには萌え袖になるほどの大きい白衣をブレザーの上に着用した小柄な女子がいたのだ。

 小柄だが、可愛らしさが前面に押し出されたような感じの美少女で、茶髪のセミロングが風で靡いてる様子に目を奪われる。


「じゃあ、ボクと一緒に食べようじゃないか。 一人より二人で食べた方が美味しいよ」


「え、で、でも……」


「何かあるのかい? それも食べながら聞いてあげるよ」


 一緒に食べようと誘う自分の事を『ボク』という女子に対し戸惑う僕。

 その様子を察してか、食べながら聞いてあげると言って、僕の隣に座り込んだ。


「おっと、名乗ってなかったね。 ボクは2年B組の四季原(しきはら) (ふゆ)だよ」


「え……!?」


 四季原(しきはら) (ふゆ)

 そう名乗った途端に僕は驚く。

 彼女はあの【清光の十女神】の一人だ。

 まさか、そんな彼女が僕に声を掛けて来たなんて、夢じゃないかと言うほどに驚いた。


「おーい、キミの名前を教えてくれるかーい」


 驚き固まってるのが気になったのか、冬先輩が僕をゆすってきた。

 おかげで我に返ったので自己紹介をすることにした。


「あ、はい。 春日井(かすがい) 優真(ゆうま)です。 1年C組です」


「うん、よろしくね、優真君。 それで、何があったんだい? ボクの友人からも肩身が狭い感じでそそくさとトイレに行く様子をみたらしいしね。 さらには今年の一学年はどうもおかしいって言ってたし」


「えーっと……」


「大丈夫。 ボクやこの学園の先輩達はキミの味方だよ。 担任を含んだ一学年の様子がおかしいから、みんなで分担して捜査してるんだよ」


 冬先輩は、そう言って僕を抱き寄せてくれた。

 小柄でボクっ()な彼女の温もりが伝わってくる。

 どうやら、先輩達は今年の一学年の様子がおかしいので色んな方面から捜査をしてくれているようだ。


「だから、安心してボクに打ち明けて欲しいかな。 何か協力できるかも知れないし」


「分かりました。 えっと、実は……」


 その彼女の温もりと先輩達の行動に意を決して、冬先輩にここまで起こった事を打ち明けた。

 少しでも安心したいために……。



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