39 気分転換のお弁当タイム
「しかし、本当に悪崎グループはとんでもない事してくれるよ。 ゲームやアニメ好きな人だけでなくそれに携わる人まで中傷してるのに、運営の権力で悪崎への批判をしたからって侮辱罪で裁判とは」
「しかも既に特定してましたからね……」
「桃花ちゃんに確か彼氏がいたんだよね。 彼も既に……」
「訴状が届いてるでしょうね……。 神薙先輩の話が本当だとすれば」
午前は悪崎と取り巻き、そして陽キャグループがいないために平和に授業を受ける事が出来た。
しかし、トイレ休憩の帰りにトイレから教室に戻る桃花さんに出会ったが、彼女の顔色はかなり悪かったようだ。
やはり、彼女の彼氏さんも訴えられたことが響いてるんだろうね。
そして、今は冬先輩と屋上で昼ご飯を食べている最中で、話題は朝に聞いた裁判の話になっていた。
「紬ちゃんが花咲ちゃんの財閥が逆転できる証拠を集めてるって言ってたから、今は待つしかないね」
「そうですね……」
「とまぁ、これ以上湿っぽい話はなしにしよう! 折角のお弁当も不味くなるし! はい、あーん」
「あ、あーん」
これ以上の湿っぽい話を切り上げて、冬先輩は自分のおかずを取って僕に『あーん』してきた。
僕もそれに素直に応える。
当初は躊躇ってたけど、今は全く抵抗しなくなった。
慣れって怖いなぁ……。
「それじゃあ僕からも……」
「あーんっ♪」
そして僕からも冬先輩に『あーん』をし返す。
嬉しそうにおかずを頬張る冬先輩が何と可愛いことか……。
先輩なのに可愛さは最高レベルだ!
「ゆーくんも積極的になってきたねぇ。 ご褒美にボクのスカートを捲っちゃう?」
「流石にそれはしませんよ」
「だよねー。 屋上でもここ以外の場所で昼食をとってる人もいるしね」
僕が積極的に冬先輩に『あーん』してきたのに感心した冬先輩は、スカートを捲らせようとしたが、それは流石に止めた。
屋上でそんな事やって誰かに見られたら、即座に社会的に終わりそうだ。
「よし、お腹もいっぱいになったし、少し時間があるし漫画のお話でもしようか」
「どんな作品の話題ですか?」
「そうだなぁ……。 そうだ、あの追放ざまぁのファンタジー小説がコミカライズ化が今、ウエブ漫画サイトで掲載されてるんだよ。 見てみる?」
「どれどれ……?」
お弁当も食べ終えてお腹が膨れたが、少し時間があるのでその間は冬先輩と漫画の話で盛り上がった。
その後でトイレに行ってから午後の授業に臨んだのである。
今日は悪崎達が来なくて学校は平和だったが、桃花さんや太田先輩が気がかりだ……。
無事に逆転出来ればいいんだけどね。
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