33 冬先輩の家に来ました②
「そういえば、ゆーくんってあんまり同人には食いつかないよね」
冬先輩の部屋にて、パソコンの電源を起動しながら冬先輩が僕が同人に食いつかないような感じだったのが気になったようなので、聞いて来た。
アレが原因ではあることを隠す気はないので、正直に打ち明ける事にした。
「ええ、当時好きだったアニメのキャラを酷いアレをされる同人漫画を見てしまってから同人を避けるようになりましたね」
「うわぁ、マジで……。 ちなみにその原作は?」
「『ミラクルエミリー』が原作の奴です」
「あちゃー、それって二次創作が明確に禁止されてる作品じゃん。 それを無視してそんな同人作品を出すとか……」
そう。
同人があまり好きでなくなった理由である『ミラクルエミリー』の二次創作同人誌だが、『ミラクルエミリー』自体が二次創作を明確に禁止している作品でもあるんだ。
子供から大人まで好まれる作品であるから、只でさえグレーゾーンと化している二次創作の中でもガイドラインで明確に禁止していた。
本来は二次創作はアウトなのだが、公式から黙認されているのが現状らしいのだが、あの時はショックだった。
「アレのせいで『ミラクルエミリー』は以後の展開はなくなりましたからね」
「確かにそれは……嫌になるね。 同人って二次創作も結構あるから……そういうイメージが一気に湧いたって事かな」
「そうですね」
「それだったら、勧められないね。 まあ、一度だけでも見てみようよ。 こっちはオリジナルの全年齢だし」
何だかんだで事情を理解してもらった冬先輩は、一応ゲームを起動し最初からプレイをすることにした。
僕にその内容を見せるつもりなのだろう。
桃花さんの兄が入っているサークルが作った同人RPG。
僕はその内容を冬先輩のプレイを通して見る事にしたのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「さて、おやつにしようか」
「そうですね。 小腹が空きましたし」
「じゃあ、お菓子を持ってくるからここで待っててね」
そう言って冬先輩はお菓子を取りに行くために部屋を出た。
その間に自分のカバンから本を取り出す。
今はあらゆる展開が無くなって久しい『ミラクルエミリー』の漫画版。
あんなひどい状態のキャラクターを描いて同人として売らなければまだ『ミラクルエミリー』の展開は続けられたのだ。
公式が明確にしたルールを守る気のない奴によって一つの作品を潰したんだから。
それ以降、僕は二次創作を毛嫌うようになった。
同時にそういうのが多いイメージの同人も拒絶反応を持つことになったのだ。
(僕や大人だけでなく、子供たちもショックだったんだろうな)
子供にも人気だったアニメだったので、こういう事件はニュースにもなってしまった。
子供の夢を平気でぶち壊しにかかる同人ゴロはまだ巣くっている。
「お待たせ。 じゃあ、お菓子を食べてからアニメでも見ようか」
「ゲームはその後で?」
「うん。 三十分のアニメ鑑賞の後でね」
暫くして冬先輩がお菓子を持って来てくれた。
この後はそれを食べてからアニメ鑑賞をする予定だ。
さて、どんなアニメを鑑賞するのだろうか?
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