31 部活動を始めます③
「んー、こんなところかな?」
「お疲れ様です、冬先輩」
「桃花ちゃんもゆーくんもお疲れ。 見たところ結構あったっぽいね」
「はい。 大半がマップのプライオリティの設定ミスだったり、イベントの挙動関連でしたね」
少しして体験版の範囲全てをプレイし終えたので、不具合のまとめたメモを見せ合った。
やはり、イベントの挙動だったりマップのプライオリティ設定のミスだったりが目立っていた。
桃花さんが一緒にメモを製作班に提出して、製作班の先輩達が不具合の内容を見る。
他の部員からも同じようなミスを指摘されており、修正に時間が掛かりそうだ。
「残りの時間はアニメでも見る? 丁度動画サイトに公式で期間限定でアップされてるアニメがあるんだよ」
「そうなんですか?」
「うん。 公式の粋な計らいってやつでね」
「見てみましょうか。 どんなジャンルのアニメですか?」
「あー、ロボットものだけど……」
「構いませんよ。 見ましょうか」
冬先輩が残りの時間を使って動画サイトアップされてる公式認定のアニメを見ようと提案した。
ただし、ジャンルがロボットアニメだというのを付け加えて。
桃花さんはそれでもかまわないというので、ひとまず三人で見る事にした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「うぉぅ……」
「ま、まさかここまで鬱になるアニメだったとは……」
「地上戦艦に潰されて首がポーンって飛ぶシーンで見るのをやめました……」
結果、今回のロボットアニメはかなりの鬱のお話だった。
というより、残酷な表現がかなりあった。
特に桃花さんが見るのを辞めたきっかけとなった地上戦艦に人が潰されて、首がポーンと飛ぶシーンはかなりヤバい。
当時はよくこんな表現ができたなぁって思ってしまう。
「ま、まぁ、気を取り直してこの漫画でも読もうか。 もう少し時間はあるし」
「そ、そうですね」
「お口直し的な意味で、その漫画読ませて下さい」
冬先輩が棚から出してきたコミカルな漫画を三冊持ってきたので、それを読んで心を落ち着かせた。
他の部員たちは別の話題で盛り上がっていたようだ。
こんな感じで今日の部活は無事に終わったのだった。
ちなみに、ゲームの方は製作班が次の部活の日までに各自の家で修正作業を行う事にしたようだ。
そして、帰りは悪崎達に出くわさなくて済んだ。
あいつらは黄色いワゴン車に乗られても脱出しそうな感じだったし、ビクビクしていたんだけどね。
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