26 悪崎が復帰して早々に……
僕が入る部活を決めた翌日。
その日は僕達はうんざりしながら会話を交わしていた。
「今日か……」
「ああ、あいつらが戻ってくる恐怖の日が」
「先輩から聞いたけど、あいつらのパイプが思った以上に太いから周囲の力を削らないと安心して退学処分が出来ないんだって?」
「そうさ。 特に取り巻く一人の家族が大手メディアの取締役らしいから、それを活用される恐れがあるみたいで」
「最悪だね……」
そう。
今日は悪崎と取り巻きの停学処分から解放される日。
つまり、今日からあいつらが学校に来るのだ。
学園側も念のため、各教室に複数の教員を配置し、即座に対応できるようにしている。
あの停学だけで、あいつらは反省などしないからな。
ちなみに昨日の陽キャグループは今日から停学らしい。
やはり、学園で禁止している悪崎のカースト制度を支持していた事が原因のようだ。
部活は必ず入らないといけないのに、陰キャオタクは部活に入ってはいけないとか矛盾してるんだよ。
「この陰キャ共めがあぁぁぁ!!」
(来たぁ!!)
早速来た。
「陰キャの癖に俺様を停学にさせるとか生意気なんだよぉぉぉ!!」
責任転嫁も甚だしい。
停学になったのは学園のルール上で禁止されてるのにお前がカースト制度を作ったからだろうに。
それでも奴はドアを壊すほどの勢いで開けたと思いきや、絶叫しながらこっちに来ようとしていたが……。
「ぬぅん!!」
「ぐわあぁぁぁ!!」
しかし、それが僕達に届く事はなく、見張りの教師たちに体当たりで止められた。
廊下まで吹き飛ばされる悪崎に驚く取り巻き達。
「相変わらずのようだな。 教育指導室に送り込もう」
「なっ!?」
「やはり貴様の両親にはもっと圧力を掛けねばならんか」
「は、離せ……!!」
「だめだ。 貴様が反省をせずに責任転嫁をしているのだからな。 さぁ、行くぞ」
「いやだあぁぁぁ!! 俺様は悪くないいぃぃ!!」
他の取り巻き達も襲撃しようとしていたようだが、廊下でも見張りの教師がいたようで対処されたようだ。
一緒に生徒指導室に引き摺られていく悪崎達。
やはりというか、学習はしないな……。
というよりは、自分達の都合が悪い部分は聞かないようにしているらしいな。
これは学園長も苦労するんじゃないだろうか。
「さて、いきなりのトラブルがあったが、ホームルームを始めよう。 まずは現在生徒指導室に連れて行かれた悪崎達の処分だが……」
その後、教室に入って来た担任代理の先生の一声で、ホームルームは始まった。
悪崎の処分は、今日一日様子を見て再び停学にするのかどうかを決めるようだ。
いやはや、今日はどうなる事やら……。
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