11 翌日の教室にて
翌朝、冬先輩と約束通りに一緒に登校。
その間はゲームや漫画の話で盛り上がった。
漫画については好きなジャンルが僕と似通っていることもあって、かなり話が合った。
登校中も楽しく話をしながらだったが、校門に着いた際に少し不安が過った。
「大丈夫。 メールでも教えたけど二学年や三学年の担当教師の中から2、3人は見張りとして入るみたいだから。 今回の処分を無視して入ってきてもその先生たちが何とかするよ」
僕の不安を察したのか、冬先輩がそう言ってくれた。
昨日のメールの情報は、冬先輩の友人の一人からもたらされた内容のようだ。
そういえば、生徒会の役員たちは残ってたみたいだったなぁ。
「それじゃ、またお昼にね」
冬先輩はそう言って自分のクラスに向かった。
僕もそれを信じて自分のクラスの教室に入る。
「お、春日井」
「おはよう、優真君」
「ああ、おはよう」
入って早々、桐生君と春風さんが挨拶をしてきたので、僕もちゃんと挨拶をする。
挨拶は大事だしね。
「そういえば、悪崎と取り巻き達は停学処分になったらしいぞ」
「そうなの?」
「ええ、悪崎の脅しに屈して入学させた教師達も教師を辞めるみたいだし」
桐生君が悪崎についての話に触れ、春風さんは驚く。
国見さんも悪崎を入学させた教師の行く末を話していた。
この辺りは昨日の夜に冬先輩から来たメールの内容と同じだ。
「ただ、他のクラスもそう言ってたみたいだけど、安心はできないんだよなぁ」
「そうね。 処分を無視して我が物顔で教室に来ることは予想できるしね」
「そういえば、別の教師が教室にいるのは……?」
「悪崎と取り巻き達の対策として入ってるみたいだよ」
国見さん、桐生君、春風さんとの話にようやく僕が入り込んだ。
内容が冬先輩からのメールで知った内容なのも大きいかも。
「というか、お前はあまり驚かないんだな」
「冬先輩からのメールで知ったからね」
「というか、冬先輩と連絡先交換したの!?」
「ああ、同じ趣味で話が合ったからね」
「冬先輩もゲームや漫画などが趣味なんだ……。 初耳だよ」
三人は僕が冬先輩と連絡先を交換した事に驚いたが、それ以上に彼女が僕達と同じ趣味を持っていたことにびっくりしていたみたいだ。
「もうすぐホームルームだね。 席に着こうか」
「そうだね」
時間的にもうすぐホームルームなので、そろそろ席に着こうとした矢先だった。
「ふん! 相変わらず陰キャ臭い匂いが漂うな!」
予想した通り、停学処分だった筈の悪崎とその取り巻き達が堂々と教室に入って来た。
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