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模擬戦

 エイルは何を言っているんだ? 協力して事にあたった方が上手くゆくだろうに。


「どうしてここで待たなくちゃいけないんだ?」

「だった私強いもん。それは実際に手合わせした兄さんが分かってるでしょ。それに私が屋敷に戻るのは自然でしょ。兄さんが戻っても歓迎はされないよ」


 エイルは不機嫌そうに、吐き捨てるように言った。

 後者はその通りだが、前者は聞き捨てならない。これでも多少は強くなった自負心はある。つまり足手まといだから付いてくるなと言いたいわけか。

 エイルに対して反論しようとしたところで、モラルが会話に割って入ってきた。


「その発言訂正しなさい!!!」

「私は事実を言っているだけです。部外者は黙っていてください」


 エイルは少し驚いた後、モラルに対して冷ややかに答える。


「私は部外者じゃありません。少なくとも貴女よりかはジャスティスのことを分かっています」

「兄さんと一緒にいた時間は私のが長いんですが。数ヶ月の付き合いの人に分かるわけないでしょ」

「冒険者になった後のジャスティスを知らないで。昔のことだけで今のジャスティスを分かっているつもりとか」

「お前が言うな!」

「そっちこそ!」


 エイルとモラルが立ち上がり、罵り合う。二人とも今にも掴みかからんばかりだ。二人の間に割って入り仲裁を試みる。


「二人共落ち着いて。僕達は喧嘩をしに来たわけじゃないんだ。ルビーを助けるために来てるんだ。カチューシャを困らせたいのか!」


 二人がハッとしたような表情に変わった。そしてカチューシャを見て押し黙った。カチューシャは少々怯えを含めつつ悲しんでいた。


「喧嘩はよくないよ」


 二人はバツの悪そうな表情に変わり着席した。


「大声を出して悪かったわ」


 エイルがカチューシャに謝る。

 モラルはムスっとしている。納得しきれていないようだ。まずこの問題を解決してからでないと話にならないな。


「エイル、さっきの話だけど僕が弱いから単独行動で行くという話だよな?」

「そうだよ」

「だったらエイル、試合を申し込む。実際に剣を合わせて僕が足手まといか判断してくれ」

「別にいいけど手加減はしないよ」

「望む所だ」

「それで兄さんが納得するなら私は構わないけど」


 承諾はしたが、不満げなエイル。やはり実力を示す以外にエイルを納得させる方法はなさそうだ。


「試合の審判は俺がやろう。後エイル、紹介状には君の兄貴は勇猛果敢で腕が立つと書いてあるぞ。甘く見ていると痛い目を見るかも知れないぞ」


 エドリックが面白そうにニヤニヤしている。


「そんなのリップサービスでしょ。書面上ならなんとでも書けるわ。万に一つ負けるようなら私は兄さんの言う事を喜んで何でも聞くわよ」


ーーーーーーーーーーーー


 場所を教会の裏庭、空き地に移動した。

 僕とエイルは木剣を構え相対する。


「それじゃ、ルールは先に木剣を落とした方が負け。それでいいな?」


 エドリックが僕達の間に入り確認する。


「分かりました。それでいいです」

「私もそれでOKよ」

「あっ、ちょっと待ってください」

「ん、どうした?」


 自分のステータスを確認してみる。


───


スキルサーチ

スキル爆速強化


スキルポイント 20


 スマッシュ (LV.40/100,000)

 筋力向上  (LV.51/100,000)

 体力向上  (LV.40/100,000)

 素速さ向上 (LV.40/100,000)


───


 余っているスキルポイントを素早さに全振りする。


───


スキルサーチ

スキル爆速強化


スキルポイント 0


 スマッシュ (LV.40/100,000)

 筋力向上  (LV.51/100,000)

 体力向上  (LV.40/100,000)

 素速さ向上 (LV.60/100,000)


───


 エイルの勝てる確率を上げられるだけ上げておく。

 前はエイルのスピードに付いてゆくことができなかった。ついて行くことが出来れば僕にも勝算があるはずだ。


「お待たせしました。OKです」

「分かった」


 僕とエイルは距離をとる。

 エドリックが試合の合図を告げる。


「はじめ!」


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