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それでも俺は  作者: 咲ヶ丘ゆづき
俺と騒がしいあいつ
7/9

俺とお前の気持ちの  ”涙”

おはようございます~!

こんにちは~!

こんばんは~!


咲ヶ丘ゆづきですっ!


【それでも俺は】 お楽しみくださ~いっ!

し、しぬ?さゆりが?何言ってるんだ……。


「俺の気を引こうと……でも冗談でもやめてくれよ」


「冗談じゃないよ、ほんとに死ぬよ。早ければ明日。運が良くて遅ければ明後日かな」


「な、何を言って……」


「ごめんね、急に……。本当は、さ、こういう話は会って話したかった。君を見て話したかった。でも、できないよ。好きな君を見て、自分の死を伝えるなんて、涙が、止まらないもん」



く、くすり……やっぱり何かの病気なのか……!


「薬……貧血じゃないよな?」


「……そうね、騙すつもりはなかったの。この事実を伝えてあなたが離れて行ってしまうって考えたら、言えなくて。今だけでも、その時だけでも幸せを味わいたかったの」


「は、離れるなんて……」


「君はそういうと思ったよ、助けてやる、絶対に死なせない、俺がそばにいる……そういうのって意外と残酷なんだよ?優しさのつもりでも、結局は、人と人は変わることができない、痛みは共有出来ても痛みを代わりに受けることはできない」


頭の整理ができない……。頭の理解がついていけない。


「病気って……なんの病気だなんだ……?」


声が震えている。

寒くなんかないのに、

体が冷たい。


「悪性新生物」


「悪性新生物!?ガン……」


「そう、しかも原因不明のね」


でもガンなのに、こんな楽しく歩きまわれるのか……。もう体は限界なんじゃ……。


「病院にいなくていいのか?」


「病院つまんないも~ん。ずぅうっと点滴、検査、それの繰り返し。だったらさ、どうせ死んじゃうんだったら、すきなことしたいじゃん。だから、君の所へ来たんだよ?」



それにね、と彼女は続ける。


「ちゃんと、一時退院とってるから大丈夫だよ。フフフ、私の辞書に計画の抜かりはないのだよ」


いつものテンションなのに声色が悲しく聞こえる。


「暑いね~長風呂って気持ちいいなぁ~んー雪も見れたし、温泉も入れたし、……」


そこで言葉が止まる。


「私、そろそろあがるね~♪」


女風呂のドアが閉まる音が聞こえても、もう、そこには誰もいなくても、俺は、立ちすくんでることしか出来なかった



ふらふらになりながら脱衣場で、服を着る。


俺に出来ることはないのか、考えて考えて……でも、答えは出なかった。ネットで検索しても、生存率は低い、と書いてあるだけ。


心拍数が速い……。


どうしようもない現実が大切な人を襲ったとき、そこで初めて自分の行動が試される。

その行動次第で

相手は傷つき疲れ

又は幸せな笑顔を取り戻すだろう


不意にこの文章が目に止まった。



同情するのも悪くない。だが、何事もなかったように接するのも優しさの一つだ。



「りーくん…?まだー?早く来ないとぉ、入っちゃうぞ!めっ!」



「いいぞ、入ってきて」


「え!?どうしちゃったの!?積極的になってる!」


「たまには、こっちから攻めてみようかと……」



驚いた声のさゆり。


「あ~でも今私、ちょっとやばいから遠慮するね。自分で言っておいてね~♪あはは」


「さゆり、会いたい」


「え?」


走った。もう、体に任せて。


「りーくん?!」


暖簾(のれん)をくぐるとそこには

さゆりがいた。


長い髪はお団子にまとめられている。


そして、抱きしめた。


「……!?」


抱きしめた。もう離さない。絶対に……絶対に。


「りーくん……痛いよぉ……。りーくん?」


気づいたら涙が溢れていた。こいつの前で泣くときが来るなんて思わなかった。


「りーくん……」


刻が止まったように

俺と、さゆりは、

抱きしめ合った。

その夜は旅館に泊まった。


家に帰っても、ひ~ま~とさゆりが言うのでなら、泊まっちゃうか、ということになった。


「ま、まさかりーくんが提案に乗ってくれると思わなかったよ。いつもなら、『絶対に嫌だな、お前から襲われそうだし』(声マネ)とか言いそうだし」


「ま、たまには、な」


「じゃあ~♪秘密の関係に~♪うふふ」


「それはパスだ」


「なんでぇ~」


なんでってお前……。


「じゃあ、アニメのヒロインの好きなカバンの中身ランキング第三位は~♪」


こいつが楽しそうならいい。けど、ダメなことはダメだ。はっきりいってはずいしな。妄想と本物は別なんだ。


「えっと~♪島井涼花ちゃんの~♪ってりーくん聞いてる!?」


「聞いてるよ」


「じゃあ、」


声色が変わった。


「じゃあ、なんでいつもみたいに止めないの……。人もいるのに、恥ずかしいことなのに……。さっきのこと?さっきのことで……私に気を遣ってるの……?そんなの……そんなの……嫌だよ!いつもみたいにしてよ!私は!あなたとのいつもの日常がいいの!もう時間も少ないんだから……最期くらい普通でいてよ……」



「……最期とか言うなよ……。

俺が……俺がどれだけ悲しくて、悔しくて、そんな気持ちも分かんないくせに、わかってるように言うんじゃねーよ!!!」


さっきまでの楽しい時間がぶっ壊れた。最悪だ……。どうして言っちまったんだろ……。自分が許せなかった。あの時に問いただしておくべきだった。

タダの八つ当たりだ。自分の罪を背負いきれなくて

怒りに変えてぶつけただけ。本当に……俺は……。


「……最低」


「最低はどっちだ!

助かるかもしれない命を

遊び行くためにつかっーーー」


バンっ。


大きく響いたその音は、

暗くて見えなかった彼女の顔がよく見えた。とても哀しく、とても苦しく……あぁ……また俺はやっちまったんだな……。好きな奴を泣かせて、傷つけて……。頬に感じた痛みは一瞬だった。でも、さゆりに響いたガラスの鎖は一生だろう。


「……ばか」


そう言ってさゆりは走り去っていった。





【それでも俺は】、後書きを最後まで読んで頂きありがとうございます!



応援して下さる皆様

気になって?読んで下さった皆様、

いつも読んで頂きありがとうございます!


少しでも興味持って頂けたら嬉しいです(≧∇≦*)


 これからもよろしくお願い致します(*´ω`*)


 咲ヶ丘ゆづきでした!(*´ー`*)



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