俺とお前の気持ちの ”涙”
おはようございます~!
こんにちは~!
こんばんは~!
咲ヶ丘ゆづきですっ!
【それでも俺は】 お楽しみくださ~いっ!
し、しぬ?さゆりが?何言ってるんだ……。
「俺の気を引こうと……でも冗談でもやめてくれよ」
「冗談じゃないよ、ほんとに死ぬよ。早ければ明日。運が良くて遅ければ明後日かな」
「な、何を言って……」
「ごめんね、急に……。本当は、さ、こういう話は会って話したかった。君を見て話したかった。でも、できないよ。好きな君を見て、自分の死を伝えるなんて、涙が、止まらないもん」
く、くすり……やっぱり何かの病気なのか……!
「薬……貧血じゃないよな?」
「……そうね、騙すつもりはなかったの。この事実を伝えてあなたが離れて行ってしまうって考えたら、言えなくて。今だけでも、その時だけでも幸せを味わいたかったの」
「は、離れるなんて……」
「君はそういうと思ったよ、助けてやる、絶対に死なせない、俺がそばにいる……そういうのって意外と残酷なんだよ?優しさのつもりでも、結局は、人と人は変わることができない、痛みは共有出来ても痛みを代わりに受けることはできない」
頭の整理ができない……。頭の理解がついていけない。
「病気って……なんの病気だなんだ……?」
声が震えている。
寒くなんかないのに、
体が冷たい。
「悪性新生物」
「悪性新生物!?ガン……」
「そう、しかも原因不明のね」
でもガンなのに、こんな楽しく歩きまわれるのか……。もう体は限界なんじゃ……。
「病院にいなくていいのか?」
「病院つまんないも~ん。ずぅうっと点滴、検査、それの繰り返し。だったらさ、どうせ死んじゃうんだったら、すきなことしたいじゃん。だから、君の所へ来たんだよ?」
それにね、と彼女は続ける。
「ちゃんと、一時退院とってるから大丈夫だよ。フフフ、私の辞書に計画の抜かりはないのだよ」
いつものテンションなのに声色が悲しく聞こえる。
「暑いね~長風呂って気持ちいいなぁ~んー雪も見れたし、温泉も入れたし、……」
そこで言葉が止まる。
「私、そろそろあがるね~♪」
女風呂のドアが閉まる音が聞こえても、もう、そこには誰もいなくても、俺は、立ちすくんでることしか出来なかった
ふらふらになりながら脱衣場で、服を着る。
俺に出来ることはないのか、考えて考えて……でも、答えは出なかった。ネットで検索しても、生存率は低い、と書いてあるだけ。
心拍数が速い……。
どうしようもない現実が大切な人を襲ったとき、そこで初めて自分の行動が試される。
その行動次第で
相手は傷つき疲れ
又は幸せな笑顔を取り戻すだろう
不意にこの文章が目に止まった。
同情するのも悪くない。だが、何事もなかったように接するのも優しさの一つだ。
「りーくん…?まだー?早く来ないとぉ、入っちゃうぞ!めっ!」
「いいぞ、入ってきて」
「え!?どうしちゃったの!?積極的になってる!」
「たまには、こっちから攻めてみようかと……」
驚いた声のさゆり。
「あ~でも今私、ちょっとやばいから遠慮するね。自分で言っておいてね~♪あはは」
「さゆり、会いたい」
「え?」
走った。もう、体に任せて。
「りーくん?!」
暖簾をくぐるとそこには
さゆりがいた。
長い髪はお団子にまとめられている。
そして、抱きしめた。
「……!?」
抱きしめた。もう離さない。絶対に……絶対に。
「りーくん……痛いよぉ……。りーくん?」
気づいたら涙が溢れていた。こいつの前で泣くときが来るなんて思わなかった。
「りーくん……」
刻が止まったように
俺と、さゆりは、
抱きしめ合った。
その夜は旅館に泊まった。
家に帰っても、ひ~ま~とさゆりが言うのでなら、泊まっちゃうか、ということになった。
「ま、まさかりーくんが提案に乗ってくれると思わなかったよ。いつもなら、『絶対に嫌だな、お前から襲われそうだし』(声マネ)とか言いそうだし」
「ま、たまには、な」
「じゃあ~♪秘密の関係に~♪うふふ」
「それはパスだ」
「なんでぇ~」
なんでってお前……。
「じゃあ、アニメのヒロインの好きなカバンの中身ランキング第三位は~♪」
こいつが楽しそうならいい。けど、ダメなことはダメだ。はっきりいってはずいしな。妄想と本物は別なんだ。
「えっと~♪島井涼花ちゃんの~♪ってりーくん聞いてる!?」
「聞いてるよ」
「じゃあ、」
声色が変わった。
「じゃあ、なんでいつもみたいに止めないの……。人もいるのに、恥ずかしいことなのに……。さっきのこと?さっきのことで……私に気を遣ってるの……?そんなの……そんなの……嫌だよ!いつもみたいにしてよ!私は!あなたとのいつもの日常がいいの!もう時間も少ないんだから……最期くらい普通でいてよ……」
「……最期とか言うなよ……。
俺が……俺がどれだけ悲しくて、悔しくて、そんな気持ちも分かんないくせに、わかってるように言うんじゃねーよ!!!」
さっきまでの楽しい時間がぶっ壊れた。最悪だ……。どうして言っちまったんだろ……。自分が許せなかった。あの時に問いただしておくべきだった。
タダの八つ当たりだ。自分の罪を背負いきれなくて
怒りに変えてぶつけただけ。本当に……俺は……。
「……最低」
「最低はどっちだ!
助かるかもしれない命を
遊び行くためにつかっーーー」
バンっ。
大きく響いたその音は、
暗くて見えなかった彼女の顔がよく見えた。とても哀しく、とても苦しく……あぁ……また俺はやっちまったんだな……。好きな奴を泣かせて、傷つけて……。頬に感じた痛みは一瞬だった。でも、さゆりに響いたガラスの鎖は一生だろう。
「……ばか」
そう言ってさゆりは走り去っていった。
【それでも俺は】、後書きを最後まで読んで頂きありがとうございます!
応援して下さる皆様
気になって?読んで下さった皆様、
いつも読んで頂きありがとうございます!
少しでも興味持って頂けたら嬉しいです(≧∇≦*)
これからもよろしくお願い致します(*´ω`*)
咲ヶ丘ゆづきでした!(*´ー`*)




