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それでも俺は  作者: 咲ヶ丘ゆづき
俺と騒がしいあいつ
6/9

温泉と夢と明かされた残酷

咲ヶ丘ゆづきですっ!

今回は少し短めです!

【それでも俺は】第六部


お楽しみくださいっ!!(≧∇≦*)

 さゆりから手を引かれ、俺達は温泉施設にやってきた。

俺は看板を見て言葉を失った。


 【ラブラブ温泉❤貴方と私の一夜の想い出】


はい?なんだここは。店名やべぇだろ。

 激しい頭痛と脳からの直接警告が頭に響く。ここには入ってはいけない。入ったら、もう出られない。そう脳が俺に告げている。

 施設から出てくる人達は生気を失い、虚ろな目をしていた。どう考えても怪しいし、危ない店は一目瞭然だろう。さすがのあいつもこの異常さにはきづk……。


「受付してきて、鍵もらってきたよ~」


 気づいていなかったようだ。


「さゆり、悪いことは言わない。ここはやめよう。怪しすぎる」


「え~なんでー?」


「なんでって……」


「別によくない?なくなくない?」


 そうだ、こいつはバカだった。話しても聞くはずがないか。理解が出来ないのか。


 再び脳が警告してくる。


安心しろ、俺は入る気はな……。


「ここの温泉のさ、受付の人がさ、アニメ好きみたいで、貸し切りにしてって言って、その代わり通帳渡してきたよ。番号も教えた(≧∇≦*)」


「なにしてくれとんじゃああああ!!!!」


「お金なんかより、私と一緒に過ごす時間の方が価値あるじゃん!」


「そういうことじゃねえええええ!!!!」


結局、俺は、さゆりに負け脳の警告を無視しこのいかにも怪しい店に入ることになった。


 先程、さゆりが受付でもらった鍵を渡され、

「また、後でね❤」とウィンクされて吹き飛ばしたくなったが、返り討ちにあうのでやめた。


 混浴とさゆりが言っていたので男と女で暖簾が別れていて少しガッカリした。それとも中で繫がってるのだろうか。

あ、違う!違うんだ!ちょっと期待もした訳でもなくはないかなと思っただけだ。別に混浴じゃなくても全然平気だ。あっははは……。


誰に言ってるんだ、俺は……。


暖簾をくぐり、脱衣場へ


他の客はいないようだ。本当に貸し切りにしたんだろうか……。


温泉の中は、天然の匂いがしてすごく心地良い。


体を洗い、湯船へ……。体の奥から温まるようにすごく気持ちが良い。


露天風呂行ってみるか……。


外は、少し肌寒かった。


でも街が一望できて景色はいい。ボスが言っていたのは本当みたいだ。店名はやばいが。


ぴちゃっと音がした。誰かいる……!


体を湯船へ沈め、体を隠す。


「りーくん?」


隣からさゆりの声が聞こえてきた。


「さゆりか……ほぁ……マジビビった……」


「……?それよりさ、ちょっと残念だった」


声のトーンを落とし、寂しそうに言う


「何が?」


「ここ、混浴じゃないんだね、混浴だったらなぁ、フフフ」


お前もかぁあああ!同じ事考えてたよ!!恥ずかしくて何も言えんわ!

「ここから、そっち行けないかな?」


「おま、それ、本気で言ってんのか?やめなさい、理性吹っ飛ぶから」


「何本気にしてんの?きもちわるぅい~♪」


ですよねー。


もう、気づいていると思うが、こいつ、かなりのドSだ。たまに本気で傷つく。


「……とね」


「何だー?何か言ったか?」


「ううん、何でも……あー!」


彼女が、歓声を上げた。


空から冷たくて、切なくて、美しい、雪が降ってきた。


「綺麗だね~♪お風呂で雪みれるとか幸せだね~♪」


「そうか?ただ寒いだけだろ?」


「はぁ……ほんとに……。ねえ、子供出来たら、名前、雪にしない?雪のように愛情が一杯積もりますようにって!」


「結婚したらな」


そこからしばらくの無言が続く。


汗もかいてきた。そろそろ上がろうか。


「俺、そろそろ上がるよ、さゆりも逆上せないようにな」


「待って」


いつになく真面目な声だった。それに俺は足を止める。


「雪ってさ、好き?」


「まぁ、好きかな。寒いけど」


「温泉てさ、好き?」


「ゆっくりできるからな、たまには来たいな」


それから質問はなかった。


「さゆり……?大丈夫か?逆上せたりーー」


「…………私の事は…………好き?」


大体雰囲気は察してはいたが……本当にくるとは思わなかった。


「……」


言葉が出なかった。自分の気持ちは決まっているはず。だけど……一歩、その一歩がまだ、踏み出せなかった。



「……答えて、くれないんだね……」


「ち、ちが……」


「本当は、これ言う前に、返事が聞きたかったの。聞いたら嫌でも好きって、ずっとそばに居るからって

君なら言うから。でもそれじゃあ、私は嫌なの……。何も都合も、設定も、条件もない、本当の気持ちで私は、好きな人に好きって言われたい」


「好きだ……、俺はさゆりが……好きだ」


「ごめんね、言ったけどもう、遅いよ。ほら、私って束縛強いし、何よりもめんどくさいの。えへへ」


笑ってる声はするのに、……何故か辛かった。



「私ね、実はもう、死ぬの」


【それでも俺は】第六部を読んで頂きありがとうございます。


少しでも僕の作品に興味持って頂けたら嬉しいです!泣きます!


これからも応援よろしくお願いします!

咲ヶ丘ゆづきでした!(=^..^=)ミャー


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