本気の気持ちとボス
おはようございます!
こんにちは!
こんばんは!
咲ヶ丘ゆづきですっ!!
【それでも俺は】第四部です!
よろしくお願いします!
お昼
ランチにしようということで軽く食事をとる
俺が注文したものを取りに行ってると
ヒールを脱いださゆりが
いた。見てみるとひどい痣だ。それもそうか……、ヒールなんかできたら痛いもんな。
「その痣……」
彼女は俺に気づかず、体を飛び上がらせていた。
「りー君……もうっ!びっくりさせないでよね!不審者かと思ったじゃん!まぁりーくんも充分不審者だけどね、私の♥️」
「痣、大丈夫か?」
「これ?痣じゃないよ!歴戦の傷!……あ、あーご、ごめんね、ちょっと楽しみ過ぎて、後のこと考えてなかった。こういうの男の人嫌なんだよね……」
「慣れてるから。それより、ほら、靴貸すから、これ履いて」
「え、なんで持ってるの?」
「あー、エロゲーしてるとさ、デートの時よく女の子がヒール履いてくるんだよ。それで【お前さぁ、歩くの分かってんのにヒールはバカだろ】って言ったらその子死んじゃったんだよね。遺書にヒール履いてバカって言われたって書いてあるシーン見て学んだよ。しかも一番の推しだったしな」
ゲームだったとはいえ、好きな子を自分の発言で殺してしまった罪は今でも感じている。
「あと、ちょっと休んで、行きたい場所あるんだ、行かない?」
「ホテル?」
「違えわ!!なんで何でもそっちに持って行くんだ!!」
「どこ、行くの?ま、まさか人気のないところで私を……!!寒いのは嫌!」
「だから違えから!しかも心配するとこそこかよ!」
言い争いをしていると他の客の目がこちらに向いてるのに気づいた。すごい蔑まされている。主に俺。
可哀想女の子。
あいつ、そういう趣味かよ……
黙っていればイケメ……あ、無理だわ
俺とヤラナイカ
色々聞こえてきた
あの女の子泣いてるぜ
ひどい彼氏じゃん
死ねば良いのに
よし、殺そう
受けは俺で攻めは俺な!
アーーーーーーー
酷い言われようだ
俺は別に何言われたって言いが、さゆりのことは言われたくない。てか最後の奴に悪寒が走ったのだが。
「さゆり、大丈夫か?」
さゆりは下を向いたままだ。
泣いてるのかも怒っているのかも分からない。
どうしようか……そう思っていたとき、
隣の椅子がガタっと音を立てて倒れた。驚いて見てみると、下を向いたままのさゆりが拳を作って鬼のような形相で客を睨んでいた。
客もかなり驚いている。
「……っ!」
何か言いたそうだが、言えない、そんな感じだ。
一人の男が近寄ってくる。
止めに入ろうとしたが、仲間の複数の男達に阻まれ、近づけなかった。
「お嬢ちゃん、可愛いね~何歳?こんな最低男と付き合うのやめてさぁ俺らと遊ぼうぜ~なぁ」
-ーで、ください」
「ん?遊んでください?いいよ~じゃあ、初めにーー」
男は手を伸ばそうとした。その瞬間、ゴギィと不快な音がした。
「近づくなっつっただろ!!!!」
そう、こいつ、いつもはきゃっきゃ言ってるが、それのせいで男受けがいい。それ狙ってくる輩もいる。
ある時襲われそうになったとき本人曰く【強くてかっこいいおねぇちゃん】に助けられたそうだ
そこから鍛えはじめ、合気道、剣道、柔道、書道、空手など護身術は全国レベルと言って良いだろう
だから俺のことも吹き飛ばせたのだ。
ちなみにすごく痛い、普通に死ぬよ。この人を怒らせたら人生終わりだと思った方が良い。
「さゆり、俺なら大丈夫だから……」
「で、でもぉ……」
仲間がやられ、他の男達も群がってくる。
「おいおいおい!何してくれてんじゃーあー?舐めてんじゃねーぞ!おらぁ!」
「女だからって容赦しねーぞ……俺らに逆らったらどうなるか、追い知らせてやるよ」
「可愛くて、強くて、大きくて、格好いい!タイプだ!けっこんしてく……グヘヘアアアア」
目が追いつかなかった。あいつなんかの伝承者か何かか?
さゆりが、最後の奴を吹き飛ばす。
「気持ち悪いのでこの世から消えてください。……害虫共」
「あー??」
「それと、」
男共を無視し、さゆりは、客を睨む。
「俺の、私の好きな人を侮辱した奴、こいつの何を知ってんだ。こいつの優しさを知ってんのか、あ?私はな、こいつが大好きだ、こいつの為なら死んでもいい……そう思ってる。可哀想?可哀想じゃねーよ、幸せだ。こんなにも、こんな私を好きでいてくれる男はもういない。気持ち悪い?目腐ってんのか?気持ち悪いのはいつもだ。当然の事言ってんじゃねーよ。気持ち悪くて、バカで屑で使えねーし底辺のゴミだけど……だけど……!!!私にとっては……最初で最期の恋なんだよ!!てめぇらに言われる筋合いはねえ!!俺の彼氏を馬鹿にするなっ!!!!」
店内は、静まり返る。人々は歩みを止め、呼吸を止めた。
カラカラ~ンと鈴の音が鳴る。客が入ってきたようだ。
その男が入ってくると、男共は深く頭を下げた。
重い空気の中で、その男だけが異様を放っていた。
「……何の騒ぎだ?外まで聞こえたが……」
「ボ、ボス!お疲れ様ですっ!いや~ちょいとトラブってまして
ヘヘヘ」
ボスと言われた男は、店内を見回す。少しすると、察したのか、部下達の胸ぐらを掴む。
「ちょ、ボ、ボス!?」
「大体理解したがな、
ケンカするのは自由だが、人様に迷惑かけるな。店に迷惑だろ!どうすんだ、ここの店員さん可愛いのに出入り禁止なったら。やるなら外でやれ!!」
「すみません!ボス!!」
「あとそこの女と、付き添いの男、ケンカ相手ってのはお前らか。後で外に来い。けじめはつけなきゃな。逃げんなよ。俺はコーヒー飲んでから行く。お前らも最期に何か食っといた方がいいぞ。もう食えねえからな。」
「……分かった」
さゆりは一言そういうと無言で携帯をいじりだした。
「皆、すまぬな。ここは俺の顔に免じて許してもらえないだろうか」
ボスは客に向かって、頭を下げる。
「ボ、ボス!!ボスのような方がゴミ共に頭を下げるなんて……」
「部下の罪は上の俺の罪だ。それにゴミと言ったな。お前ら明日から3年、どん底ランニングマシンの刑だ。俺は、俺はなっ!!!ここのコーヒーと特別甘々いちごフルーツパフェが大好きなんだよっ!!!パフェと好きな女の為なら命なんて安いもんだ。土下座でも戦場でも何でもしてやるよ」
「ボス……さすがです!」
「姉ちゃん、注文いいかな」
「あ、はい!」
一連を見ながらいつも通り仕事をする店員さんはすごいと思った。
「ラブラブコーヒーと、特別甘々いちごフルーツパフェ頼むな。それと……」
「コーヒーとパフェですね。それと?」
「実は、俺今日誕生日なんだけどな、誰も祝ってくれねーんだよ(´・ω・`)だから、おめでとうってコーヒーに入れてくれねーかな」
「あ、はい!わ、分かりました!」
謎のボスの無茶ぶりに笑顔で対応し、数分後運ばれてきたパフェとコーヒー、そして、誕生日おめでとうと書いてあるケーキが運ばれ、ボスは大粒の涙を流していた。
【それでも俺は】第四部を見て頂きありがとうございました!
また次の話数も読んで頂けたら嬉しいです!
感想も待ってますね!
ここまでご覧頂きありがとうございました!
咲ヶ丘ゆづきでした!