幼馴染みとあの時の後悔
おはようございます!
こんにちは!
こんばんは!
咲ヶ丘ゆづきと申します。
それでも俺は……
ゆづきワールドをお楽しみください!
※注意過激な部分が含まれます。苦手な方はご注意下さい。
「ねえ、りーくん何してるの?」
俺の幼なじみ林道さゆりは
笑顔で聞いてきた。
「エロゲー」
「それ、何て言うエロゲー?私もやってみようかな」
このちょっと危ない女は
今俺の部屋にいる。ちなみに夜だ。
二人きりであるが、こいつには申し訳ないが、恋愛感情はない。昔から、ずっと付いてきて、鬱陶しい。だから二人きりであろうとも
理性が吹っ飛ぶことはない。
「やめた方が良いぞ、結構過激だから。
いい子は悪いこと覚えないで、普通に恋した方が良いぞ、お前可愛いんだから」
「過激なのね~ふぅ~ん?
やっぱ男の子だねぇ~♪あと可愛くないから
目潰すよ?」
上目遣いで見つめてくるさゆり。
実は胸元が、見えそうになってドキドキしているのは内緒だ。
「そんなにしたいなら、わたしとしようよ。い、け、な、い、こ、と♥️」
「あー今ゲームで忙しいんで
。おお!アリアたんっくそ可愛い!デートしよう!いや結婚しよう!」
「……」
ちらっと見てみると
頬を膨らませている
ハリセンボンみたいで可愛い。
「さゆり?」
「シャーー!!」
「どうした?」
「さゆりは!さゆりちゃんはですね!今、とっても悲しいです!私より他の女の子がいいなんて……うぅ、あ、フィギュアある……しねえええええええ!ぶっ壊れろおおおおおお!」
「や、やめろおおお!
俺の秘蔵コレクション
【お兄ちゃんとのイケないことVol2】高かったんだぞ!初回限定盤二万だぞ!まぁ、秘密の写真集と秘蔵映像が良かったから買ったけど……ってやめろおおおおお!!」
「どうでもええええわ!!
何が【お兄ちゃんとイケないこと】よ!
自分の顔見て一回死んでもっとイケメンなってから言えええええええ!!!」
うるせえ、いつもいつも。俺のすることなす事全部突っかかってきやがる。ほんと鬱陶しい。ほんと変な奴だ。
だけど変な奴だが、嫌いではない。恋愛感情はないけどな。
「もう、いい!お風呂入ってくる!……覗いてもいいよ、りーくんだけ特別に許したげる。私の体見ちゃったら……えへへ、責任、とってもらおうかな、なんて……いっしょにはいろーー」
なんとここで脱ぎだした。
「ちょ、ちょっとまて!
なんでここで脱ぐんだ!!
脱衣場あるだろうが!!おれいるんだから!」
「え~♪何~?意識しちゃったの~♪変態♪それにエロゲーでなれてんじゃないの?」
「いいから!ここで脱ぐな!!」
「はいはい♪体は正直だね~♪可愛い~」
笑いながら、脱衣場に向かっていった。
「はぁ……」
俺は静かになった部屋で
ため息をつく。
俺は一人暮らしだから
あいつといるのは騒がしいけど楽しい。ウザいけど。
でも、あいつと会えないと寂しいときも――。
って俺は何考えてんだ!あいつのペースにのせられてはいけない。あいつはただの幼なじみ、あいつはただの幼なじみ……。
自分に言い聞かせる。
「りーくぅ~ん、ごめ~ん。シャンプーとさ~ボディソープとぉ、着替えとぉ~タオル持ってきて~♪」
タオルは分かるよ、でもシャンプー類忘れたらダメだろ、風呂入るなら着替え用意しとけよ。
「シャンプーなら、俺の使っていいぞ」
「え、やだ、それは嫌」
拒否られた、なんかショック。
「バックに入ってるから~♪女の子のカバンの中見れるなんて~♪幸せさんだなぁ、このこのぉ♪」
「わーったよ。着替えは、俺のでいいか?」
「うん!りーくんの服がいい♪」
俺は、タンスを漁り、適当に服を出す。
さゆりのカバンをできるだけ見ないようにしながら
シャンプーを取り出す。
そこで目が止まった。く、薬?
「りーくん、はやくぅ……肌焼けちゃうぅー」
とりあえず、エコバッグに着替えとタオルと、シャンプーを入れて持って行く。
風呂の鍵は開いてた。いや、しめろよ、誰か来たらどうすんだよ。
「持ってきたぞ、ここに一式置いとくから、では」
「ありがとう~♬さすが私の王子様~。ん?違うな、旦那様♥」
さゆりは何か言っていたが、そんな事頭に入ってこなかった。
お風呂場からのシルエットに思わず心臓が高鳴る。
部屋に戻ろうと思い踵を返すと突然悲鳴が聞こえた。
「きゃーなにかいるぅ!!覗き魔がいる!りーくん!助けてぇ~!」
え?
考えてるまもなく
さゆりが飛び出してきた。
後ろ向いてたから見えてないけど
心臓がやばい、死ぬ、マジで。
そして抱きついてきた。泣きながら。
胸が……ってそんなこと考えてられない!
「りーくん、怖い……りーくん……」
「さゆり、タオル巻いて部屋に行ってろ、見てくる」
「うん……」
全く、このご時世でもまだ覗きとかあるんだな……ほんと呆れるよ。
さゆりが部屋に行ったのを確認し、風呂場に突入。
「よお、どこの誰だか知らねーけど、俺の女に手を出すとは良い度胸だな。出てこいよ、それともただ、見たいだけで臆病なだけの屑で変態か?」
「っふ、戯れ言だな。俺はあの子に惚れたんだ。あいつは俺がもらっとく。お前はここでジ・エンドだ。」
どこからか、声が聞こえる、風呂の声に反響してるような、遠くから話しているような……。
「お前は、ツメが甘い。大切な奴って言うのは放って置くと簡単に失うぞ、まあ、もうあいつはオレのもんだ、負け組はさっさと消えろ」
その時部屋からさゆりの悲鳴が聞こえた。
さ、さゆり!
風呂場から出ようとしたが
体が動かない……!!なんだ……!
「大切な奴がピンチの時、どんな状況であっても、それを乗り越えられなければ護ることはできないのだよ、君にはそれができない。じゃあな、元彼君」
「っく!!き、貴様!!
あいつに、あいつになんかしたら!!!!手ぇ出したら!!!ぜってー許さねえ!!容赦しねえええ!!!」
神でもいい
何でもいい!助けろ!!動け!俺の体!っくそ!なんでこんなときに
っくそ!!!
あの時と――――緒だ!
動けえええええええええ!!!
―――あの時、俺は動けなかった。泣いてるあの子を救えなかった。
「もう、好きな人の泣いてる顔は、みたくねええんだよ!!」
実は知っている。その女の子が、さゆりだった、ということ。
あいつは小学生の時
親が通り魔に殺された。
目の前で。
そこに俺はいたのに―――怖くて動けなかった。一撃でもいい、死んでもいい、ただ―――あいつを護りたかった。
もう、後悔なんて、したくねぇんだよっ!!!
っ!硬直状態から解放された俺は真っ先に部屋に向かう。
途中で、段差に躓いて転んだ。
痛い……。いってーぇ……。ただ、転んだだけなのに、額から血が垂れてきた。頭がくらくらする。
でも―――!
痛みをこらえ部屋に向かう。
「さゆり!!大丈夫か!」
思わず抱きしめてしまった。咄嗟に、無意識に。
「うん、りーくんがいたから怖くなかったよ……」
「何もされてないか?だいじょーーゲホッ」
口から血が出てきた。多分さっきの転んだのが原因だろう。
胸でも打ったか?
「りーくん!だ、大丈夫!?え、ち、い、いや、いやあああああ、し、死なないで!しょ、消防車!恋愛相談センター!電話かけなきゃ!!!」
いや、それ、今関係なくないか……。まぁいいか、少し眠いな……あはは、死ぬんかな、俺。まだ、言ってないのにーー。
伝えてないのに、ほんとの気持ち……
そのまま、俺の意識は途切れた。
【それでも俺は】を
ご覧頂きありがとうございました!
また次のお話も読んで頂けると嬉しいです!
ありがとうございました!(_ _)