助っ人部
ブクマが30を越えた・・・だと(゜Д゜)
ありがたや~(≧∀≦)ありがたや~(≧∀≦)
超やる気が出ます!
「は~い、皆さん席について下さいね。このクラスの担任になる林道 鈴鹿と言います。今から皆さんにはホールの方へ移動して貰いますので一度廊下に並んでください。」
どうやら担任の先生が来たようだ。
しかし、未だに男子生徒は登校していない。席が2つ空いていることを考えるとおそらくそこが男子生徒の席なのだろうと思う。僕の目の前の席と廊下側に一つだ。それにしても入学初日に休むとはよほど大事な用事があったのだろう。
先生の言葉に従い廊下に出席番号順で並び、そのまま先生の後について行きホールへと移動する。
この学園のホールは非常に広大で演奏会が催されることも少なくない。
形状はヴィンヤード型を採用しており客席が段々畑のようにブロックで分割されている。
1組のスペースに座り少しすると入学式が開始される。
校長や生徒会長の挨拶に続き、この学園の説明に話が移る。
設備などは他校と比べるまでも無く段違いのものばかりで、はやく使ってみたくなるような物ばかりだった。
式が滞りなく終了すると、教室に戻るように指示される。
途中他クラスの男子に目を向けると、話が長かったのか居眠りをしているものが大半だった。
ゲームのしすぎだろうか? あとなぜか恰幅の良い男子が多いように思える。もう少し運動をした方がいいのではと思うが、まあ、その辺りは僕には関係ないだろう。
教室に戻ってくると、林道先生が書類を配り始める。
「今から書類を配っていきますので、しっかりと目を通してくださいね~」
僕は配られてきた書類の一つを手に取る。
それは部活動の仮入部の紙だった。
この才桜学園は部活動参加が強制であり、必ず何かしらの部活動には入らなくてはいけない。
「久々に大きく体を動かしてみたいなあ」
運動部に入ろうか?
いや、まだ他の部活も確認していない状態なら早計かもしれない。
ふむ、今日の予定は決まりだな。
放課後に部活を見学に行こう。
それから少ししてようやく放課後が訪れる。
「尚人君! 一緒に部活動見に行かない!」
まるで忍者のような素早さで陽葵さんが机に突撃してくる。
僕も部活動を見学するつもりだったので快く許可する。
他のクラスメイトが一様にこちらを羨望の眼差しで見つめてくるのが分かる。どうやら陽葵さんはこのクラスのマドンナ的な存在だったらしい。女子同士でもそういう感情が沸くこともあるのかと一つ世界を知った気分だ。
「陽葵さんはどこか入りたい部活に目をつけてるの?」
「うん!助っ人部って行ってね、他の部活に何か頼まれたら助っ人として助けに行くの!私運動が得意だから運動部の助っ人がしたいなあ」
ほう、なかなかに面白そうな部活である。
その部活であれば、一つの事だけでは無くより幅広い部活に手を出せるし、交流も幅も広がるだろう。
「それじゃあそこから見てみようか」
「わかった! 確かパンフには別棟の二階って書いてたからちょっと歩くことになるね」
一年の棟から出ると様々な部活が活動しているのが見える。
吹奏楽部の楽器の音が流れ、運動部は声を出して一生懸命に走っている。
皆楽しそうだなあ。いい汗をかいている。
そうこうしているうちに目的の部室に到着した。
ドアを数度ノックすると中から声が聞こえてくる。
「ほいほーい、入ってきていいっすよ~」
「失礼します!」
中に入るとそこには5人の先輩であろう人が見える。
椅子に座ってお菓子を食べてる先輩が一人、声が聞こえた音量から考えるに先ほど返事をしてくれたのはこの人だろう。
そして窓際で本を読んでいる人が一人、ダンベルを持って筋トレしている人が一人、なぜか枕に頭を預けて寝ている人が一人、そしてパソコンを見つめキーボードを叩いている人が一人の計5名だ。
(どの人も一癖二癖ありそうだな)
失礼かもしれないがそんな事を思ってしまう。
「お! 今回は二人も・・・」
とお菓子を食べている先輩がまず陽葵を確認し次いで僕を見たときに表情が固まった。
「お・・・」
「お?」
「男ぉぉおおおお!」
瞬間、室内に絶叫が響き渡る。
何事かとこちらを見つめる先輩方、ちなみに枕を持ってる人は現在進行形で爆睡している。あれはもう一種の才能だな。
「えっなんで男性が?!」
「やっやべえ! ダンベルは流石に片付けといた方がいいか!」
「き、君たち落ち着きたまえ。新入生君達がおどろいてしまうだろう。」
「そそそそうっすよ! おおおお茶、そうお茶を用意してくるっす!」
上から本、ダンベル、パソコン、お菓子である。
全く落ち着けていないが、取り敢えず元気な先輩方であることは分かった。
皆さんはどんなヒロインが好みなんですかね?