合格発表
ブクマが10超えていることに感激です(≧∀≦)!
今日は3つ投稿します。次は16時頃になる予定です。
「お兄ちゃーん、合否通知が来てたよ!」
朝一番に彩華のエンジェルボイスに起こされるとその手にはついこの間受けた才桜学園の合格通知が握られていた。
「皆で一緒に見ようよ!」
「ああ、そうだな」
そう言うと俺たちはリビングに移動する。
台所の方には母さんがエプロンを着けて朝食を作っている姿が目に入った。
「母さん、才桜学園の合格通知が来たみたいだから一緒に見よ」
「あらあらまあまあ、楽しみねえ。ちょっと待っててねすぐ作り終わるから。」
それから数分リビングには色とりどりの朝食が並べられているが、今は僕の周りに家族が集まって合否通知を確認しようとしている。
「き、緊張するね」
「絶対大丈夫よ!」
二人の緊張をよそに袋をはさみで封筒を切り一気に書類を取り出す。
その書類の一番上には・・・
「やったー! 合格だよお兄ちゃん!」
「おめでとう尚人君、今日はパーティーね!」
合格通知を確認するや否や二人は僕に抱きつき口々に賞賛してくれる。
「ありがとう二人とも。二人の応援のおかげだよ!」
僕は二人を強く抱きしめ返すと感謝の気持ちを伝える。
誰かが応援してくれるというのは本当に嬉しいものである。だから僕は頑張れたのだ。
勉強は勿論のこと、腹筋・背筋・腕立て・スクワット・瞑想・CAD・曲芸・絵画・近接戦闘・その他etc・・・学園に入学したときにもしかしたら必要になるかもしれないことを、考えられる限り取得してきた。本当にしんどい期間だった・・・
※二人は只勉強だけを頑張っていたと思っています。
「ふふ、そんなこと無いわよ~。尚人君が頑張ったからの結果よ?」
本当にこの母は甘い、思わず全てを委ねてしまいそうな母性が溢れ出ている。
「っとそれよりもはやく入学手続きをした方がいいかもね。もし締め切り日に間に合わなかったら泣くに泣けないからね」
必要な手続きの確認のために同封されていた書類に目を通す。
「ん?」
ふと、一枚の書類が目に入った。
その内容を簡単に要約すると、
大路尚人殿、貴殿は総合5位という輝かしい成績を残されましたので学費の方は免除されます。というものだった。
「「5位?!」」
(へえ、学費が免除されるのか! 有難い・・・)
思いがけない幸運だったが、いつも世話になっている母さんに少しでも恩返し出来たのかと思うとほんのちょっぴり自分のことを誇らしく思えた。
その後の妹と母さんの喜びようは凄まじいの一言では語れないほどですっかり朝食は冷めてしまったが、二人の笑顔を見ながらのご飯はいつもよりも美味しく感じた。
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僕は今自室で筋トレをしながら六法全書を読んでいる。
時間は有限である。
出来ることなら一分一秒を無駄にしたくない。
(それにしても・・・)
想像よりも才桜学園に通う生徒は上流階級の人ばかりなのだろうということが受験の時に分かった。
一応簡単なマナーなどは出来ると思うが、こちらの手違いで相手を困らせるような事があってはいけない。
パソコンを起動しマナーのページを開く、付け焼き刃なマナーなどすぐにメッキがはがれてしまうが、まあ確認するのとしないのとでは大きく違うだろう。
やることはいっぱいだ。入学までどれだけ自分を追い込めるかが鍵になってくるだろう。
「お兄ちゃーん!」
彩華がノック無しに部屋に入ってくる。
ふむ、おかしいな鍵がかかっていたはずだが? まあ、かけ忘れてしまったのだろう。
僕は筋トレを瞬時に止め、妹の用件を尋ねる。
「どうしたんだ?」
「一緒に遊ぼ! この間買って貰ったゲームしようよ!」
「 ああ、いいよ」
・・・シスコンだと思うならそう思って貰ってかまわない・・・
僕の中では妹は絶対なんだ! 何をおいてでも妹を優先するのが兄ってもんじゃあないのか!
えへへ~と喜ぶ妹についていきながら僕は頭の中でスケジュールの調整を行っていた。
面白いと感じたら高評価またはブクマ宜しくお願いします。
やる気が出ます!
次回からやっと学園です